写真展 映画館
映画館映写技師/写真家 中馬聰の仕事

映画の発明から120年、映画館は人々が暗闇に集い、眼を開けてともに同じ“夢”を見る特別な空間であり続けてきました。しかし、映写技術がフィルム映写からデジタル・プロジェクションに移り変わる昨今、私たちの想像力を育んできた国内の歴史ある映画館が次々と閉館しています。
その一方、新時代のテクノロジーを受け入れながらも、フィルムによる映写を粘り強く続けている劇場・上映施設も各地に存在します。

 この展覧会では、昨年、第一写真集「映画館」(リトルモア刊)を発表した写真家・中馬聰の作品約100点を紹介いたします。

中馬は、関西でフィルム映写の技師を勤めながら2007年より全国の映画館をめぐり、その建造物はもちろん、映写室や小さな片隅に至るまで“シネマの匂い”のする場所をくまなく撮り続けてきました。モノクロームを主とするその写真は記録的な価値を持つばかりか、私たちと映画を結びつけてきた空間の限りない親密さも示しています。

 またこの機会に、フィルムセンターが所蔵する戦前期の映画館写真も併せて展示し、20世紀文化を先導した映画の大いなる姿をお見せいたします。過ぎ去った映画の記憶を呼び戻すとともに、この社会の中で映画が担ってきた価値を再発見し、さらにこれからの映画文化のかたちを模索するための好機となるでしょう。

画像: http://www.momat.go.jp/fc/exhibition/eigakan/#section1-3

http://www.momat.go.jp/fc/exhibition/eigakan/#section1-3

画像: 吉祥寺バウスシアター(東京都) www.momat.go.jp

吉祥寺バウスシアター(東京都)

www.momat.go.jp
画像: 甲南劇場(山梨県) www.momat.go.jp

甲南劇場(山梨県)

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中馬聰 ちゅうま・さとし

大阪府出身。京都芸術短期大学卒業。2002年から映画館で働き始め、映写技師を勤める。2006年、吉永マサユキ・森山大道両氏による写真学校「resist写真塾」に参加。2007年より全国の映画館・上映会場の撮影を開始する。2015年、リトルモアより写真集「映画館」を発表。

映画館をめぐる旅

1、  北海道 岩内ニューシネマ            
2、  北海道 テアトルプチ
3、  北海道 シネマアイリス
4、  北海道 大黒座
5、  岩手  萬代館(2点)
6、  秋田  花園館(3点)
7、  宮城  岡田劇場(2点)
8、  福島  本宮映画劇場(2点)
9、  栃木  宇都宮オークラ劇場
10、 群馬  高崎電気館
11、 千葉  木更津富士館(2点)
12、 千葉  木更津東映
13、 東京  新橋文化劇場/新橋ロマン劇場
14、 東京  銀座シネパトス(2点)
15、 東京  浅草中映劇場/浅草名画座(3点)
16、 東京  新宿ミラノ座(2点) 
17、 東京  三軒茶屋中央劇場(3点)
18、 東京  吉祥寺バウスシアター
19、 東京  拝島映画劇場
20、 神奈川 横須賀 金星劇場(2点)
21、 神奈川 ドライブインシアター 大磯
22、 新潟  高田世界館(2点)
23、 山梨  甲南劇場
24、 山梨  テアトル石和(2点)
25、 長野  長野松竹相生座/ロキシー(2点)
26、 長野  長野千石劇場
27、 長野  上田映劇
28、 長野  茅野新星劇場
29、 静岡  静岡オリオン座/有楽座
30、 富山  シネマ食堂街/駅前シネマ
31、 石川  駅前シネマ
32、 愛知  シネマスコーレ
33、 愛知  中村映劇
34、 愛知  西尾東映劇場(3点)
35、 大阪  シネ・ヌーヴォ(2点)
36、 大阪  新世界国際(2点)
37、 大阪  千日前国際シネマ
38、 大阪  高槻セレクトシネマ
39、 大阪  南街劇場
40、 大阪  新世界東映
41、 京都  千本日活(2点)
42、 兵庫  元町映画館
43、 兵庫  豊岡劇場(2点)
44、 広島  八丁座
45、 広島  呉シネマ
46、 徳島  貞光劇場(2点)
47、 愛媛  シネマルナティック
48、 高知  大心劇場
49、 福岡  福岡中洲 大洋映画劇場(2点)
50、 福岡  小倉昭和館
51、 福岡  前田有楽映画劇場
52、 大分  シネマ5
53、 大分  別府ブルーバード劇場
54、 熊本  八代第一映画劇場
55、 沖縄  首里劇場(2点)
56、 無題  〈映写機〉               
57、 無題  〈映画フィルム〉(2点)
58、 無題  〈映写窓〉
 
