「LuckyHouse のポートフォリオ」7 ギャスパー・ウリエル
12/4公開の『SAINT LAURENT サンローラン』で“モードの帝王”を熱演!
1984年11月25日、パリ近郊のブローニュ=ビランクールで生まれたギャスパー・ウリエルは、両親がともにファッション業界人だった関係で、12歳の頃からテレビに出演し、俳優としての経験を積む。
高校卒業後はパリ第8(サン・ドニ)大学の映画学科に進学した。左頬に残るのは6歳の時にドーベルマンに襲われてできた傷跡である。
映画デビューは、2001年の『ジェヴォーダンの獣』。翌年にはミシェル・ブラン監督の「キスはご自由に」(フランス映画祭2003にて上映)に出演し、シャーロット・ランプリングとのラブシーンが絶賛され、リュミエール賞新人賞に輝いた。
続く2003年、名匠アンドレ・テシネ監督の戦争ドラマ『かげろう』のヒロイン、エマニュエル・ベアールの相手役に起用された彼は、激しいラブシーンを披露して鮮烈な印象を残し、一躍フランス期待の新星として大きな注目を集める。
本作の宣伝プロモーションでも来日し(ただし、初来日ではなく、プライベートで北海道を訪れた経験あり)、その特異な存在感と繊細な演技で日本の女性ファンを魅了している。
2004年には、世界的大ヒット作『アメリ』の監督・主演コンビが再び組んだ『ロング・エンゲージメント』に出演し、セザール賞若手男優賞に輝く。
そして2007年、ハリウッドのサスペンス大作『ハンニバル・ライジング』の主役に大抜擢され、それまで名優アンソニー・ホプキンスが演じてきた“ハンニバル”レクター博士の若き日を見事に演じきり、世界的に名を馳せた。
その他の出演作には『パリ、ジュテーム』(2006年)、『約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語』(2009年)などがあるが、ファッションモデルとしても活躍中で、2010年には、シャネルの香水“BLEU DE CHANEL”のイメージモデルに起用されている(そのCFはマーティン・スコセッシが監督!)。
ギャスパー・ウリエルがタイトルロールを演じた『SAINT LAURENT サンローラン』が公開!
12月4日に公開されるベルトラン・ボネロ監督の『SAINT LAURENT サンローラン』は、フランスが世界に誇る伝説的なファッションデザイナー、イヴ・サン=ローラン(1936年8月1日〜2008年6月1日)が、「モンドリアン・ルック」や「スモーキング」で世界的注目を集め、“モードの帝王”として絶頂を極めつつあった1967年からの10年間にスポットを当てて描いた伝記ドラマで、華やかな活躍の裏側でドラッグとアルコールに依存して苦しんだサン=ローランの影の部分がリアルに描写されている。
本作でギャスパー・ウリエルは、常人には見えないヴィジョンを捉える瞳を持つ“美しき怪物”サンローランに完璧に変身。その全裸も厭わぬフェロモンたっぷりの熱演は、まさに必見である。
共演はジェレミー・レニエ(公私に渡るパートナーとしてサン=ローランを支えた実業家ピエール・ベルジェ役)、レア・セドゥ(公爵令嬢でモデルのルル・ド・ラ・ファレーズ役)、ルイ・ガレル(ダンディで名高かったフランス貴族ジャック・ド・ラファレーズ役)と、フランスの人気若手俳優が集結しているが、見逃せないのは、往年の美男俳優&美人女優、ヘルムート・バーガーとドミニク・サンダの起用だ。また、ベルトラン・ボネロ監督自身もジャーナリスト役で顔を出している。
『SAINT LAURENT サンローラン』がワールドプレミアされた昨年のカンヌ国際映画祭の公式記者会見に登壇したギャスパー・ウリエルは、劇中でフルヌードを披露したことについて「俳優は新しい作品のたびに、自分の限界に挑戦するものだと思っている。なので裸になることには、あまり抵抗はなかった」とコメントしたが、同性愛の側面を描くために、恋人役の男性と演じたキスシーンに関しては「経験がなかったから、裸になることよりもずっと動揺したよ(笑)」と打ち明けた。
(Text by Yoko KIKKA)