野島孝一の試写室ぶうらぶら シネフィル版 第14回 「国際市場で逢いましょう」「メイズ・ランナー」「デッド・シティ 2055」

「国際市場で逢いましょう」「メイズ・ランナー」「デッド・シティ 2055」

韓国で大ヒット!「国際市場で逢いましょう」

韓国のユン・ジェギュン監督の「国際市場で逢いましょう」は、韓国で歴代2位の大ヒットを記録、ベルリン国際映画祭に出品された。

映画『国際市場で逢いましょう』日本オリジナル予告編

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どうして大ヒットしたのか。見て分かったのは、これは韓国人の魂に響く作品だということだ。
朝鮮戦争、一家離散、海外への出稼ぎ、ベトナム戦争といった歴史に振り回された家族の物語だ。

日本人にもなじみがある、釜山の国際市場。店を構える老いたドクス(ファン・ジョンミン)の回顧が描かれる。
朝鮮戦争で郷里の興南を離れなくてはならなくなった一家。難民を乗せた船が興南埠頭を離れるとき、子供のドクスが背負っていた妹のマクスンが海に落ち、探しに行った父親ともはぐれる。
残りの家族は釜山にたどり着き、親戚に身を寄せた。

成長したドクスは西ドイツの炭鉱に出稼ぎに行く。そこで看護師のヨンジャ(チョン・ジニョン)と出会い、恋に落ちる。

笑いを誘う場面が多いが、韓国人の置かれた厳しくつらい環境が身近に感じられ、同情したくなる。ことに離散家族を捜すテレビ番組の様子が非常にリアルに感じられ、涙がとまらない。
有名な歌手のナム・ジンがベトナムで戦う海兵隊を演じているが、これは本人の体験を踏まえている。

考えさせられたのは、南北朝鮮の分断は日本にも責任があったことだ。
だから隣人がたどった運命を、他人事のように見られない。

CJEntertainment Japan配給。5月16日よりヒューマントラスト有楽町ほか全国順次公開中。

「メイズ・ランナー」

この迷路を生きて出られるか……!映画『メイズ・ランナー』予告編

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「メイズ・ランナー」とは、いきなり迷路(メイズ)に囲まれた広場に送り込まれた少年が、巨大な迷路を通り抜けて脱出を図る冒険映画。

誰が何のためにこんな施設を作り、なぜ少年たちを送り込んだのか、まったくわからないままトーマス(ディラン・オブライエン)という少年と同じような体験をしていく。

映像的には高い壁に囲まれた広場、迷路などがよく作られていて、臨場感がある。
これはどうやらシリーズものになりそうだ。

20世紀フォックス配給。5月22日より全国順次公開中。

「デッド・シティ 2055」

「デッド・シティ 2055」は、ブルース・ウィルスが悪役を演じるSF映画。
ブルース・ウィルスは、レプリカン(人造人間)を使って快楽を提供するリゾートの経営者。

アンドロイドが自我を持ったら…!映画『デッド・シティ2055』予告編

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客たちはレプリカンを生かそうと殺そうと、何をしても許される。
レプリカンのケリー(アンビン・チルダース)は、顧客と夜を過ごすとその記憶は消され、また新たな一日を迎える。

しかしある晩、誤作動が起き、ケリーは混乱したまま施設を逃げ出す。探して回収しようとする経営者たち。施設をつぶそうとする刑事(トーマス・ジェーン)らが交錯する。
ブライアン・A・ミラー監督のアクションSFだが、見るからにB級の娯楽作。

東京テアトル配給。5月23日有楽町スバル座ほか、全国順次公開中。

野島孝一の試写室ぶうらぶら オリジナル版は、アニープラネットWEBサイト
に掲載されています。
野島孝一@シネフィル編集部

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