 

フィルムセンターを撮る

59、映写室                      
60、保存庫
61、フィルム補修
62、写真
 
 

フィルムのある風景

63、無題 〈映写室をめぐって〉(18点)       
64、フィルムスライド 〈映画のすみか〉(27点)
 
 

フィルムセンター所蔵 戦前の映画館写真

65
札幌  東宝映画劇場(1938年)        
66
仙台  文化キネマ(1935年)
67
浅草  富士館(1942年)
68
浅草  電気館(1933年)
69
浅草  大勝館(1935年)
70
丸の内 松竹劇場(1936年)
71
日本劇場の内部
72
帝国劇場の周りに列をなす人々(1936年)
73
銀座  前線座
74
新宿  武蔵野館(1935年)
75
渋谷  松竹映画劇場/銀星座(1939年)
76
神田  日活館(1942年頃)
77
横浜  オデヲン座(1938年)
78
金沢  松竹座(1929年)
79
名古屋 千歳劇場(1929年)
80
新京極 松竹劇場(1938年)
81
新京極 京極映画劇場(1938年)
82
道頓堀 松竹座(1923年)
83
梅田  北野劇場(1938年)
84
千日前 敷島倶楽部(1936年)
85
神戸  錦座(1931年)
86
宇和島 丸の内映画劇場(1938年)
87
博多  弁天座(1933年)
88
佐賀  東宝映画劇場(1939年)
89
大入り袋 本宮映画劇場所蔵     
90
映写用カーボン 本宮映画劇場所蔵
91
映写技術者免許証 本宮映画劇場所蔵
92
浅草中映劇場/浅草名画座 浅草新劇場 看板
93
浅草中映劇場/浅草名画座 浅草新劇場 上映時間表
94
浅草中映劇場/浅草名画座 浅草新劇場 上映番組ポスター
95
高知小劇 入場券刺し
96
シネパトス銀座 座席
97
シアターN渋谷 自立看板
98
シアターN渋谷 定員表示板
99
新宿ミラノ座 ペアシート 個人蔵
100
新宿ミラノ座 『ニュールンベルク裁判』看板(1962年) 個人蔵
101
新宿ミラノ座 映写室表示板(2点) 個人蔵
102
新宿ミラノ座 「完全映写のための留意事項」 個人蔵
103
新宿ミラノ座 映写室関連資料 個人蔵
104
東急系劇場 次回上映案内フィルム 個人蔵

会場:
東京国立近代美術館フィルムセンター 展示室(企画展)
会期:
2016年4月12日(火)―7月10日(日)

開館時間:
11:00am-6:30pm
(入室は6:00pmまで).dl-horizontal
休室日:
月曜日および6月13日(月)-17日(金)は休室です.dl-horizontal
観覧料:
一般210円(100円)/大学生・シニア70円(40円)/高校生以下及び18歳未満、障害者(付添者は原則1名まで)、MOMATパスポートをお持ちの方、キャンパスメンバーズは無料.dl-horizontal
*料金は常設の「NFCコレクションでみる 日本映画の歴史」の入場料を含みます。
*( )内は20名以上の団体料金です。
*学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズの方はそれぞれ入室の際、証明できるものをご提示ください。
*フィルムセンターの上映企画をご覧になった方は当日に限り、半券のご提示により団体料金が適用されます。
*2016年5月18日(水)は、「国際博物館の日」(毎年5月18日)を記念して展示を無料でご覧いただけます。
主催:
東京国立近代美術館フィルムセンター.dl-horizontal
企画協力:
リトルモア

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