3月28日、作家でミュージシャンの町田康と中原昌也が、ロシアの巨匠アレクセイ・ゲルマン監督の遺作「神々のたそがれ」のトークイベントを開催した、
本作を2度鑑賞し「全く退屈しなかった」と言う町田は「何よりも素晴らしいと思ったのが、何かが決定的に上手くいかない感覚がすごく良かった。しんどいとか、汚いと思う人もいると思いますが、その世界がおもしろかった」と振り返る。中原は「僕も2回見ていますが、話を理解するよりも、酔っ払った先輩に引きずり回されている感じ」と独特の表現で語り、「音だけ聞いていても気持ちが良い。どういう風にああいうサウンドになったのか気になる」とミュージシャンならではの感想を述べた。
町田が「中原昌也の小説の世界に近い」と評すると、中原は「映画より原作が町田さんの小説に近いと思った」と言い、本作にふたりの表現する世界観と共通するものを感じていたようだった。
空前絶後 二十一世紀最高傑作!
製作期間15年、
原作ストルガルツキー兄弟(タルコフスキー『ストーカー』)、
巨匠アレクセイ・ゲルマンによる不朽不滅の遺作、
2015年3月中旬より、渋谷ユーロスペースほかで公開!
人間が、神になる惑星。
舞台は、とある惑星の都市アルカナル。この惑星は、地球から800年ほど遅れた発展を遂げており、中世ルネッサンス期を迎えているかのようであった。そこに目を付けた地球人たちは、科学者・歴史家らの調査団を派遣した。しかし、最初の潜入から20年が経過しても、そこで繰り広げられるのは、圧政、殺戮、知的財産の抹殺であり、文化発展の兆しは全く見られない。地球人の一人、ドン・ルマータは、未来から知識と力を持って現れた神のごとき存在として惑星の人々から崇められているが、政治に介入することは許されず、ただただ権力者たちによって繰り広げられる蛮行を傍観するのみであった…。