俳優のビゴ・モーテンセン主演で、「太陽がいっぱい」「リプリー」で知られるパトリシア・ハイスミスの名作サスペンス小説「殺意の迷宮」を映画化した「ギリシャに消えた嘘」が、4月11日に公開される。

画像: 『ギリシャに消えた嘘』主演ビゴ・モーテンセン曰く「本当の意味でフィルム・ノワール---」

本作のメガホンをとったのは、「ドライヴ」の脚本家ホセイン・アミニ。自ら脚本を手がけ、初監督に挑んだ。ロシアンマフィアに扮した「イースタン・プロミス」でオスカー候補になったモーテンセンは、本作の脚本を初めて読んだ時の印象を「とても知的で非常によく書かれていると感じた」と語る。

パトリシア・ハイスミスの小説の虜になった監督が語る、
ギリシャ神話のメタファー

『ギリシャに消えた嘘』はホセイン・アミニ監督にとって、15年近い年月にわたって情熱を注いできたプロジェクトである。

アミニは「初めて読んだのは大学時代だった。この小説のキャラクターたちの虜になったんだ。チェスターはハイスミスが描いた本物の悪役だが、彼は物語の終盤で驚きと贖いの行動に出る。それが問題を抱えた危険な悪人たちに対するハイスミスの深い慈悲の心を感じさせ、僕は作業の手を止めて考え込んだ。彼女は読者をこの悪役と同じ位置に置くばかりでなく、彼らに対して奇妙な思いやりと理解を抱くように導いている。」と語る。
そして、「ふたりの男の心理戦がテーマであり、それが最も大きく僕の心に響いていた」とアミニは話す。「ふたりの男が反目し合うというアイデアが好きだ。たとえ、ひとりがもうひとりを破壊しなくてはならないとしても、闘いの最中にはふたりの間に敬意と深い愛情がある。当初、僕はこの物語がテセウス、アリアドネ、ミノタウロスの愛の三角関係のようなものだと考えていた。しかし徐々にゼウスとクロノスの物語に近く、一人前の男になるために父親を殺さねばならない息子が物語の着想ではないかと思うようになったんだ」。

アミニは監督デビューの準備として、複数の映画を参照して影響を受けた。近代スリラーの父と言われるヒッチコックの作品はもちろん、本作の舞台や時代背景に通じるフランスやイタリアのサスペンス・スリラーを夢中になって研究した。そのなかにはミケランジェロ・アントニオーニ監督の『情事』やジャン=リュック・ゴダール監督の『軽蔑』があり、アミニは「世界観、風景、構図への感覚を養いたかった」と説明する。
さらにアミニは本作の精神性について、ハイスミスの小説を再映画化した『リプリー』よりも、アラン・ドロンがトム・リプリー役を演じたオリジナルのフランス映画『太陽がいっぱい』に近いと考えている。
参照元
http://kieta-uso.jp

画像: http://eiga.com/news/20150410/15/

http://eiga.com/news/20150410/15/

本作では、屈折した感情を抱えるキャラクターたちの心理戦が人間性をあぶりだしていく。鑑賞後に映画の続きや登場人物たちの言動や願望について考えさせられる作品が好きだと言うモーテンセンは、本作では「全てのキャラクターに欠点があり、全員が後悔し、間違いを犯すんだ」という。くせ者たちが異国の地で繰り広げる犯罪と嘘と三角関係。「この映画は、本当の意味でフィルム・ノワールだと思うよ」

映画『ギリシャに消えた嘘』予告篇

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