カリブの島国キューバが、映画ポスターの国でもあることをご存じでしょうか?
 魅力的な音楽やダンスで常に注目を浴びるキューバは、1959年の革命以降、国立の映画芸術産業庁(ICAIC [イカイック])を拠点に次々と先鋭的な映画を送り出してきた「小さな映画大国」でもあります。新ラテンアメリカ映画祭の開催でも知られる首都ハバナは、ラテンアメリカ映画の中心地のひとつとなっています。

画像: 『チェ、友なる司令官』(1977年/キューバ/ベルナベ・エルナンデス監督) ポスター:アントニオ・フェルナンデス・レボイロ(1978年)

『チェ、友なる司令官』(1977年/キューバ/ベルナベ・エルナンデス監督)
ポスター:アントニオ・フェルナンデス・レボイロ(1978年)

そのキューバは、映画の宣伝においても“革命的”な手法を取り入れました。映画ポスターのグラフィックに様々なデザイナーや画家を招き、その製作を大量印刷向きのオフセットではなく手刷りのシルクスクリーン技術で行うという独自性は、一国の映画産業の方針として世界の他のどこにも見られないものです。

エドゥアルド・ムニョス・バッチ、レネ・アスクイ・カルデナス、アントニオ・フェルナンデス・レボイロ、アントニオ・サウラをはじめとする作家たちが、映画作品からの刺激を通じて生み出した豊かな色合いと華やかな表現は、映画に新たな価値を与えるとともに、それ自体が鮮烈な作品となっています。

 この展覧会では、フィルムセンターと京都国立近代美術館の共催により、多摩美術大学に寄託されている竹尾ポスターコレクション所蔵作品を中心に、革命期から1990年前後までに制作された85点の映画ポスターを紹介します。キューバ映画はもちろん、盛んに輸入された外国映画のポスターにも焦点を当て、知られざる「映画ポスターの楽園」に皆様を誘います。

 また、1月16日から2月28日までの土・日曜には関連上映企画「キューバ映画特集 革命映画から映画革命へ」を開催します。併せてお楽しみください。

画像: 『カラスの飼育』(1976年/スペイン/カルロス・サウラ監督) ポスター:エドゥアルド・ムニョス・バッチ(1977年)

『カラスの飼育』(1976年/スペイン/カルロス・サウラ監督)
ポスター:エドゥアルド・ムニョス・バッチ(1977年)

大島渚の作品も---座頭市などもありますよ。

画像: 『少年』(1969年/日本/大島渚監督) ポスター:レネ・アスクイ・カルデナス(1976年)

『少年』(1969年/日本/大島渚監督)
ポスター:レネ・アスクイ・カルデナス(1976年)

画像: 『白鯨』(1956年/アメリカ/ジョン・ヒューストン監督) ポスター:アントニオ・フェルナンデス・レボイロ(1968年)

『白鯨』(1956年/アメリカ/ジョン・ヒューストン監督)
ポスター:アントニオ・フェルナンデス・レボイロ(1968年)

これは、世界的に活躍する芸術家スペインのアントニオ・サウラの作品

画像: 『低開発の記憶』(1968年/キューバ/トマス・グティエレス・アレア監督) ポスター:アントニオ・サウラ(1968年)

『低開発の記憶』(1968年/キューバ/トマス・グティエレス・アレア監督)
ポスター:アントニオ・サウラ(1968年)

会場: 東京国立近代美術館フィルムセンター 展示室(企画展)
会期: 2016年1月7日(木)―3月27日(日)
開館時間: 11:00am-6:30pm
(入室は6:00pmまで)
休室日: 月曜日は休室です
観覧料: 一般210円(100円)/大学生・シニア70円(40円)/高校生以下及び18歳未満、障害者(付添者は原則1名まで)、MOMATパスポートをお持ちの方、キャンパスメンバーズは無料
*料金は常設の「NFCコレクションでみる 日本映画の歴史」の入場料を含みます。
*( )内は20名以上の団体料金です。
*学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズの方はそれぞれ入室の際、証明できるものをご提示ください。
*フィルムセンターの上映企画をご覧になった方は当日に限り、半券のご提示により団体料金が適用されます。
主催: 東京国立近代美術館フィルムセンター、京都国立近代美術館
後援: 駐日キューバ共和国大使館
協力: 株式会社竹尾、多摩美術大学

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