映画『チャッピー(原題: Chappie)』
『第9地区』『エリジウム』の鬼才ニール・ブロムカンプ監督が手掛けたオリジナルのSFアクション。
『第9地区』同様に南アフリカ・ヨハネスブルグを舞台に、人工知能を搭載したロボットのチャッピーが自身を誘拐したストリートギャングたちと奇妙な絆を育みながら、壮絶な戦いに巻き込まれていく。
ブロムカンプ監督の盟友で『第9地区』にも出演したシャルト・コプリーがモーションキャプチャーによってチャッピーを演じた。他に『X-MEN』シリーズなどのヒュー・ジャックマン、『愛は霧のかなたに』などのシガーニー・ウィーヴァー、『スラムドッグ$ミリオネア』などのデーヴ・パテールら実力派や個性派が出演。
純粋無垢なチャッピーの愛らしい姿やリアルな造形に加え、すさまじいアクションの数々も見もの。単純に面白いだけではなく深くて重い問題提起も忘れてない素晴らしい作品。
純真無垢な子供たちが殺人マシン化してしまう現実や教育の問題など南アフリカでの貧富の差による悲劇やAIの危険性、生命とは何か、心とは何か、自己や意識、魂は脳にあるのか、それとも肉体にあるのか…など改めて考えずにはいられなかった。
それにしてもこの監督ホントに人間嫌いなんだなあ。途中、展開にややもたつきを感じるものの、細かいツッコミどころもあるものの、そんなのを気にさせずにグイグイ引っ張っていく勢いがすごい。
終盤の展開はちょっと唖然としたけれど…(笑)。ウサギの耳、LEDで表現する表情、自分を名前で呼ぶなどチャッピーがとにかくカワイイ。感情移入しやすくてね。ちょこちょこ泣けたよ…。
動きやアクションも良かった。チャッピーを演じ切ったシャールト・コプリーは素晴らしいよ。
ギャングを演じた南アフリカ出身のラップグループ「ダイ・アントワード」のメンバー、ニンジャとヨーランディもすごく“っぽくて”良かった。人間味溢れてるというか、愛らしくすら思えてね。嫉妬に溢れてドタバタするヒュー・ジャックマンも楽しかった。
ハンス・ジマーの音楽も安心の安定感でしっかり盛り上げてくる。
戦闘シーンとかすごくカッコイイ。日本のロボットアニメに影響を受けてるのをアチコチに感じて少し嬉しい。
上映劇場少ないのがなあ…。
シネフィル編集部 あまぴぃ