東京の色んな場所をモチーフにした昭和の映画を集めた催しが、12月から2016年2月までラピュタ阿佐ヶ谷で開催される。
当時の、東京の情景が映し出されると同時に、その頃の若者達の風俗史としても、興味深い。
近年海外でも再評価が高い、増村保造監督、中村登監督をはじめに、昭和を代表する監督が並んでいる。あの頃の東京の情景が甦ってきます。

画像: 『夜の片鱗』 http://filmex.net/2013/nn03.html

『夜の片鱗』 http://filmex.net/2013/nn03.html

『夜の片鱗』

第70回ヴェネチア国際映画祭クラシック部門出品
1964年/106分
©1964 松竹
脚本:権藤利英 原作:太田経子
出演:桑野みゆき、平幹二朗、園井啓介、岩本多代 、富永美沙子、菅原文太
【作品解説】
19歳の芳江は、工場で働くかたわら、夜はバーに勤めていた。そこで知り合ったサラリーマンの英次に人生を託して身体を許したが、実は彼はヤクザ組織に身を置いていた。やがて金を無心するだけでなく、売春を強要するようになった英次に耐えきれなくなった芳江は逃げ出そうとするが...。どうしようもない男と知りつつ離れることのできない、複雑な心理に揺れ動く女性を桑野みゆきが好演。印象的な色彩設計やカメラワークが映像に深みのある美しさを生み、物悲しさをたたえた叙情的な世界を作り出すことに成功している。

現代っ子 中平康監督 脚本 倉本聰

監督 中平康
出演
鈴木やすし、中山千夏、市川好朗、菅井きん、小沢栄太郎、岸輝子、市村博、前野霜一郎、桂小金治
解説
倉本聰・弘田功治が脚本を執筆したNTV連続ドラマを、『俺の背中に陽が当る』の中平康が監督した社会ドラマ。撮影は『その人は遠く』の姫田真佐久。
ストーリー 交通巡査だった父が突然死んで、やすしと好夫は佃島の五郎叔父の家に、母の正子とチコは成城の石田家に分散することになった。石田家はやすしの親友清の家、運輸会社の社長である石田の親切に正子は感激したが、子供たちは家政婦として働くのだから世話になるのは向うだという。働き口を探すやすしの歌がちょっとイカすのに目をつけた清は、TVタレントと...

以下の2本はそのまま、当時の六本木族と言われた若者達をモチーフに描かれたもの。
考えてみると、昭和の時代は、このような街と若者、流行が隣り合わせで、太陽族、みゆき族、原宿族と続いていった。
もちろん、その後も渋谷のガングロやチーマーなども生まれたが、前者の時代の風俗の方が若者の虚無感や喪失感が多くイメージされていたように思う。

六本木の夜 愛して愛して


1963年(S38)/東宝/白黒/83分
■監督:岩内克己/原作:笹沢左保/脚本:田波靖男/撮影:完倉泰一/美術:阿久根巌/音楽:團伊玖磨
■出演:中川ゆき、峰健二、高島忠夫、淡路恵子、藤原釜足、清水将夫、田村奈巳、土屋嘉男、松村達雄、中真千子
深夜の六本木。二十一歳の青年・峰健二は、十六歳の孤独な少女・中川ゆきと知り合った。ネオンの中に浮きあがる若い男女の虚無と行動──。原作は笹沢左保の『六本木心中』、街を有名にするひとつのきっかけとなった短篇小説である。

画像: 六本木の夜 愛して愛して

六本木の夜 愛して愛して

うるさい妹たち

監督 増村保造
出演
川口浩、仲宗根美樹、岩崎加根子、江波杏子、永井智雄、三宅邦子、ミッキー・カーチス、仲村隆他

解説
週刊サンケイに連載された五味康祐の同名小説を『好色一代男』の白坂依志夫が脚色。『妻は告白する』の増村保造が監督した青春ドラマ。撮影もコンビの小林節雄。
ストーリー 偶然通りかかった山村の自動車で、純子達のグループは深夜のドライブに出かけ、山村が家まで送ろうというのも聞かずに、海の見えるホテルに山村を強引に案内させた。純子は、姉の里子との二人住いで、学校に行くよりは仲間の貧乏画家健二やサチ子、恵子、ジロオ、ユキオ達と六本木界隈の深夜喫茶ブレーキーや、お金のある時はバー・サロートで飲み明かした...

