第46回インド国際映画祭の各賞が発表された。
チロ・ゲーラ(Ciro Guerra)監督の『Embrace of the Serpent』が作品賞、『エイゼンシュテイン・イン・グアナファト』でピーター・グリーナウェイが監督賞に選ばれた。
見事、作品賞に選ばれたコロンビアのCiro Guerra監督は注目の監督一人だが“Embrace of the Serpent(El Abrazo de la Serpiente)”(コロンビア・ベネズエラ・アルゼンチン)で作品賞を受賞した。
物語は、アマゾンのシャーマンであり、部族の最後の生き残りでも人物と、癒しの木を求めて、40年以上アマゾンを旅した2人の科学者との、最初の出会い、交流、裏切り、そして人生を超越するまでになった友情について描いた、コロンビア・アマゾンの最初の探検者だった人の日記に基にして映画化。
前作“Los viajes del viento”(2009)は、カンヌ国際映画祭ある視点部門に選出されて、ローマ市賞を受賞したCiro Guerraの3作めとなる。
前2作ではいずれも米国アカデミー賞外国語映画賞コロンビア代表に選ばれておりコロンビアを代表する映画監督となっている。
カンヌ国際映画祭2015 監督週間出品。CICAE Arte Cinema Prize受賞作品。
『英国式庭園殺人事件』(1982)や『ZOO』(1985)『コックと泥棒、その妻と愛人』(1989)や『ピーター・グリーナウェイの枕草子』などの英国の鬼才ピーター・グリーナウェイ監督の新作『エイゼンシュテイン・イン・グアナファト』は、旧ソ連(現ロシア)の巨匠で映画界の父セルゲイ・M・エイゼンシュテインが1931年に「メキシコ万歳」撮影のために訪れたメキシコのグアナフアトでの10日間を描いた作品。ベルリン映画祭でも上映された、かなりの問題作。
メキシコのグアナフアトに滞在したエイゼンシュテイン(エルマ)が、ガイドを務める現地の美しい男性パルミーノ(ルイス)との官能的な耽溺(たんでき)の日々を映像化。
このために、エイゼンシュタイン撮影が延びたと言う、エピソードが明らかにされている。
エイゼンシュテインが写真を通しての語りの中では、チャールズ・チャップリンやジャン。コクトー、マレーネ・ディートリッヒら登場し、ちょっとした映画史を垣間みれる作品。
グリーナウェイは、この題材がお気に召したようで、続編も計画中らしい。
なんであれ、グリーナウェイらしい、耽美な映像に溢れている。
その他、コンペティション作品には、黒沢清『岸辺の旅』やフランス、トルコなどの合作で世界の映画祭をにぎわせている『MUSTANG』、カンヌ”ある視点部門”グランプリ作で日本公開が決まったアイスランドの『ひつじ村の兄弟』などが15作品がノミネートされていた。