画像1: アサヒビール大山崎山荘美術館 開館20周年記念
「未来も新しくまた過去も新しい ―工芸の名品より」
画像2: アサヒビール大山崎山荘美術館 開館20周年記念
「未来も新しくまた過去も新しい ―工芸の名品より」

 たまには、都会の喧騒を離れて、静寂に包まれた森を散策してみませんか?
ひととき、緑溢れる自然に囲まれた、アサヒビール大山崎山荘美術館で、美術鑑賞をしましょう。

 クラシカルな元は別荘であった美術館本館では、各国の工芸品の名品が展示され、日本を代表する現代の建築家、安藤忠雄の設計による、コンクリート造の地下の展示室には、印象派の巨匠、モネの《睡蓮》をはじめとする名画が並んでいます。
まさに、伝統的なものと、新しいものが好対照を成しています。

 2階のバルコニーからは、京都の木津川、宇治川、桂川や、石清水八幡宮のある男山も一望でき、お茶を飲んで、寛いでいただけます。
庭園には、モネの絵を思わせる睡蓮の池もあります。
是非、訪れてみてください、きっと身も心も癒されることでしょう。

大山崎山荘の歴史

画像: 大山崎山荘の歴史

 京都の天王山中腹に建つ大山崎山荘は、実業家・加賀正太郎氏の建てた英国風の別荘でしたが、加賀家の手を離れ、平成に入り、取り壊しの危機にあい、貴重な文化財の保存が望まれていたところ、京都府・大山崎町と連携した、アサヒビール株式会社によって、1996年復元、整備され、「アサヒビール大山崎山荘美術館」として、受け継がれました。

みどころ

画像: 美術館内にあるモネの≪睡蓮≫を思わせる池 photo©cinefil

美術館内にあるモネの≪睡蓮≫を思わせる池 photo©cinefil

 開館20周年を記念する本展では、「未来も新しくまた過去も新しい」をテーマに、山本爲三郎氏が新しい美を求めて、コレクションした古陶磁の名品を中心に展示するほか、彼が未来を見据えて支援した同世代の作家たちによる名品を紹介し、山本氏の美意識と芸術文化支援活動の業績に迫ります。

「未来もあたらしくまた過去も新しい」は、民藝運動の指導者 柳 宗悦(1889~1961)の言葉で、柳は、急速な近代化によって失われつつあった民藝の品々に着目し、これまで顧みられることのなかった伝統的なものにこそ美が宿っていると唱え、新たな価値をつくりだしました。
アサヒビール初代社長 山本爲三郎氏もこの柳氏の思想に共感し、あつく支援したのです。

第1章 古きにみたあたらしさⅠ―ヨーロッパの古陶磁

画像: ≪ハンガリー 王・王女文鉢≫1783年 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

≪ハンガリー 王・王女文鉢≫1783年 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

 本館山本記念展示室は、山本爲三郎氏によるヨーロッパ各地の古陶磁コレクションです。
日本と交易関係にあったオランダのデルフト陶器をはじめ、イタリアや、フランスの民窯陶器、ハンガリーやルーマニアといった、当時ではあまり着目される事のなかったやきものにも、山本氏は新しい魅力を認めました。
それは、素朴で、牧歌的で、健やかな無事の美を宿す、民衆的工藝に価値を見いだすものでした。

第1章 古きにみた新しさⅡ ―アジアの古陶磁

画像: ≪ペルシア 白地藍彩双獣把手壺≫アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

≪ペルシア 白地藍彩双獣把手壺≫アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

 こちらでは、中国と中近東のやきものが展示されています。
《ペルシア 青釉手付壺》などの名品は、古美術商の石黒孝次郎氏(1916~1992)によって、山本氏にもたらされました。
イスラム陶器の魅力は動物模様の大胆かつ素朴で愛らしい表現、幾何学的な文字模様、おおらかな器形などが挙げられますが、中でも注目されたのは「銀化」した陶器でした。
「銀化」とは、陶器に施された鉛を含む釉薬が、長い間、土に埋もれるなかで酸化し、金属質の光沢を発する自然現象で、悠久の時をこえて生み出された美に多くの人々が惹きつけられています。

