夢と現実の狭間に揺れながらその孤独な魂は

導かれるように聖地<グレイスランド>に向かった―
精密金型工場で働きながら、夜はエルヴィス・プレスリーのトリビュート・アーティストとしてステージに立っているカルロス。エルヴィスの生まれ変わりであると信じる彼は、服装から乗る車、食べるものに至るまで、本物のエルヴィスとそっくり同じものを身につけて生活をしている。

更には周囲の人間に自らを「エルヴィス」と呼ぶことを強要し、娘にはエルヴィスの娘と同じリサ・マリーと名付ける程の徹底ぶりに、かつて愛したはずの妻は愛想をつかし、娘を連れて別居してしまう。そんな中、ある予期せぬ出来事からカルロスは娘の面倒を見ることになるのだが、次第に父親としての自覚が芽生え始めていく。

しかし、彼には絶対に叶えなくてはならない、あるひとつの夢があった。やがて妻と最愛の娘を残し、彼はエルヴィスに導かれるように聖地<グレイスランド>へと向かうのであった―

画像: http://www.pioniwa.com/elvis/

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"エルヴィスの歌声に最も近い男" ジョン・マキナニーの熱演!

「BIUTIFUL ビューティフル」「バードマン」の共同脚本、アルマンド・ボー長編初監督作!
主人公カルロスを演じるのは、アルゼンチンでエルヴィスのトリビュート・アーティストとして、実際に活躍するジョン・マキナニー。

本作が映画初出演だが、吹替えなしの圧倒的なライブシーンをはじめ、体型や容姿、その歌声まで、エルヴィスにそっくりな彼にしかできない役柄を見事に演じきった。

そんな彼から物語の着想を得て、本作を作り上げたのは、第88回アカデミー賞でも『レヴェナント 蘇えりし者』で2年連続となる監督賞を受賞し話題となったアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の『BIUTIFUL ビューティフル』、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で共同脚本を務めたアルマンド・ボー。

類まれな純粋さをもった、しかし不器用なひとりの男の魂の彷徨を、リアリティ溢れる演出とカメラワークで描いてみせた。監督デビュー作ながらも本作は高く評価され、国内外の映画祭で数々の賞を受賞し大きな脚光を浴びることとなった。 この映画を観終えたものは、夢を追いかけ続けることの厳しさと美しさを同時に感じずにはいられないだろう。

画像: 映画『エルヴィス、我が心の歌』予告編 youtu.be

映画『エルヴィス、我が心の歌』予告編

youtu.be

アルマンド・ボー監督

「エルヴィス、我が心の歌」は他人の人生を模倣しながら生きている男の物語です。
彼は、自分自身をエルヴィス・プレスリーだと信じており、それが家族、特に娘に強い影響を与えています。この映画はアイデンティティの喪失、自己否定、狂信のメタファーなのです。

これらのテーマは私がとても興味をもっている事柄であり、特に若い人たちの間に多く見受けられることだと考えています。現在、アイドルは偶像化され、まるで完璧な人間であるかのように売り出されていますが、実際は我々同様不完全な人間なのです。

この映画で、主人公カルロスは非常に歌が上手いという才能を持っていますが、自分のパーソナリティを持っていない為に、他の人間を真似ることを選びます。人は皆、ある意味誰かの代わりなのでしょう。
本作は、エルヴィスの音楽を、エルヴィスとは関係ない南米の現実と融合させることで異なる音を奏で、異なる雰囲気を持たせた映画です。
この映画によって私は、カルロスの狂気、そして彼が求めていた夢を掴み取ろうとしている姿を視覚的に表現できたと思っています。

「エルヴィス、我が心の歌」
2012年 / アルゼンチン / スペイン語・英語 / カラー・シネスコ / 91分 / 原題:El último Elvis / 英題:The Last Elvis
スタッフ
監督・・・・アルマンド・ボー
脚本・・・・アルマンド・ボー、ニコラス・ヒアコボーネ
撮影・・・・ハビエル・フリア
製作・・・・ビクトル・ボー、アルマンド・ボー
制作補・・・アレハンドロ・G・イニャリトゥ
キャスト
ジョン・マキナニー ・・・・・・エルヴィス/カルロス・グティエレス
グリセルダ・シチリアニ ・・・・アレハンドラ・オレンベルグ
マルガリータ・ロペス ・・・・・リサ・マリー・グティエレス

5月28日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開

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