自主映画ねっとの管理人の佳代が面白い自主映画を紹介します。
TickTackMovieの堤真矢監督に自主映画について語って貰いました!
こんにちは、面白い自主映画を紹介する不定期連載を書かせて頂いております自主映画ねっとの佳代です。
第三回めはクオリティーの高い連作の自主映画を制作される TickTackMovieの堤真矢監督にインタビューをしました。
「一夜のできごと」「相対性理論」「帰郷」「タマテバコ」という4つの自主映画は、「浦島太郎」をテーマにした連作全5作品のうち4作で、残り1作が現在公開を控えています。
どれも違う色を持ちながら、微かな後悔というか切なさというかそういう気持ちを起こさせる映画ばかりでした。

画像1: シネフィル不定期連載 ”自主映画に愛!佳代のオススメ自主映画” 第三回 「浦島太郎」シリーズ 堤真矢監督に聞く

連作短編映画 『浦島太郎』予告編(Short Film Series "Urashima Taro" Trailer)

youtu.be

一夜のできごと
http://wp.me/p5Q9hn-ft
相対性理論
http://wp.me/p5Q9hn-fx
帰郷
http://wp.me/p5Q9hn-gk
タマテバコ
http://wp.me/p5Q9hn-gF

以下インタビューです。

■制作秘話などありましたら、教えて頂けると嬉しいのですが?
ーーかなり前からこつこつと撮り進めていたシリーズだったのですが、合間に別の作品を作ったりしていたこともあり、当初想定していたよりもかなり発表できるまでに時間がかかってしまいました。
 撮影日数自体は各作品2~3日程度なのですが、4作品で季節を変えたかったこともあり、撮影時期を逃すと次のチャンスは1年後になってしまうんです。しかも桜や雪、紅葉のような非常に期間のシビアなものを狙っていたので…。
 合計尺と同じ長さの作品を1本作るよりもずっと労力がかかったと思います。結局、最初の作品を撮影してから4年近くが経っています。
気づいたらものすごい時間が経っていたという意味で、この作品集自体が僕にとって「浦島太郎」のような存在になってきています(笑)
■なぜテーマが「浦島太郎」なんですか?男性は女性より過去を大事にしたり悔やんだりしやすいと言われていますが、何かそういう実体験に基づいて作っていらっしゃるとかですか(変な質問すみません)?
 ーー「浦島太郎」という物語は、他の昔話と違って教訓がわかりにくいことだったり、SF的な要素が随所に見られることにずっと興味を持っていました。
 また、具体的な実体験が元になっているというわけではありませんが、僕はたしかに人と比べて過去を意識するというか、時間の流れにナーバスなところはある気がします。そんな自分の中にある「時間」や「世界」に対する恐怖や不条理、それに抗いたい気持ちをこの物語と重ね合わせて、自分なりの形で「浦島太郎」を語れないかな?という思いが発端にあったと思います。
 そうして色んな「浦島太郎」の解釈やバリエーションを考えているうちにひとつの作品に収まらなくなり、「ならば全部やろう」と思って、この連作短編集という形に落ち着きました。
 ひとつの意味に固定されないのが「浦島太郎」の面白さだと思うので、観た方それぞれが作品の意図、意味を考えてくださったら嬉しいです。
■今インターネット上には沢山の自主映画がアップされていますが、自主映画監督として映画を見るポイントなどがあれば教えて下さい。
ーー商業映画と違って個人の表現欲求みたいなものに直に根ざしていることの面白さはあると思います。第三者のふるいにかけられていない、あるいは利害が絡んでいない、より純粋な作家性を楽しめる。それがすべての作品にとって良いことだとは思いませんが。
 そういう意味で今回の作品集は良くも悪くも、すごく純粋に自主映画だと思っています。作ること自体が目的というか、今後の活動に繋げられるようなTickTackMovieのポートフォリオのつもりで作っています。なので、それぞれ独立した短編として全作が違ったテイストになるように意識しています。
 でも一方で、連続で見ることでまた違った意味が見えてくるようにも作っています。気に入った作品がありましたら、ぜひ他の作品と続けて順番で観て頂き、来年公開の完結編も楽しみにお待ち頂けたら嬉しいです。

画像2: シネフィル不定期連載 ”自主映画に愛!佳代のオススメ自主映画” 第三回 「浦島太郎」シリーズ 堤真矢監督に聞く

■これから作りたい映画、自主映画などがあれば教えて下さい。
 ーーこの「浦島太郎」シリーズはあと1本、締めくくりとなる作品が待機中でして、今はその仕上げ作業をしています。来年の前半には公開予定で、今までの4本とは全く違うものになっています。
 そのあとは、できれば長編をやりたいと思っています。
 それがまた「自主映画」になるならば、ただ作りたいものを作って終わりではなく、あるいは商業映画の下手なものまねをするのでもなく、自主映画であることの強みを活かした企画、物語をきちんと練ることが必要だなと感じています。そうすることでこのジャンルの枠組みを広げて、言葉の定義を変えられるくらいの活動ができたら嬉しいです。

自主映画に対する哲学と情熱を感じさせる素敵な回答をありがとうございます!
これからもTickTackMovieの堤真矢監督を応援しています!

画像3: シネフィル不定期連載 ”自主映画に愛!佳代のオススメ自主映画” 第三回 「浦島太郎」シリーズ 堤真矢監督に聞く

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