京都文化博物館フィルムシアター、食べる映画特集。
11月14日土曜日は『隣の八重ちゃん』(1934)が上映されます。
東京郊外の新興住宅地で平和に暮らす中流のサラリーマン家庭の少女を主人公に、お隣の大学生との恋愛を意識したような、そうでないような微妙な心の綾を描く。
全編に小春日和的な心地よさが香る秀作。
隣家で小腹が空いたとお茶漬けを御馳走になったり、縁側で揚げた天ぷらを酒の席で分けたりと、隣人との緊密な距離感を表現する要素として食事の席が度々登場する。

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画像: 11月14日は『隣の八重ちゃん』(1934)上映「食べる映画特集」 @京都文化博物館フィルムシアター

京都文化博物館フィルムシアター、食べる映画特集。
11月14日は『隣の八重ちゃん』(1934)が上映されます。
東京郊外の新興住宅地で平和に暮らす中流のサラリーマン家庭の少女を主人公に、お隣の大学生との恋愛を意識したような、そうでないような微妙な心の綾を描く。
全編に小春日和的な心地よさが香る秀作。
隣家で小腹が空いたとお茶漬けを御馳走になったり、縁側で揚げた天ぷらを酒の席で分けたりと、隣人との緊密な距離感を表現する要素として食事の席が度々登場する。

京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive

『隣の八重ちゃん』
1934(昭和9)年松竹蒲田作品/77分・モノクロ
松竹フォーン/オールトーキー 原作・監督・脚本:島津保次郎 

『隣の八重ちゃん』
1934(昭和9)年松竹蒲田作品/77分・モノクロ
松竹フォーン/オールトーキー 原作・監督・脚本:島津保次郎 監督補:豊田四郎、吉村公三郎、清輔彰、佐藤武 撮影:桑原昴 撮影助手:寺尾清、木下恵介、蟹文雄、小峰正夫 録音:土橋晴夫、橋本要 録音助手:神保幹雄、西山整司 作詞:大木惇夫 作曲:早乙女光 独唱:矢追婦美子 指揮:高階哲夫 美術:脇田世根一 美術助手:木村宣郎、三田秀雄、三島信太郎、石原幾、杉本静


出演:岩田祐吉(服部昌作)、飯田蝶子(妻浜子)、岡田嘉子(長女京子)、逢初夢子(次女八重子)、高杉早苗(真鍋悦子)、水島亮太郎(新井幾造)、葛城文子(妻松子)、大日方伝(長男恵太郎)、磯野秋雄(次男精二)、阿部正三郎


大学生の恵太郎と女学生の八重子の家は隣同士で、気のおけない間柄だ。恵太郎兄弟のキャッチボールの球が八重子の家のガラスを割っても、怒られることもない、毎度の事である。そんなある日、八重子の姉・京子が嫁ぎ先から出戻ってきた。久しぶりに会った恵太郎に挑発的なしぐさの京子。そんな姉の様子に不安を覚えた八重子は、恵太郎に対し今までとは違う感情に気づく・・・。


島津保次郎監督は無声映画からトーキー映画への移行に際し、音声の追加は映画自体のリアリティを深めうるという側面に注目、役者の動作、表情作りだけでなく、従来の文学や演劇からの引き写し的な会話や口調、セリフのリズムといった観点からシナリオの再検討を始める。
また自然なセリフ、会話のニュアンスの面白さを出すためには映画のテーマも現実的、日常的なものに取材するのが良策ということで、無声期から得意としていた小市民映画に回帰する。そんな島津の研究成果、トーキー化への一つの解答が本作『隣の八重ちゃん』である。

東京郊外の新興住宅地で平和に暮らす中流のサラリーマン家庭の少女を主人公に、お隣の大学生との恋愛を意識したような、そうでないような微妙な心の綾を描く。
多感でデリケートな少女の感情描写も秀逸で、都市サラリーマン家庭の日常茶飯の情景、日々の家族の何気ない言動が優しく綴られ、全編に小春日和的な心地よさが香る。
隣家で小腹が空いたとお茶漬けを御馳走になったり、縁側で揚げた天ぷらを酒の席で分けたりと、隣人との緊密な距離感を表現する要素として食事の席が度々登場、小津安二郎監督の『生まれてはみたけれど』、五所平之助監督の『人生のお荷物』に並ぶ蒲田小市民映画の代表作。
松竹歌劇出身の逢初夢子の人気は本作でブレイクし一躍大スターになった。(キネマ旬報賞2位)

画像: 『隣の八重ちゃん』 1934(昭和9)年松竹蒲田作品/77分・モノクロ 松竹フォーン/オールトーキー 原作・監督・脚本:島津保次郎


上映スケジュール


11月10日(火)13:30~・18:30~
13日(金)13:30~・18:30~
生まれてはみたけれど
『生れてはみたけれど』
1932年松竹蒲田(モノクロ・サイレント・120分)/
監督:小津安二郎/出演:斎藤達雄、吉川満子、突貫小僧


11月11日(水)13:30~・18:30~
14日(土)13:30~・17:00~
『隣の八重ちゃん』
1934年松竹蒲田(モノクロ・77分)/監督:島津保次郎/
出演:岩田祐吉、飯田蝶子、逢初夢子、岡田嘉子


11月12日(木)13:30~・18:30~
15日(日)17:00~
『花籠の歌』
1937年松竹大船作品(モノクロ・68分)/監督:五所平之助/
出演:田中絹代、佐野周二、徳大寺伸


11月17日(火)13:30~・18:30~
20日(金)13:30~・18:30~
破れ太鼓
『破れ太鼓』
1949年松竹太秦作品(モノクロ・108分)/監督:木下恵介/
出演:阪東妻三郎、森雅之、木下忠司、大泉滉


11月18日(水)13:30~・18:30~
21日(土)13:30~・17:00~
『麦秋』
1951年松竹大船作品(モノクロ・125分)/監督:小津安二郎/
出演:原節子、菅井一郎、笠智衆、淡島千景


11月19日(木)13:30~・18:30~
22日(日)13:30~・17:00~
お茶漬けの味
『お茶漬の味』※フィルムに約20分の欠損部があります
1952年松竹大船作品(モノクロ・96分)/監督:小津安二郎/
出演:佐分利信、木暮実千代、鶴田浩二、津島恵子


11月23日(月・祝)13:30~・17:00~
25日(水)13:30~・18:30~
用心棒
『用心棒』
1961年東宝作品(モノクロ・110分)/監督:黒澤明/
出演:三船敏郎、仲代達矢、山田五十鈴


11月26日(木)13:30~・18:30~
28日(土)13:30~・17:00~
砂の女
『砂の女』
1964年勅使河原プロ作品(モノクロ・124分)/監督:勅使河原宏/
出演:岡田英次、岸田今日子、三井弘次


11月27日(金)13:30~・18:30~
29日(日)13:30~・17:00~
泥の河
『泥の河』
1981年木村プロ作品(モノクロ・105分)/監督:小栗康平/
出演:田村高廣、藤田弓子、加賀まりこ


京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive

http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/schedule/

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