映画『森山中教習所』
真造圭伍の人気コミックを基に、マイペースな大学生と高校中退のヤクザという対照的な同級生の風変わりな非公認教習所でのひと夏を描く青春コメディ。教官も教習生も個性的な人ばかりという環境で、2人の若者を中心としたエピソードが展開する。
監督は『怪談新耳袋』シリーズや『ソフトボーイ』などの豊島圭介。『日々ロック』などの野村周平とテレビドラマ『花子とアン』などの賀来賢人が主演を務め、岸井ゆきの、麻生久美子、根岸季衣、ダンカン、光石研らが共演。主題歌は星野源。
原作の独特な世界観がどのように描かれているか注目。あら、なかなか良いゾ。ユル〜くて、楽しくて、面白くて、でも少し切なさも見え隠れして…。なんだかとっても優しいんだよね。想い出すとキラキラと眩しいのになぜか心がチクッと痛む夏の想い出みたいな作品。冒頭から独特の“間”といい、笑いのユルさといい、脱力ちっくなエピソードといい、軽い気持ちで身体を預けていられるのが心地良い。映像もキレイで、水風船やパラソル、BBQと夏の匂いまでしてきそう。アットホームでノンビリしてたらアッという間に夏が終わった感じ。
一方にとって免許は自由への扉であり、もう一方にとって免許は自由を奪うものという対比で物語は進んでいくんだけれど、全体的にあえて浅く(?)ボカして(?)描いていて、絞り切らない感じが絶妙。
野村周平は喜怒哀楽を豊かに自然体で演じていて楽しい。賀来賢人の狂気や哀しさを滲ませた演技も印象的。時折見せる笑顔もカワイイ。他の共演陣もすごくチャーミング。横に流れるエンドロールもかわいらしく、星野源の主題歌も雰囲気に合ってて良かったなあ。夏の想い出は甘酸っぱさも輝きも含めて“青春”の想い出になっていくのかしらね〜。切なさも忘れない…。
イケメン俳優使った女子向け映画だろ? などと思わずに観てみたい作品。
いいねえ、青春、いいねえ、夏。
シネフィル編集部 あまぴぃ