キム・ギドク新作『殺されたミンジュ』(原題:One on One)が公開間近である。
上映館ヒューマントラストシネマ有楽町にて7人で鑑賞の際には7人組の“共犯者”限定割引が適用されるということだ。
『嘆きのピエタ』(’12)、『メビウス』(’13)など、タブーを描き続けるキム・ギドクの作品は1月公開注目のひとつ。あらすじは以下のとおりだ。
ある夜、女子高生が男たちに無残にも殺害される。それからしばらく後、その事件に関わった1人の男が、武装した7人組の謎の集団に誘拐される。集団は男を拷問し、彼が起こした事件の告白を強要。やがて彼らは、事件に関わった容疑者たち7人を次々と誘拐し、拷問してゆく…。
本作では、7人の容疑者と7人のテロ集団による暴力の連鎖によって、人々が抱える個人の痛みに真っ向から向き合う。社会風刺も効いた作品になっている模様だ。
”共犯”割引は、作中の7人の容疑者にちなんで実施される。7名で劇場を訪れると1人あたり700円で本作を鑑賞することができるというものだ。(チケットは劇場窓口のみで購入可能で、他サービスとの併用は不可。Webや先売り予約は利用できない。また購入時、入場時ともに7名そろっていない場合は無効になる。)
また、本作と連なるキム・ギドク新作『STOP』の日本公開は現在未定であるという。
この作品では福島原発事故を扱っており、韓国の監督が福島原発事故を扱ったことに関して懸念しているのかもしれないと彼は語る。本作と連なるということについては、彼は以下のように語った。
「この社会、国家、自然を振り返ってみて、人間は安全に暮らしていけるのか、こうした問題はより悪化してしまうのではないかという不安や心配が自分にはある。この映画には、そういった状況を少しでも良くできないかという望みが込められている。そういう意味でこの2本はつながっていると思う」
映画『殺されたミンジュ』は1月16日よりヒューマントラストシネマ有楽町にて公開