遅くなりましたが、アカデミー賞ドキュメンタリー部門候補のラインナップをご紹介しましょう。
候補作品は世界の124本から選ばれた、以下の15本。ここから、さらに5本が最終ノミネートに、残ると言う激戦。
『Amy』(原題)
アジフ・カパディア監督
『Best of Enemies』(原題)
ロバート・ゴードン、モーガン・ネヴィル監督
『Cartel Land』(原題)
マシュー・ハイネマン監督
『ゴーイング・クリア:サイエントロジーと信仰という監禁』
アレックス・ギブニー監督
『わたしはマララ』
デイヴィス・グッゲンハイム監督
2015年12月公開
『Heart of a Dog』(原題)
ローリー・アンダーソン監督
『The Hunting Ground』(原題)
カービー・ディック監督
『マーロン・ブランドの肉声』
スティーブン・ライリー監督
『ルック・オブ・サイレンス』
ジョシュア・オッペンハイマー監督
『Meru』(原題)
ジミー・チン、エリザベス・チャイ・ヴァサールヘリ監督
『3 1/2 Minutes, 10 Bullets』(原題)
マーク・シルバー監督
『We Come as Friends』(原題)
フーベルト・ザウパー監督
『ニーナ・シモン~魂の歌』
リズ・ガルバス監督
『Where to Invade Next』(原題)
マイケル・ムーア監督
『ウィンター・オン・ファイヤー:ウクライナ、自由への闘い』
エフゲニー・アフィネフスキー監督
この中ラインナップで注目なのは、『Amy』『ルック・オブ・サイレンス』あたりはすでに海外映画祭で受賞を重ねた、最有力候補です。
気になる、亡き夫、ルーリードに捧げるローリー・アンダーソンの作品とマイケル・ムーアの新作に込めた気概---
そして、これに加わってパフォーマンス・アーティストであり、ミュージシャンであるローリー・アンダーソンがメガホンを撮り、実際ほとんどの撮影もしたという『Heart of a Dog』も気になってしまう。この作品は、自分の愛犬の死から撮ったものだとされているが、重ね合わせ亡き夫ルーリードに捧げられているという。
また、マイケル・ムーア監督は当然のごとく、この15本にくわわりアカデミー有力だと思われるが、今回は、大きいテーマをまた選んだものです。
『Where To Invade Next』では、米国の終わりなき戦争、アメリカの軍産複合体に挑んだマイケル・ムーアは巨大な米国旗を担ぎつつ世界各地を歩き、多くの人にインタビューをしていきます。時代が時代だけにこのテーマのもつ意味は大きい。
両方とも、もともと私的な思いからの作品であるが、二人の有名人がそれぞれのテーマを真摯に追いかけたドキュメンタリーらしい作品となっている。
伝説の人に迫った マーロン・ブランドとニーナ・シモンのドキュメンタリー
『Amy』もそうだが、やはりこのような伝説的なアーティストやミュージッシャンなどを追いかけるドキュメンタリーは、すでに定番となっていますね。
上記のこれらに加え、『ゴーイング・クリア:サイエントロジーと信仰という監禁』というアメリカの新興宗教の裏側に迫った作品や、17歳でノーベル平和賞のマララさんを追いかけた『わたしはマララ』など、それぞれ、視点が明確な作品が選ばれている。
それに気になるのが、現在15作品中3作品『ゴーイング・クリア:サイエントロジーと信仰という監禁』『ニーナ・シモン~魂の歌』『ウィンター・オン・ファイヤー:ウクライナ、自由への闘い』がNetflix放送作品。やはり、この辺りは真摯に良質なドキュメンタリーを監督に作らせているのだなと逆に関心します。
今回発表された15作から5作品が、2016年1月14日にノミネート作品として決定されます。