「レッドクロス~女たちの赤紙~」出演しました!
毎回中国の映画に関することをテーマに綴っているこちらのコラム。
今回は番外編は、来月8月1日、2日の21時より二夜連続で全国TBS系列にてオンエア予定の、スペシャルドラマ「レッドクロス~女たちの赤紙~」について紹介したい。
主演の松嶋菜々子さんをはじめ、西島秀俊さんや笑福亭鶴瓶さん、山﨑努さんなどキャスト陣は超豪華!
私はその中で中国共産党の幹部である王江明役として物語後半から出演している。
以下はドラマオフィシャルHPからの引用になるがストーリーのあらすじだ。
「今から70年前、自らの信念で戦時召集状、いわゆる「赤紙」を受け取り、戦地に赴く女性たちがいた。
第二次世界大戦中、「従軍看護婦」として3万5千人余りの女性が戦地に赴き、1,120人が殉職。
彼女たちは戦地で命を救う仕事に崇高な理想を持って男たちと肩を並べて働き、今や当たり前の“女性の社会進出"の先駆け的存在でもあった。
しかし敗戦の色が濃くなるにつれ、大きく狂わされる運命。戦後も続く過酷な試練。逆境にあっても博愛の精神を持ち続け、生きることの尊さを信じ続けた女性たち──。
ドラマでは、戦争で家族と別れ人生を翻弄されながらも「博愛」の精神、そして家族への愛を貫いた天野希代という1人の女性の生き様を、満州事変から第二次世界大戦、朝鮮戦争の時代にわたって描く。
約2ヶ月に渡って撮影が進められてきた本作品は半分を日本で、残りの半分を中国でロケする中行われてきた。
今回のコラムではドラマの紹介と共に中国での撮影の様子を紹介していきたい。
日本の常識が通用しない中国撮影の現場
中国での撮影は中国映画も多く撮られている北京や瀋陽のスタジオを使用し、そこでは昔ながらの町並みをそのままに再現したセットの中、撮影が行われた。
中国国内においては決して規模の大きなスタジオとは呼べない場所での撮影であったものの、それでもその敷地の広さや規模の大きさには日本人キャストやスタッフも感嘆の声を上げていたほどで、私自身も改めて今後の中国映画の更なる存在感の飛躍を想像せずにはいられなくなった。
スタジオだけでなく、中国の撮影では当然現地スタッフや地元俳優、エキストラなどを交えながら日本人、中国人が入り乱れて撮影が行われてきたのだが、日本人と中国人とでは仕事のやり方だけでなく、そもそも価値観や撮影現場でのマナーなど、様々な違いを抱えながら撮影に取り組まなければならない。
その為、日本の現場では起こり得ないような様々なハプニングも起こる。
中国国内で日本人が中国人と共作する際によく起こる現象としては、事前に押さえておいた現地の車やスタッフやキャストなどが時間になっても現れない。
使用許可を得ているはずのロケ先での撮影現場を訪れてみると、そこでは撮影が出来ないと公安に止められたり、使用時間を極端に縮めざるを得ない状況に追い込まれたりしてしまう、などの問題が恒常的に発生する。
今回のドラマ撮影でも数百人の中国人エキストラを起用してのシーン撮影がいくつかあったのだが、カメラや照明のセッティング時間などのちょっとした待ち時間が生じるとその度にスタッフにも伝えずに勝手に現場を離れて涼みに出かけたり、トイレに行ってしまうエキストラが続出して、ひどい場合だと全く現場にも戻って来ない人間もいたりするなど、その影響で何度も撮影が間延びしてしまうという現象が起きた。
主演の松嶋さんが過酷な暑さの中、エキストラ待ちをしなければならないという日本では到底起こりえないような場面も実際に何度かあったほどだ。
中国での仕事の経験が長い私にしてみればこういったハプニングはある意味日常茶飯事なので慣れっこではあるが、今回初めて中国人と仕事を共にした多くの日本人からしてみれば奇妙で大変な体験であったろう。
上記のような事象は日本においてはタブーであるし、良くないルール違反の典型と言えるだろう。だが、中国においてはあくまでそれがスタンダードなのだ。
もしこのコラムを読んでくれている方の中で今後中国と撮影を通して共作するような機会のある方がいらっしゃるならば、最初から「日本でのスタンダードは中国のスタンダードではない」という意識を持って臨まれることをお勧めしたい。
美しく、壮大な大絶景に圧倒される---
最後に宣伝も兼ねて私の視点から見たドラマの見どころを自身の体験から挙げさせて頂きたい。
ストーリーは間違いなく終戦70周年に相応しいスケールの大きな感動的かつ、意義深い作品である。その中では命の尊さや戦争の悲惨さを改めて再認識せざるを得なくなるだろう。
だが、今回はストーリーだけでなく映像美やロケーションにも注目をして観て頂ければより一層ドラマを楽しんでもらえる要素となる。
特に日本では見ることの出来ないような大草原が広がる内モンゴルで行われたロケでの壮大な景色は、出演している私自身もオンエアの映像を期待せずにいられないほど大絶景であった。
そういった光景の一部はドローンを使用して空上から撮影されたカットもあり、あの絶景がいったいどのような映像として収められ、そして編集されていくのだろう?と想像しただけで鳥肌が立つほどワクワクしてしまう。
そんな部分にも是非着目頂きながら8月1日、2日は是非「レッドクロス~女たちの赤紙~」をご覧頂ければ光栄です。
レッドクロス公式HP
http://www.tbs.co.jp/redcross_tbs60/
小松拓也オフィシャルブログ
http://profile.ameba.jp/takuyashanghai/