台湾、香港、中国本土など中華圏での仕事歴20年
(うち半分の10年は中国暮らし)
自称!日中友好大使の小松拓也です。

画像: 小松拓也

小松拓也

今回のテーマは日本の芸能人やその卵たちが在住覚悟で本格進出するならば中国本土と台湾のどちらの都市が良いか?についてです。
まず、以下に具体的なデータを並べてみます!

<中国映画の出演料一本あたりの出演料トップ3>
1位 チャウ・シンチー(周星馳)5000万元(約9億9000万円)
2位 トニー・レオン(梁朝偉)4500万元(約9億円)
3位 チョウ・ユンファ(周潤發)3600万元(約7億1000万円
(上記は2015年データであり、参考資料によりデータは異なります。この数値はこちらの記事を参照にしています!http://cinefil.tokyo/_ct/16847494)

画像: 日本では映画『少林サッカー』などで知られる香港スターのチャウ・シンチー http://www.recordchina.co.jp/a45860.html

日本では映画『少林サッカー』などで知られる香港スターのチャウ・シンチー
http://www.recordchina.co.jp/a45860.html

ここで強調しておきたいのは、これは中華圏トップスターの年収ではなく、あくまで映画一本に出演した際の収入!という点です。(驚くほど高額なギャラですよね?)
当然、中華圏トップスターたちは1年間の間に企業広告のキャラクターやテレビやイベント出演など様々な活動を行いますので、それら全てを含めた実収入はと~んでもない額になります。
ちなみに中国芸能市場の出演料高騰は映画だけに限ったことではありません!

一流になれば、ドラマでも一本数億円のギャラを稼ぐスターも複数いるほか、人気バラエティ番組一本の出演料が数百万~数千万という単位のタレントも実在します。
(具体例で言うと、2007年に僕が参加して中国で知名度を獲得するきっかけになったテレビオーディション番組「加油!好男児」から芸能デビューを果たした井柏然や李易峰らは現在、ドラマ一本の出演料が5億円前後まで高騰しています。)

画像: 李易峰 http://beautifulasianguys.blogspot.jp/2015/01/yifeng-li.html

李易峰
http://beautifulasianguys.blogspot.jp/2015/01/yifeng-li.html

僕、小松拓也が上海を拠点に活動をしていた2012年頃は芸能人の価格高騰がすでに十分高かったにせよ、ここまでの破格ではありませんでした。
価格高騰に関して最も顕著に推移しだしたのは2014年頃からです。
こういった中国芸能市場における芸能人の出演料の高騰ぶりは台湾や香港のみを活動の拠点に置いた場合、期待はかなり少ないでしょう。

(台湾、香港であなたがトップタレントになるか?もしくは強烈なパイプをその地で開拓し、強力な関係性を中国本土の芸能界と築けるならば別の話ですが。)
加えて、台湾や香港でのその地域のみにおける活動で得られる芸能人のギャラの参考額は、当然知名度やステータスなどに応じて誤差があるものの、一般的に日本より低い場合が多いです。
(そのため、近年台湾や香港のトップスターの主な収入源は中国本土での稼ぎという傾向が非常に強くなっています。)
前回のコラムでもお伝えした通り、台湾や香港での活動は一昔前と違い、あまり中国本土への影響力をもたらさなくなりつつあります。

画像: 中華圏で最も有名な台湾出身のアーティスト周杰倫 http://matome.naver.jp/odai/2140828401875937501/2140828582277573203

中華圏で最も有名な台湾出身のアーティスト周杰倫
http://matome.naver.jp/odai/2140828401875937501/2140828582277573203

「第一回 日本、台湾、香港、中国へ時を隔てながら渡ったものとは?」で1番最初に僕がお話をしたように、台湾や香港で活動することによって中国でもたらされる台湾、香港ブランドの恩恵は2000年代後半までが賞味期限だったと言えるでしょう。

かつては、台湾や香港で活動をすることそのものが中国本土での活動に大きな影響を与えて来た時代が長く続きましたが、今や中国の経済が爆発的に急拡大したことに伴い、良質なエンタメ文化を外から呼び込むことに力を注ぐ時代が終わりかけ、中国本土から新しい芸術や人材を独自に生み出すことに中国政府が力を入れるようシフトしだしたことも大きな要因の1つでしょう。
加えて、中国本土で作り出される映画やドラマの質も飛躍的に向上し、かつてはつまらないと自国のファンでさえ嘆いていた中国エンタメの内情が近年は大きく変化し、良質なコンテンツを多数生み出しています。

同時に、中国本土のエンタメファンたちも一昔前ほど台湾や香港のコンテンツに依存しない状況に推移しています。
(かと言え、まだまだ台湾、香港、日本、韓国コンテンツそれぞれの影響力は一定の力を持ちます)
次のコラムでは上記を踏まえた上で、更に踏み込んだ中国エンタメ市場の個人的見解をお伝えしたいと思います。

1977年生まれ。
高校を卒業するとともに金城武のような多言語を操る国際的な俳優を目指し、台湾へ語学留学。
2003年に台湾でリリースした北京語CDアルバム「一萬個為什摩」は二万枚のセールスを記録。2007年に中国の国民的テレビオーディション番組「加油!好男児」に参加をし、約八万人の応募者の中からトップ20位に残った唯一の外国人ということで大きな注目を浴び、番組終了後は数多くの中国のテレビやイベント、雑誌などに出演するほか、数社の企業広告のイメージキャラクターを務め、日本の音楽を紹介する「音楽物語in Japan」のMCを務めるなど幅広く活動。
また、国家プロジェクトである上海万博の開幕式への参加や、世界中の華僑を台湾に集めて台北小巨蛋をステージに行われた四海大同では、2万人を前にイベントのテーマソングを歌うなど、その功績を中国からも認められている数少ない日本人の1人。

小松拓也オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/takuyashanghai/

This article is a sponsored article by
''.