京都文化博物館フィルムシアター、映画日本百景【北海道〜青森編】。
12月27日は『飢餓海峡』(1965)が上映されます。
実際にあった青函連絡船転覆事故と、同日に起きた岩内大火をもとに書かれた水上勉原作の映画化。

「自分の足の裏でその土地を愛しているような、そんな男を捜してくれ」
というかねてからの内田の想いを刑事・弓坂にぶつけて脚本化。
本作で内田は不幸な背景を持つ男と女の中に、物心双方の飢えを対位させて描き、物と心それぞれの飢えと充足という微妙で悲劇的な関係を際立たせた。
内田監督の戦後代表作の一つ、名作です。

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画像1: 『飢餓海峡』 1965(昭和40)年東映作品/183分・モノクロ 製作:大川博 企画:辻野公晴、吉野誠一、矢部亘 原作:水上勉 監督:内田吐夢 (C)京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/

『飢餓海峡』
1965(昭和40)年東映作品/183分・モノクロ
製作:大川博 企画:辻野公晴、吉野誠一、矢部亘 原作:水上勉 監督:内田吐夢
(C)京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive

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京都文化博物館フィルムシアター、映画日本百景【北海道〜青森編】。
12月25日と27日は『飢餓海峡』(1965)。
実際にあった青函連絡船転覆事故と、同日に起きた岩内大火をもとに書かれた水上勉原作の映画化。「自分の足の裏でその土地を愛しているような、そんな男を捜してくれ」というかねてからの内田の想いを刑事・弓坂にぶつけて脚本化。
本作で内田は不幸な背景を持つ男と女の中に、物心双方の飢えを対位させて描き、物と心それぞれの飢えと充足という微妙で悲劇的な関係を際立たせた。内田監督の戦後代表作の一つ、名作です。

京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive

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『飢餓海峡』
1965(昭和40)年東映作品/183分・モノクロ
製作:大川博 企画:辻野公晴、吉野誠一、矢部亘 原作:水上勉 監督:内田吐夢


『飢餓海峡』
1965(昭和40)年東映作品/183分・モノクロ
製作:大川博 企画:辻野公晴、吉野誠一、矢部亘 原作:水上勉 監督:内田吐夢 脚本:鈴木尚之 撮影:仲沢半次郎 録音:内田陽造 照明:川崎保之亟 美術:森幹男音楽:富田勲 助監督:山内柏、太田浩児、福湯通夫、高桑信 進行主任:内田有作 W106方式指導:碧川映画科学研究室、碧川道夫、宮島義勇、小西昌三、山本豊孝


出演:三国連太郎(犬飼多吉、樽見京一郎)、左幸子(杉戸八重)、三井弘次(本島進市)、加藤嘉(八重の父・長左衛門)、沢村貞子(本島の妻・妙子)、藤田進(荻村利吉)、風見章子(樽見の妻・敏子)、亀石征一郎(小川)、曽根秀介(朝日館主人)、安藤三男(強盗犯・木島)、山本麟一(和尚)、沢彰謙(来間末吉)、菅沼正(佐藤刑事)、進藤幸(弓坂の妻・織江)、安城百合子(葛城時子)、関山耕司(堀口刑事)、最上逸馬(強盗犯・沼田)、北山達也(札幌の警部補)、岡野耕作(戸波刑事)、八名信夫(町田)、久保一(池袋の警官)、高須(樽見の書生・竹中)、須賀良(鉄)、山之内修(記者)、志摩栄(岩内署長)、室田日出男(記者)、


北峰有二(警視庁の係官)、松平峯夫(弓坂の長男・一郎)、松川清(弓坂の次男・次郎)、荒木玉枝(富貴屋のおかみ)、河村久子(煙草屋のおかみ)、鈴木昭夫(唐木刑事)、大久保正信(漁師辰次)、外山高士(田島清之助)、遠藤慎子(巫女)、田村綿人(下北の巡査)、八木貞男(岩田刑事)、齋藤三勇(東舞鶴署嘱託医)、田村綿人(大湊の巡査)、

高倉健(味村時雄)、伴淳三郎(弓坂吉太郎)

画像2: 『飢餓海峡』 1965(昭和40)年東映作品/183分・モノクロ 製作:大川博 企画:辻野公晴、吉野誠一、矢部亘 原作:水上勉 監督:内田吐夢 (C)京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/

『飢餓海峡』
1965(昭和40)年東映作品/183分・モノクロ
製作:大川博 企画:辻野公晴、吉野誠一、矢部亘 原作:水上勉 監督:内田吐夢
(C)京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive

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『飢餓海峡』1965(昭和40)年東映作品/183分・モノクロ
製作:大川博 企画:辻野公晴、吉野誠一、矢部亘 原作:水上勉 監督:内田吐夢


戦後間もない昭和22年、台風10号が津軽海峡を襲い、青函連絡船が沈没した。事故後、収容された遺体は乗客名簿より2名多かった。ベテラン老刑事・弓坂は、転覆事故にまぎれた殺人事件の犯人を追った。
そして、犬飼という大男に疑惑を持ったが、決定的証拠がつかめないまま10年の月日が流れていった。その後、樽見と名乗り、事業家として成功していた犬飼のもとへ、事件当夜をともに過ごした娼婦・八重が訪ねてきた。突然の訪問に驚いた彼は、犯罪が露見するのをおそれて彼女を扼殺する・・・。


昭和29年に実際にあった青函連絡船・洞爺丸の転覆事故と、同日に起きた岩内大火をもとに、「週刊朝日」誌上に昭和37年から約1年間連載された水上勉の同名小説を映画化。

物語は、岩内大火を網走からの刑余者たちの反抗だと置き換え、逃亡のため内地への関門である函館港を目指す最中に遭遇した台風による転覆事故のどさくさを好機とし、船で下北半島を目指して仏ヶ浦に辿り着く。
恐山を背景とした村から森林鉄道とバスを使い、軍港として栄え花街が軒を連ねる大湊へ。のち、湯野川温泉、東京は池袋、亀戸を経て東舞鶴と本州を南下する。

『黒田騒動』(1956)以降、内田作品の企画・脚本を担当している鈴木尚之は、内田が手がけることで原作の映画化を持ちかけられた時、「自分の足の裏でその土地を愛しているような、そんな男を捜してくれ」というかねてからの内田の想いを刑事・弓坂にぶつけて脚本化する。

戦後すぐの飢餓状況の中、追いつめられ殺人・放火を犯し、仲間を殺してまで金を独り占めし、それを元手に実業家として成功しながらも再び殺人を犯してしまう男。
不幸な生の狭間に一見の客と心かよわせ、一度はその男に助けられながらも最後には彼に殺される娼婦。
そして一人の老刑事がこれらの事件の偶然で結び合わされた糸をたぐり、犯人を追いつめてゆく。

本作で内田は不幸な背景を持つ男と女の中に、物心双方の飢えを対位させて描き、物と心それぞれの飢えと充足という、微妙で悲劇的な関係を際立たせた。

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