10年前のある映画のリストが、今年になって話題になったのをご存知でしょうか。
それは、マーティン・スコセッシ監督が、
映画監督志望の高校生に送った観るべき映画のリストでした。

2006年にNYの短編映画のコンテストに応募した高校生のColin Levyさん。
そこで、入賞を果たし、マーティン・スコセッシ監督と会うことができたという。

ところが、Colin Levyさんは、それまでスコセッシ監督のの作品はもちろんのこと、過去の有名な映画さえもほとんど観ていなかった。
そこで、彼は「ぼくは、映画史も外国映画もほとんど知りません。これから映画製作始めるに当たって、アドバイスをいただけますか」とスコセッシに質問したという。

そして、数か月後、Colin Levyさんあてに届いた封書。
そこには、数冊の本とDVDと共にスコセッシのアシスタントによる直筆のメッセージが添えられた39本の外国映画のタイトルが載ったリストがが入っていた。

以下、映画のリスト原本写真

画像: 10年前のある映画のリストが、今年になって話題になったのをご存知でしょうか。 それは、マーティン・スコセッシ監督が、 映画監督志望の高校生に送った観るべき映画のリストでした。

以下、日本語でのリスト

1.『メトロポリス』(1926/独) 監督:フリッツ・ラング
2.『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922/独) 監督:F・W・ムルナウ
3.『ドクトル・マブゼ』(1922/独) 監督:フリッツ・ラング
4.『ナポレオン』(1934/仏) 監督:アベル・ガンス
5.『大いなる幻影』(1937/仏) 監督:ジャン・ルノワール
6.『ゲームの規則』(1939/仏) 監督:ジャン・ルノワール
7.『天井桟敷の人々』(1945/仏) 監督:マルセル・カルネ
8.『無防備都市』(1945/伊) 監督:ロベール・ロッセリーニ
9.『戦火のかなた』(1946/伊) 監督:ロベール・ロッセリーニ
10.『揺れる大地』(1948/伊) 監督:ルキノ・ヴィスコンティ
11.『自転車泥棒』(1948/伊) 監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
12.『ウンベルトD』(1951/伊) 監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
13.『美女と野獣』(1946/仏) 監督:ジャン・コクトー
14.『東京物語』(1953/日) 監督:小津安二郎
15.『生きる』1952/日) 監督:黒澤明
16.『七人の侍』(1954/日) 監督:黒澤明
17.『雨月物語』(1953/日) 監督:溝口健二
18.『山椒大夫』(1954/日) 監督:溝口健二
19.『天国と地獄』(1963/日) 監督:黒澤明
20.『いつもの見知らぬ男たち』(1958/伊) 監督:マリオ・モニチェリ
21.『若者のすべて』(1960/伊) 監督:ルキノ・ヴィスコンティ
22.『大人は判ってくれない』(1959/仏) 監督:フランソワ・トリュフォー
23.『ピアニストを撃て』(1960/仏) 監督:フランソワ・トリュフォー
24.『勝手にしやがれ』(1959/仏) 監督:ジャン=リュック・ゴダール
25.『はなればなれに』(1964/仏) 監督:ジャン=リュック・ゴダール
26.『追い越し野郎』(1963/伊) 監督:ディノ・リージ
27.『情事』(1960/伊) 監督:ミケランジェロ・アントニオーニ
28.『欲望』(1966/英・伊) 監督:ミケランジェロ・アントニオーニ
29.『革命前夜』(1964/伊) 監督:ベルナルド・ベルトルッチ
30.『肉屋』(1969/仏) 監督:クロード・シャブロル
31.『ウイークエンド』(1967/仏・伊) 監督:ジャン=リュック・ゴダール
32.『絞死刑』(1968/日) 監督:大島渚
33.『四季を売る男』(1971/西独) 監督:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
34.『不安と魂』(1974/西独) 監督:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
35.『マリア・ブラウンの結婚』(1979/西独) 監督:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
36.『さすらい』(1976/西独) 監督:ヴィム・ヴェンダース
37.『アメリカの友人』(1977/西独・仏) 監督:ヴィム・ヴェンダース
38.『カスパー・ハウザーの謎』(1974/西独) 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
39.『アギーレ/神の怒り』(1972/西独) 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク

リストをもらい感激したColin Levyさん。
お礼状を書こうと思いつつ月日が流れてしまい--.あっという間に6年の月日が過ぎる。
残念ながら、リストの映画もまだ数本しか観ていなかった。
ところが、ある日リストに載っていたアベル・ガンスの大作『ナポレオン』を観て、スコセッシ、リストのことなどをツイートしたところ反響があり、これを自身のブログに掲載。

そして、また4年半の月日が経ち、今になって、またこのエピソードが2016年10月”No Film School”という映画サイトに紹介され、また脚光を浴びFBなどに広がった。

それにしても、スコセッシ監督が、映画監督になろうとする少年に送ったこのリストは世界共通で映画界を目指す人にとっては貴重な情報ですね---。
それにしても、日本から小津、黒澤、溝口に加え大島渚監督作品も入っています。
さて、あなたは、何本見たでしょうか?

 


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