カンヌ映画祭の常連監督ダルデンヌ兄弟が3年ぶりに来日!

ベルギーの名匠、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟が、最新作『サンドラの週末』のプロモーションで来日。去る3月25日にベルギー大使館で記者会見を行った。

画像: ベルギー大使館主催のレセプションでくつろぐダルデンヌ兄弟 photo by yoko KIKKA

ベルギー大使館主催のレセプションでくつろぐダルデンヌ兄弟
photo by yoko KIKKA

本作はタイトル通り、失職の危機に陥ったヒロインの“週末2日間”の涙ぐましい奮闘ぶりを描いた社会派ドラマで、主演はフランスの国際派女優マリオン・コティヤール。ほぼスッピン状態&普段着姿で焦燥したヒロインの心情を繊細に演じた彼女は、この作品で第87回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。

記者会見で、弟のリュックは「他人の立場に立ってモノを考えられるのかどうかを、観客に問う作品なんです」と作品のテーマを語り、兄のジャン=ピエールは「主人公は周囲から脆い人間だと思われている。だけど、実は他人を変わらせる力を持っているし、自分自身も変わっていく。つまり、この作品は“脆弱”さへの礼賛でもあるんだ」とコメント。

画像: 左からプロデューサーのドニ・フロイド、リュック・ダルデンヌ(弟)、 ジャン=ピエール・ダルデンヌ(兄) photo by yoko KIKKA

左からプロデューサーのドニ・フロイド、リュック・ダルデンヌ(弟)、
ジャン=ピエール・ダルデンヌ(兄) photo by yoko KIKKA 

また、今回の会見には、2002年の「息子のまなざし」以降、ダルデンヌ兄弟監督作品の製作に携わってきたフランス人プロデューサーのドニ・フロイドも同席。兄弟監督作の魅力について「2人は世界でも稀有な存在の監督。普遍的なストーリーを語りつつ、社会の現実を描けるのですから」と語った。

実にシンプルな設定ながら人間の心理をシビアに描き出した秀作で、様々な人間性を露にする同僚たちの人物像も実に興味深い『サンドラの週末』は、5月23日Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開。
(Text by Yoko KIKKA)

吉家 容子(きっか・ようこ)
映画ジャーナリスト。雑誌編集を経てフリーに。
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映画『サンドラの週末』予告編

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