日本で話題の一連の不倫騒動などを受けて、海外メディアで日本独特の表現である“下衆(ゲス)”をキーワードに挙げた報道がされています。
また、日本の芸能界のあり方などに言及しながら、4月に公開予定の映画『下衆の愛』と関連づけた記事が、現在大きな話題となって海外で取り上げられています。
海外メディアが注目する“ゲス文化”
近頃、連続して世間を賑わしている日本の“ゲス”ニュースに、海外メディアが関心を寄せています。手始めに、イギリスの『ガーディアン』が不倫騒動を性差別だと報道し、100年以上の歴史を持つ英字新聞『ジャパンタイムズ』も大きく報じました。
記事では、一連の不倫騒動や、2016年4月公開の映画『下衆の愛』との関連について書かれ、“ゲス”というキーワードについて言及しています。
『下衆の愛』は、日本の映画界の内幕を描く問題作で、枕営業をする女優や、権力の座にある監督やプロデューサーのパワハラなど、底辺のゲス事情を描いている作品です。そのキャッチコピーは“全員下衆”。コピー通りゲスな業界人たちの話となっています。
記事では、日本の芸能界のあり方にも言及しており、海外メディアがこれほど“ゲス”を取り上げたのは初めてです。
『下衆の愛』は世界有数の映画祭、ロッテルダム国際映画祭でも上映され、会場では映画の内容について、多くの質問が飛びました。とくに女優の人権の低さに対する疑問が多かったとのことで、そんな反応を受けてか、2016年3月17日(木)には急遽、外国特派員協会での上映が決定しました。
不思議な日本語“ゲス”という言葉が、今後さらに海外メディアの注目を集めそうです。
映画『下衆の愛』について
カルト俳優・渋川清彦を主演に迎え、映画シーンの底辺に巣食う下衆な人々の葛藤を描いたドラマ。ひとりの純真な新人女優が、ゲス監督やプロデューサー、ライバル女優たちに食い物にされながらも、のし上がっていく姿を描く。
映画界に巣食うゲスの面々、自堕落な監督、すぐ裸にさせたがるプロデューサー、仲間を売る女衒俳優、枕営業の女優など、愛しくも悲しい日本映画界の底辺が描かれる。
でんでん、木下ほうか、津田寛治ら日本映画界を支える個性派俳優たちが熱演。東京国際映画祭、ロッテルダム国際映画祭で上映され、すでに世界10ヶ国での映画祭上映が決定している話題作。
カネなし、甲斐性なし。どん底のインディーズフィルムシーンを舞台にした最高に下衆な映画が誕生した。三池崇・石井岳龍・豊田利晃監督など“監督に愛される怪優”渋川清彦が、夢を諦めきれないアラフォーのゲス監督を演じる。
才能溢れる新人女優役として、ゲスな監督たちを魅了するヒロインには主演作『飛べないコトリとメリーゴーランド』や『図書館戦争 THE LAST MISSION』で注目の新星、岡野真也。
渋川の相棒でもあるゲスプロデューサー役には園子温作品でもおなじみのでんでん。さらには現在人気沸騰中の木下ほうか、津田寛治をはじめ、内田滋、忍成修吾、細田善彦、古舘寛治ら個性派が固める。
製作プロデューサーにはアダム・トレル(『希望の国』『福福荘の福ちゃん』)。メガホンを握るのは『グレイトフルデッド』が世界30ヶ国で上映。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭、ブリュッセルファンタスティック国際映画祭などの主要映画祭で注目を集めた内田英治監督。