「LuckyHouse のポートフォリオ」13 フランスの超新星ロッド・パラド
脚光を浴びた映画デビュー作『太陽のめざめ』を携え、“フランス映画祭2016”で初来日!
“フランス映画祭2016”が、去る6月24日(金)〜27日(月)の4日間に渡って開催され、12本の話題作が披露された。
初日の24日は、華やかなオープニングセレモニーに続き、開幕作品の『太陽のめざめ』が上映され、本作で映画デビューを飾った超新星ロッド・パラドが登壇した。
1996年4月4日、パリにほど近いサン=ドゥニで生まれたロッド・パラドは、スタンにあるリセの職業訓練過程に在学中に本作のキャスティング担当者の目に留まり、数十回にも及ぶオーディションを経て、見事に主役の座を射止めたという強運の持ち主だ。
8月の日本公開に先立って上映された『太陽のめざめ』は、身勝手なシングルマザー(サラ・フォレスティエ)にネグレクトされて暴走し、非行に走った16歳の少年マロニー(ロッド・パラド)が、自分を6歳の時に保護した家庭裁判所の判事フローランス(カトリーヌ・ドヌーヴ)や、教育係のヤン(ブノワ・マジメル)との交流を通して更生していく姿を活写し、2015年のカンヌ国際映画祭のオープニング作品に選出された秀作で、監督・脚本は、女優としても活躍する才媛エマニュエル・ベルコ。
映画初出演ながら、大物俳優との共演にも怯まずに堂々と渡りあったロッド・パラドは、主人公マロニーの危うさや頻発する暴力的感情、捌け口のない寂しさ、そして愚直に愛を求めるナイーブな姿を生々しくも感受性豊かに演じ切って魅せている。
今回の“フランス映画祭2016”では当初、監督のエマニュエル・ベルコの来日も予定されていたのだが、それは叶わず、ロッド・パラドが上映後のQ&Aの重責を一人で担うことに。
しかしながらロッド・パラドは、本作で仏国内の新人賞を総なめにしたのも頷ける、その際立った“目力”と“存在感”で観客をあっという間に魅了。
初々しくも大器の片鱗をうかがわせた彼は、今後も俳優業に邁進したいとコメントした。
『太陽のめざめ』が公開されたら、一挙に日本のファンが急増するに違いないロッド・パラドは、すでにグザヴィエ・ボーヴォワ監督の新作への出演も決定。今後の活躍が大いに期待されるボーギャルソンだ。
(Text by Yoko KIKKA)
公式サイト
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