画像1: Photo: Jack English (c)2014 Gravier Productions, Inc

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スタイリストが見る、ウディ・アレン監督作『マジック・イン・ムーンライト』のファッション散歩 -cinefil.asia.column

 ウディ・アレン監督の最新作『マジック・イン・ムーンライト』は、豪華な邸宅と庭、海が背景に広がる、1920年代の南仏を舞台にした、
マジシャンのスタンリー(コリン・ファース)と、若くて美人の占い師ソフィ(エマ・ストーン)とのロマンスのお話です。
 
 友人の依頼で、大富豪が入れあげているという占い師ソフィの嘘を暴こうと、自信満々で南フランスの豪邸に乗り込んでいくスタンリー。
そこで出会った占い師ソフィは、美しくて可憐な女性でした。
そして、笑顔がチャーミングなソフィに、スタンリーは徐々に魅了されていきます。

画像2: Photo: Jack English (c)2014 Gravier Productions, Inc

Photo: Jack English (c)2014 Gravier Productions, Inc

 ところがスタンリーはとても皮肉屋で、素直に気持ちを表現出来ないまま、、、。
私も、2人の会話にクスクスス笑い、ハラハラしながら、予測出来ない恋の展開に、引き込まれていきました。

 ロマンスだけではなく、1920年代のライフスタイルとファッションも楽しめます。この映画の見どころのひとつは、俳優たちの素晴らしい装いの衣装でしょう。
特に女性たちや、主人公のソフィ(エマ・ストーン)の多様なファッションが楽しめます。

画像: Photo: Jack English (c)2014 Gravier Productions, Inc エマ・ストーン演じるソフィと、マーシャ・ゲイ・ハーデン演じるその母親

Photo: Jack English (c)2014 Gravier Productions, Inc
エマ・ストーン演じるソフィと、マーシャ・ゲイ・ハーデン演じるその母親

 
 1920年代は、女性が仕事と家庭の両立を求める様になり、スポーツ、ヴァカンスなどの娯楽を楽しむライフスタイルになりました。

それにあわせ、活動的な服が増え、女性のファッションが大きく変わった時代です。
シルエットは直線的で、素材も薄く軽快になりました。

画像3: Photo: Jack English (c)2014 Gravier Productions, Inc

Photo: Jack English (c)2014 Gravier Productions, Inc

 この時代の代表的なスタイルは、ギャルソンヌ・ルックと言われるもの。
ギャルソンヌ・ルックとは、男の子の様な娘の意味で、筒型のシルエットのドレス、短いヘアースタイル、クロシェ帽などが特徴的です。

  
 たとえば、南仏の豪華な邸宅と自然が広がるシーンではーー。
マリンルックのソフィがとってもキュート!

 カジュアルなコットン素材に、赤と白のコントラストが彼女を瑞々しく見せ、ベレー帽の黒が甘さを消し、爽快な印象を与えています。
マリンルックは、この時代のトレンドスタイルの1つです。

画像4: Photo: Jack English (c)2014 Gravier Productions, Inc

Photo: Jack English (c)2014 Gravier Productions, Inc

 花が咲き乱れるアーチを、2人で散歩するシーンではーー。
2人の衣装の淡い色彩が上品です。

繊細な素材と淡い色合いのワンピースは、ソフィの可憐さを一層引き立てています。
ここではキャプリーヌという帽子に、花モチーフのコサージュを付け、華やかさを添えています。

様式化された花、動物のモチーフ、帽子の前ブリムを折り返すのも、この時代の特徴です。

画像1: Photo: Jack English © 2014 Gravier Productions, Inc.

Photo: Jack English © 2014 Gravier Productions, Inc.

 
 豪華さにうっとりしてしまうガーデンパーティーの場面ーー。

ここでのソフィは、大人っぽくて刺激的!
昼と夜で、彼女はかなり変身しますね。

 デイタイムは過剰な装飾はなくて、シンプルなドレスでしたが、
イブニングでは、ビーズワーク、刺繍、フリンジなどの装飾が施された、豪華なドレス姿になりました。

 ヘッドピースで額を飾るのもこの時代の特徴で、ジュエリー使い、サテンのターバンやストールなど、豊富なヘッドアクセサリーがあります。

画像2: Photo: Jack English © 2014 Gravier Productions, Inc.

Photo: Jack English © 2014 Gravier Productions, Inc.

 
 画面一杯のガーデンシーンから、この時代の優雅な遊びが伝わってきます。
素敵なドレスを纏い、おいしいお酒に、ウィットに富んだおしゃべりと、極上の時を過ごしたのでしょうね。
優雅な1920年代に、映画を見ているわたしたちも迷い込みそうです。

 そして、スタンリーのおばさまの日常着は、なんと贅沢な事か!
白の生地に刺繍やカットワーク、独創的な装飾、シルエットがシンプルな分、装飾には手が込んでいます。

 こんな贅沢な服を日常着にしているところに、上流階級の優雅なライフスタイルとファッション感が伺えます。

画像5: Photo: Jack English (c)2014 Gravier Productions, Inc

Photo: Jack English (c)2014 Gravier Productions, Inc

 自分が大好きな服のなかから、どれにしようか迷いながらアクセサリーを決め、ファッションを楽しむのは、心躍るもの。
この映画の中にも、たくさんのファッションが登場します。
ぜひ、ご自分のファションの参考にしてみて下さい。

 スイートなロマンスのはずですが、この恋は、なかなかスムーズにはいかないようです。
2人の会話の展開には、面白くて、何度も笑いました!-cinefil.asia.column

スタイリスト 徳永尚子

(編集・構成 シネフィル編集部 島津香蘭)

ウディ・アレン監督最新作『マジック・イン・ムーンライト』は、新宿ピカデリー、丸の内ピカデリー、Bunkamura ル・シネマほか、全国の劇場で順次公開中。
(提供・KADOKAWA ロングライド、配給・ロングライド)

予告編動画

映画『マジック・イン・ムーンライト』予告編

wrs.search.yahoo.co.jp

【ストーリー】
この世に魔法や超能力など絶対に存在しないと信じる英国人マジシャン、スタンリー(コリン・ファース)が、ある大富豪が入れあげている米国人占い師の真偽のほどを見抜いてほしいと友人に頼まれる。すぐさま自信満々にコート・ダジュールの豪邸に乗り込むスタンリーだったが、その占い師ソフィー(エマ・ストーン)が連発する驚くべき透視能力に圧倒され、人生観を根底からひっくり返される。しかも容姿も性格も抜群にチャーミングな彼女に、不覚にも魅了されてしまい……。

【映画情報】
マジック・イン・ムーンライト
公開日:2015年4月11日(土)
新宿ピカデリー、丸の内ピカデリー、Bunkamura ル・シネマほか、全国で順次公開中
監督&脚本:ウディ・アレン
出演:コリン・ファース、エマ・ストーン、マーシャ・ゲイ・ハーデンほか
(提供・KADOKAWA ロングライド、配給・ロングライド)

公式サイト

                

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