シネフィル新連載:園田恵子の映画をめぐる冒険 #01
カラシニコフをギターに持ち替え自由のために闘うバンド描いた、映画『トゥーマスト』、そして公開記念、「抵抗運動と音楽」cinefil

映画『トゥーマスト ~ギターとカラシニコフの狭間で~』

『トゥーマスト』は、複雑な立場にたたされながら、マリ北部で独立運動を続ける、トゥアレグ族をめぐるドキュメンタリー映画だ。

2011年にリビア崩壊後の、アルカイダ系の武装勢力の進出後の、報道すらされない、いや報道することもできないほどの、残虐さに満ちている北アフリカの現状がある。

アフリカ対岸の、イタリア、フランスでも、そうした北アフリカからの難民流出を描いた映画が、近年、数多く制作されるようになってきた。

それらの映画では、主にEU側からの視点での、難民問題に主眼が置かれていて、めまぐるしく変動する北アフリカの状況には、あまり触れられてこなかった。

個人的には、旅人役で出演したテレビ朝日の旅番組で、サハラのトゥアレグ族と同行する機会を持ったときの、彼らの印象が忘れられない。

古くから物語や映画に度々登場するかれらの姿は、わたしにとっても、あこがれの砂漠のヒーローだった。だからこそ、たびたび詩にも書き、合唱曲『サハラ』を創作するきっかけでもあった。

トゥアレグ族とは、北アフリカの先住民であるベルベル人の一支族だ。
勇猛で、誇り高い一族で、現在の国境をまたいで、北アフリカの内陸部、ーーナイジェリア,マリ共和国,ニジェール,モーリタニア,アルジェリア,リビアーーなどで生活している。 

ターバン(シュシュ)と、「トゥアレグブルー」と呼ばれる、地中海特有のアズレージョに近い、鮮やかな藍染めの民族衣装ダラア(ガンドゥーア)を身にまとうため「青の民」「青い人」等の名称でも呼ばれている。

「トゥアレグブルー」の布につつまれた、澄んだ瞳。
秘められた、底知れない情熱。
そしてサハラに対する思い。
その果てしなさには、想像もおよばないものを感じていた。

サハラのトゥアレグ族が、独立のために立ち上がったというニュースには、旅先で垣間(かいま)みただけの私ですら、やはり、という思いを抱いた。

砂の一族、砂漠の民、青の一族としての誇り。
そして、それ故に、終わりそうにない戦いを思って、暗澹とした。

この『トゥーマスト ~ギターとカラシニコフの狭間で~』に描かれた、
カラシニコフをギターに持ち替え、自由のために闘うバンド、トゥーマストの活動。

それは、サハラに降り注ぐ、一筋の希望にほかならない。


園田恵子 
cinefil

監督:ドミニク・マルゴー
出演:トゥーマスト
スイス/2010年/英語/カラー/88分

2月28日から、渋谷アップリンクで公開中。


カラシニコフをギターに持ち替え、自由のために闘うバンド、トゥーマストを知るための8曲|映画『トゥーマスト』公開記念、石田昌隆さんと松山晋也さんが語る「抵抗運動と音楽」

サハラ砂漠の遊牧民・トゥアレグ族のバンド「トゥーマスト」を描くドキュメンタリー映画『トゥーマスト ~ギターとカラシニコフの狭間で』が、先週末の2月28日から、渋谷アップリンクで公開されています。

その直前トーク・イヴェントに先週、音楽評論家の松山晋也さんらが出演しました。

抜粋・まとめが、下記アップリンクのサイトにアップされています。

http://www.webdice.jp/dice/detail/4610/

写真は、映画『トゥーマスト ~ギターとカラシニコフの狭間で~』より

画像: シネフィル新連載:園田恵子の映画をめぐる冒険 #01  カラシニコフをギターに持ち替え自由のために闘うバンド描いた、映画『トゥーマスト』、そして公開記念、「抵抗運動と音楽」cinefil

http://www.webdice.jp/dice/detail/4610/

サハラ砂漠の遊牧民・トゥアレグ族のバンド「トゥーマスト」を描くドキュメンタリー映画『トゥーマスト ~ギターとカラシニコフの狭間で』が、先週末から渋谷アップリンクで公開されてますが、その直前トーク・イヴェントに先週、音楽評論家の松山晋也さんらが出演しました。

抜粋・まとめがアップリンクのサイトにアップされています。

http://www.webdice.jp/dice/detail/4610/


映画『トゥーマスト ~ギターとカラシニコフの狭間で~』より

サハラ砂漠の遊牧民・トゥアレグ族のバンド「トゥーマスト」を描くドキュメンタリー映画『トゥーマスト ~ギターとカラシニコフの狭間で~』が、2015年2月28日(土)から渋谷アップリンクにてロードショー。公開に先駆けて、写真家の石田昌隆さん、音楽評論家の松山晋也さんによる「抵抗運動と音楽」をテーマにしたトークイベントが行われた。

今作が制作された後も、2011年にリビアが崩壊し、アルカイダ系の武装勢力のマリ北部から中部へ進出、そしてフランスの軍事介入もあり、マリ北部で独立を求めるトゥアレグ族を巡る問題は続いている。

今回は、現在も自由のために音楽で闘うトゥーマストとトゥアレグ族をさらに知るための楽曲、そして、世界各地の抵抗運動にまつわる楽曲を、おふたりのコメントとともに紹介する。

参照元
http://www.webdice.jp/dice/detail/4610/


Voices United for Mali - 'Mali-ko' (Peace / La Paix) - English subtitles

https://www.youtube.com/watch?v=eUO66d8WvCY

This article is a sponsored article by
''.