映画『あなた、その川を渡らないで(原題: My Love, Don't Cross That River)』
結婚76年目にして仲睦まじく暮らす老夫婦の姿を映し、韓国で大ヒットを記録したドキュメンタリ作品。
田舎の小さな村に暮らす98歳と89歳の夫婦を取材し、毎日お揃いの服に身を包み、恋人同士のように手をつないで歩くなど、川のほとりでの仲のいい暮らしぶりの一方、弱ってくる身体の具合や2人を心配する子供たちの様子などありのままの日常に迫る。
お互いを思い遣り、愛情溢れる老夫婦の姿が涙を誘う。国内外20の映画祭に出品され、第21回(2015年)ロサンゼルス映画祭最優秀ドキュメンタリ作品賞ほか、多くの賞を受賞。監督は本作がデビュー作となるチン・モヨン。
素敵な映画だった。命が輝いてた。
愛すること、生きることを大切にしなきゃと思った。始まってすぐの落ち葉でじゃれ合う2人のシーンからもう泣いた。それから何度も泣いた。美し過ぎる夫婦愛に、互いを尊敬し合う2人に、弱っていく命に、2人の一途さやピュアさに、飼い犬の出産に、2人の笑顔に、美しい自然と花たちに、そして永遠の愛に…。
いや、パートナーとこんな生き方がしたかったという理想を目の当たりにし、できてない自分が悔しかったのかも…(苦笑)。ただただ日常を追ってるだけの映像に、温もりや素敵が溢れてて、観たというよりも感じた作品なのかなあ。
おばあちゃんが語る2人の過去もおじいちゃんに向けられたひとつひとつの言葉にも愛情が溢れててさ。おじいちゃんが咳き込んで苦しいのに寝ているおばあちゃんの頭を撫でたりしてさ。胸が熱くなったなあ。おばあちゃんの「一緒に死ねたらいいのに」には涙が止まらなかった…。
死んだ後のことまで世話を焼くところなんかもう嗚咽した…。ドキュメンタリってことを忘れるくらいだった。一緒にいられることが幸せなんだよね。夫婦の基本を感じたね。人を愛することがどれだけ幸せなことなのか。優しい気持ちになれる作品。誰かに優しくしたくなった。そして誰かと手を繋ぎたくなった。ねえ、誰か。どこにいるの？ ボクの誰か…
シネフィル編集部 あまぴぃ
『あなた、その川を渡らないで』予告
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