実母を通して老後の現実と希望を描くドキュメンタリー『抱擁』
坂口香津美監督が明かす出発点---

本作は、娘と夫を相次いで亡くし、老いの孤独と恐怖から精神的な混乱にまで陥った78歳(当時)の老婦が、郷里の島での暮らしの中で再び生きる希望を見いだしていく姿を、息子である坂口監督が4年間にわたって追いかけた作品。昨年、第27回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門で正式上映されると、その衝撃と感動が大きな話題になった。

画像: 坂口香津美監督 http://www.cinematoday.jp/page/N0072284

坂口香津美監督

http://www.cinematoday.jp/page/N0072284

これまで数々のテレビドキュメンタリーや、映画『ネムリユスリカ』『夏の祈り』などで、家族や若者をテーマにしてきた坂口監督。本作で実母にカメラを向けたきっかけを尋ねられると、「母がパニックを起こして救急車を呼ぶので困っていると、父から電話があり、初めて長女を亡くし悲嘆に暮れる母に気付いたんです。一緒に暮らしだした後も、自分を置いて仕事に出る僕を母はなじる。反論しても仕方がないので、手元にあったカメラを何の気なしにいじっていたんですが、そこに映った母がとても小さく見えました」と静かに語る。

映画「抱擁」 予告篇 "Walking with My Mother"

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