『七人の侍』の知恵深き戦術家、生命の最後の火を燃やす『生きる』の役人―志村喬の世界

この2015年、生誕110年を迎える俳優志村喬は、黒澤明の全30作品のうち21本に出演し、世界の映画ファンにその名演を印象づけてきました。しかし志村の俳優人生は、もちろん黒澤映画にとどまるものではありません。

 

画像: http://www.momat.go.jp/fc/exhibition/shimura/

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1905年、兵庫県に生まれた志村(本名・島崎捷爾)は、大阪での学生時代から演劇活動に目覚め、1934年には新興キネマ京都撮影所に入社します。1937年の日活移籍以降は芸達者な時代劇の脇役として認められ、やがて1943年の東宝入社が黒澤との出会いとなりました。『酔いどれ天使』(1948年)からは三船敏郎とともに黒澤作品の看板となり、同時に様々なスタジオで、二枚目でも三枚目でもない、人間味と朴訥さ、そして風格を備えた演技者としてジャンルに捉われない活躍を続けます。400本以上のフィルムに出演した、その役柄の幅広さは他の追随を許しません。

画像: 志村の脚本 http://www.momat.go.jp/fc/exhibition/shimura/

志村の脚本

http://www.momat.go.jp/fc/exhibition/shimura/
画像: ベルリン国際映画祭参加 ブランデンブルク門にて 香川京子、三船敏郎と(1961年) http://www.momat.go.jp/fc/exhibition/shimura/

ベルリン国際映画祭参加 ブランデンブルク門にて
香川京子、三船敏郎と(1961年)

http://www.momat.go.jp/fc/exhibition/shimura/

この展覧会「生誕110年 映画俳優 志村喬」は、2010年にフィルムセンターへの寄贈が完了した志村の旧蔵コレクションを本格的に公開する初の機会で、出演した15作品のフィルム上映も併せてそのキャリアをたどります。
日本映画が誇る忘れがたい名優を再発見する機会となるでしょう。

会場: 東京国立近代美術館フィルムセンター 展示室(企画展)
会期: 2015年8月18日(火)-12月23日(水・祝)
開館時間: 11:00am-6:30pm
(入室は6:00pmまで)

9月26日からの特集上映作品。
『酔いどれ天使』
『生きる』
『七人の侍』
『醜聞(スキャンダル)』
『野良犬』など黒澤作品のほか、
伊丹万作監督作『赤西蠣太』、内田叶夢監督作『どたんば』、本多猪四郎監督作『ゴジラ』、今井正監督作『砂糖菓子が壊れるとき』、山田洋次監督作『男はつらいよ 寅次郎恋歌』(1971)など名だたる名匠たちと組んだ作品が勢ぞろい。

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