第67回カンヌ映画祭で最高賞パルムドールを受賞作「雪の轍」が絶賛公開中の、トルコのヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督の過去作を紹介する「ヌリ・ビルゲ・ジェイラン映画祭2015」が、9月29日から東京・御茶ノ水のアテネ・フランセ文化センターで開催されることとなった。

画像: http://eiga.com/news/20150719/3/

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ジェイラン監督の作品の日本での劇場公開は「雪の轍」が初だが、長編デビュー作「カサバー町」(1997)は、1988年の東京国際映画祭のアジア秀作映画週間で上映された。当時同映画祭での作品選定を担当し、日本に初めてジェイラン監督を紹介した市山尚三氏は、「当時はトルコよりも、アッバス・キアロスタミを代表とするイラン、イラクなどの作品が台頭していました。そんな中で、『カサバー町』はある意味、アジア的なものを感じた。この作品は、自然主義的な部分と、かっちりとした固い部分が同居した作品で、他の作家とは明らかに違うと思いました」とコメントを寄せている。

映画『雪の轍(わだち)』 予告編

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ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
Nuri Bilge Ceylan

1959年イスタンブール生まれ。幼少期を古代都市トロイア近くの内陸部の牧歌的な自然の中で過ごす。イスタンブールのボスポラス大学機械工学科時代に映画制作を考えはじめ、ミマル・シナン大学で映画を学ぶ(中退)傍ら写真家として活動。
処女作である短編映画『繭』は、1995年カンヌ国際映画祭短編部門で上映。トルコ映画として同部門初の出品作となる。『五月の雲』(1999)までの初期作品は、彼に大きな影響を与えた故郷チャナッカレを舞台に、家族や友人を俳優として起用している。
2003年カンヌ国際映画祭で『冬の街』(2002)がグランプリを受賞。故ユルマズ・ギュネイ監督以降、長らく不振にあえいでいたトルコ映画界に期待の救世主として浮上する。同映画祭では『スリー・モンキーズ』(2008)が監督賞を、『昔々、アナトリアで』(2011)がグランプリを獲得。最新作『雪の轍』(2014)で、ついにカンヌの最高賞「パルムドール」に輝いた。トルコ映画が同賞を受賞したのは『路』(1981シェリフ・ギョレン監督。ユルマズ・ギュネイ脚本)以来32年ぶりことである。
国際映画祭を席巻するトルコ映画、その中心的存在であるヌリ・ビルゲ・ジェイラン。世界がグローバル化する中で、トルコ固有の文化や地理・精神風土に徹底的にこだわったその映画づくりに、世界中から熱い視線が注がれている。

ヌリ・ビルゲ・ジェイラン映画祭2015
日程:9月29日(火)-10月3日(土)
会場:アテネ・フランセ文化センター(御茶ノ水)

上映作品(予定)

『カサバー町』1997
『冬の街』2002
『うつろいの季節(とき)』2006
『スリー・モンキーズ』2008
『昔々、アナトリアで』2011

参照元

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