第2章 ビールと山本爲三郎

画像: 《ドイツ 塩釉ビールマグ》 18-19世紀 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

《ドイツ 塩釉ビールマグ》 18-19世紀 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

 現在では、日本においても、欠かせない飲料となったビールですが、ビアホールの前身ができたのは、120 年ほど前からです。
山本爲三郎氏は父・爲蔵氏から弱冠16歳で山爲硝子製作所を引き継いでから、新会社の設立や合併を繰り返し、朝日麦酒(現アサヒビール)初代社長に就任しました。
その後山本氏は世界基準の品質を目指し「アサヒゴールド」の生産を指揮し、続いて日本初の缶ビールの開発を手がけました。

 常に本物を追い求めた山本氏にとって、ドイツのビール文化を象徴するビアマグや髭徳利は、ビールとそれが育んだ文化について学ぶための重要な資料でもありました。

第3章 時を超える

画像: 河井寬次郎《練上鉢》1955年 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

河井寬次郎《練上鉢》1955年 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵   

 「未来も新しくまた過去も新しい」※
それまで美の対象として顧みられることのなかった雑器についてこのようにのべた思想家・柳宗悦は近代化が進み、安価な大量生産品が出回ることにより、無名の工人たちによる手仕事が失われることを憂慮し、雑器にこそ「無事の美」「健康の美」がやどっていることを示し、民衆が製作した工芸品を、「民藝」と名付けました。

 山手館で展示している作品は、ともに過去の美を認め、未来へ向けた熱い思いを共有していた民藝運動の人々と山本氏との親交の証といえるでしょう。
  ※文献資料:「下手ものゝ美」大正15年9月19日 越後タイムス

常設展示

画像1: 常設展示
画像2: 常設展示

クロード・モネ
《睡 蓮》 1914-1917年 photo©cinefil                                   


 安藤忠雄氏によって設計された地下の地中館では、常設展示として、印象派の巨匠クロード・モネをはじめ、会期中はジョルジュ・ルオー、モーリス・ド・ヴラマンク、モーリス・ユトリロなど、19世紀から20世紀のかけてフランスを中心に活躍した作家たちの作品が展示されています。
館内案内にも書かれていますが、まさに「地中の宝石箱」となっています。

 皆さま是非、初夏の清々しい緑に囲まれたアサヒビール大山崎山荘美術館で、悠久の時代から受け継がれた、味わい深い「民藝」の名品と新しい近代文化の融合、「未来も新しくまた過去も新しい」をご堪能ください。

展覧会概要

会場:アサヒビール大山崎山荘美術館 
   〒618-0071 京都府乙訓郡大山崎町銭原5-3 
 *JR山崎駅・阪急大山崎駅より徒歩約10分(ご高齢の方優先の送迎バスあり)
会期:2016年6月11日(土)-2016年9月4日(日)
   午前10時~午後5時 ※最終入館は午後4時30分まで

休館日:月曜日 ※祝日の場合は翌火曜日休館
 
主催:アサヒビール大山崎山荘美術館
 
入館料:一般 900円(団体:800円)
    高・大学生 500円(団体:400円)
    中学生以下 無料
障害者手帳をお持ちの方 300円
*団体:20名以上
 
後援:京都府、大山崎町、大山崎町教育委員会、京都新聞、
読売新聞京都総局、朝日新聞京都総局、毎日新聞京都支局、
産経新聞社京都総局、中日新聞京都支局、エフエム京都

アサヒビール大山崎山荘美術館 開館20周年記念「未来も新しくまた過去も新しい」@京都 cinefilチケットプレゼント

下記の必要事項、読者アンケートをご記入の上、「未来も新しくまた過去も新しい」チケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、ご本人様名記名の招待券をお送りいたします。

☆応募先メールアドレス  info@miramiru.tokyo
  *応募締め切りは2016年8月21日 24:00 日曜日

記載内容
1、氏名 
2、年齢
3、当選プレゼント送り先住所(応募者の電話番号、郵便番号、建物名、部屋番号も明記)
  建物名、部屋番号のご明記がない場合、郵便が差し戻されることが多いため、
  当選無効となります。
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   また、抽選結果は、当選者への発送をもってかえさせて頂きます。

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