コラム:米林宏昌監督作品のこと
スタジオジブリの映画『思い出のマーニー』が5月22日より、アメリカで配給が決定!英語版キャスト決定!  -cinefil

 『借りぐらしのアリエッティ』の米林宏昌が監督。
ジョーン・G・ロビンソンの児童文学を原作に、北海道に引っ越してきた杏奈と、マーニーという、不思議な少女の出会いを描いた作品だ。

『思い出のマーニー』の米林宏昌監督の作品は、これまでのジブリ作品の中心を成してきた、宮崎駿、高畑勲監督らの路線とは、まったく異なるアプローチの仕方ながら、繊細で、みずみずしさにあふれた、傑作だと思う。

主人公の少女たちの、ひたむきさ、傷つきやすく、生きづらい様子は、普遍的な部分がもちろんありながらも、より現代の少女たちが写し取られているように思える。

米林監督の作品の特徴をひとつふたつ、挙げるとすれば、それは少女のような繊細さと、緻密な表現力ということに尽きるだろう。
繊細にして、骨太な構成力もある。

なによりあの『借りぐらしのアリエッティ』の、可愛らしさといったらなかった!
幼年期の頃の、少女たちのドールハウス遊びを思い返してしまった。
現代の「不思議の国のアリス」というべき、完成度の高い作品であった。

今回は、入江の表情や、空の描写に、ことに力が注がれていたようだ。
夕立の前や、嵐の雲の動き、
ふりはじめの、大粒の雨粒が、肌に打ち付けるときの痛み、
まるで実写のような湿度すら感じるほど、なまなましいものがあった。

日本公開時は、真夏だったが、映画館の片隅で、湖畔の別荘地で、涼やかな避暑地の夏休みを過ごした後のように、気持ちのいい時間を過ごせた。

入江に打ち付ける、波音や、夕立の雨音。
それらが、えいがの全編を通して、癒し効果をもたらしていく。

極力音響設備の整った映画館で鑑賞できれば、この映画の、リラクゼーション効果は絶大だ!

米林監督作品が、アメリカでどこまで躍進していけるかーー。
心から声援を送りたい。

園田恵子@cinefil編集部

画像: コラム:米林宏昌監督作品のこと。スタジオジブリの映画『思い出のマーニー』が5月22日より、アメリカで配給が決定!-cinefil

http://www.cinematoday.jp/page/N0071299

スタジオジブリの映画『思い出のマーニー』がアメリカの配給会社GKidsによって配給されることが決定し、5月22日よりニューヨーク、ロサンゼルスを皮切りに、全米順次公開となることがわかった。

参照元
http://www.cinematoday.jp/page/N0071299

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