「東京映画地図」
2015年12月20日(日)~2016年2月20日(土)
※12月31日(木)、1月1日(土)は休館いたします。
ラピュタ阿佐ヶ谷


【上映作品】
『東京の恋人』『真昼の罠』『夜の片鱗』『駈けだし刑事』『吹けよ春風』『見事な娘』『洲崎パラダイス 赤信号』『銀座退屈娘』『うるさい妹たち』『赤坂の姉妹 夜の肌』『都会の空の用心棒』『橋』『喜劇 駅前女将』『若い狼』『警視庁物語 行方不明』『ガラスの中の少女』『青い芽の素顔』『六本木の夜 愛して愛して』『愛情の都』『自由学校』『明日は月給日』『邪魔者は消せ』『胸より胸に』『あゝ青春の胸の血は』『もぐら横丁』『憎いもの』『濹東綺譚』『とんかつ大将』『ひとりぼっちの二人だが』『踊子』『にっぽんのお婆あちゃん』『七人の刑事 終着駅の女』『野獣狩り』『東京湾』『現代っ子』『その場所に女ありて』
【上映日程】
12.20(日)~22(火)
13:00/19:00 東京の恋人(1952年/千葉泰樹)
15:00 真昼の罠(1962年/富本壮吉)
16:50 夜の片鱗(1964年/中村登)
12.23(水)~26(土)
13:00 真昼の罠
15:00 夜の片鱗
17:10 駈けだし刑事(1964年/前田満州夫)
19:00 吹けよ春風(1953年/谷口千吉)
12.27(日)~30(水)
13:00 駈けだし刑事
15:00 吹けよ春風
16:50 見事な娘(1956年/瑞穂春海)
19:00 洲崎パラダイス 赤信号(1956年/川島雄三)
1.2(土)~5(火)
13:00 見事な娘
15:10 洲崎パラダイス 赤信号
17:00 銀座退屈娘(1960年/山本嘉次郎)
19:00 うるさい妹たち(1961年/増村保造)
1.6(水)~9(土)
13:00 銀座退屈娘
15:00 うるさい妹たち
17:00 赤坂の姉妹 夜の肌(1960年/川島雄三)
19:10 都会の空の用心棒(1960年/野村孝)
1.10(日)~12(火)
13:00 赤坂の姉妹 夜の肌
15:10 都会の空の用心棒
17:00 橋(1959年/番匠義彰)
19:00 喜劇 駅前女将(1964年/佐伯幸三)
1.13(水)~16(土)
13:00 橋
15:00 喜劇 駅前女将
17:00 若い狼(1961年/恩地日出夫)
19:00 警視庁物語 行方不明(1964年/小西通雄)※NEW
1.17(日)~19(火)
13:00 若い狼
15:00 警視庁物語 行方不明
16:30 ガラスの中の少女(1960年/若杉光夫)
    青い芽の素顔(1961年/堀池清)
19:10 六本木の夜 愛して愛して(1963年/岩内克己)
1.20(水)~23(土)
13:00 ガラスの中の少女
    青い芽の素顔
15:40 六本木の夜 愛して愛して
17:30 警視庁物語 行方不明
19:00 愛情の都(1958年/杉江敏男)
1.24(日)~26(火)
13:00 自由学校(1951年/吉村公三郎)※東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
15:10 愛情の都
17:20 明日は月給日(1952年/川島雄三)※16mm
19:10 邪魔者は消せ(1960年/牛原陽一)
1.27(水)~30(土)
13:00 明日は月給日
15:00 邪魔者は消せ
17:00 胸より胸に(1955年/家城巳代治)
19:10 あゝ青春の胸の血は(1964年/森永健次郎)
1.31(日)~2.2(火)
13:00 もぐら横丁(1953年/清水宏)※東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
15:00 胸より胸に
17:20 あゝ青春の胸の血は
19:10 憎いもの(1957年/丸山誠治)
2.3(水)~6(土)
13:00 濹東綺譚(1960年/豊田四郎)
15:30 憎いもの
17:00 とんかつ大将(1952年/川島雄三)※16mm
19:00 ひとりぼっちの二人だが(1962年/舛田利雄)
2.7(日)~9(火)
13:00 踊子(1957年/清水宏)※東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
15:00 とんかつ大将
17:00 ひとりぼっちの二人だが
19:00 にっぽんのお婆あちゃん(1962年/今井正)
2.10(水)~13(土)
13:00 にっぽんのお婆あちゃん
15:00 濹東綺譚
17:20 七人の刑事 終着駅の女(1965年/若杉光夫)
19:10 野獣狩り(1973 年/須川栄三)
2.14(日)~16(火)
13:00 七人の刑事 終着駅の女
15:00 野獣狩り
17:00 東京湾(1962年/野村芳太郎)
19:00 現代っ子(1963年/中平康)
2.17(水)~20(土)
13:00/19:00 その場所に女ありて(1962年/鈴木英夫)
15:00 東京湾
17:00 現代っ子
【料金】
一般…1,200円 シニア・学生…1,000円 会員…800円 3回券…2,700円 
※水曜サービスデー…1,000円均一

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