「CURATION⇄FAIR(キュレーションフェア)」が「kudan house」において開催中です。
展覧会(開催中~2月16日)とアートフェア(2月22日~24日)の二部で構成されています。美術品の価値を様々な角度から伝える新しい試みの美術企画です。展覧会会期では、遠藤水城氏、兼平彦太郎氏、岩田智哉氏それぞれのキュレーションによる3つの展覧会をkudan houseで鑑賞できます。
会場に足を踏み入れると、最初に目に入るのは旧ガレージと庭で、ここでは岩田智哉氏が2人のアーティストの作品を通して、来場者の身体感覚を刺激します。また、地下1階では、兼平彦太郎氏が昼夜で異なる表情を見せる空間において、映像やペインティングなど、現代アートを中心とした作品が展示されます。そして、1階から3階にかけては、遠藤水城氏のキュレーションにより、川端康成と大江健三郎の2つの日本文化論を道しるべに、古美術、近・現代美術、工芸作品が一見すると無関係に見える形で提示され、同時に「作品でありうる」という現象そのものに焦点を当てた展示が行われます。
3名のキュレーターがそれぞれの視点で、近代日本を象徴する建物「kudan house」を舞台に、作品を展示する本展。ぜひ会場でその魅力をお楽しみください。また、2つのサテライト会場では、古美術と現代工芸作品の展覧会(開催中〜2月24日(月・祝))や、蓮沼執太氏による音楽のインスタレーション展示(開催中〜2月7日(金))も開催されるので、こちらも合わせて足を運ぶことをお勧めします。

展覧会「さかむきの砂」より展示風景:《いずれ訪れるその日まで》木藤遼太 2025
photo©︎moichisaito

展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」より展示風景:《共振、または1927》(部分)蓮沼執太 2025
photo©︎moichisaito

展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」より展示風景:《共振、または1927》(部分)蓮沼執太 2025
photo©︎moichisaito

展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」より展示風景:《UNTITLED 91-36》辰野登恵子 1991
photo©︎moichisaito

展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」より展示風景:左から《untitled》 2010、《untitled》 2010、《untitled(Body)》 2022、いずれもジョシュ・ブランド
photo©︎moichisaito

展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」より展示風景:左から《TYO 0121》 2021、《TYO 0125》 2021 いずれも松江泰治
photo©︎moichisaito

展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」より展示風景:手前《border / waves of moon 01》 2024、《border / syzygy 05》 2020 いずれも上前功夫
photo©︎moichisaito

展覧会「Pocket full of sparks それは小さいのに、とても大きい。」より展示風景:ガブリエル・ハートリーの作品群
photo©︎moichisaito

展覧会「Pocket full of sparks それは小さいのに、とても大きい。」より展示風景:《ドローイング・インスタレーション》(部分) 杉戸洋 2025
photo©︎moichisaito
会場の紹介
「展覧会・アートフェア会場」は、普段は一般に公開されていない「kudan house(九段ハウス)」にて開催されます。こちらは、登録有形文化財である<旧山口萬吉邸>をリノベーションした会員制のビジネスイノベーションの拠点です。この邸宅は、日本を代表する3人の建築家(内藤多仲氏、木子七郎氏、今井兼次氏)によって設計され、美しい曲線を特徴とし、鉄筋コンクリート建築の初期の名作として日本の建築史に名を残す存在です。普段は一般に開放されることのない、重厚かつ繊細な歴史的空間で、アーティストの創造性と触れ合いながら、新たなインスピレーションを得る特別な時間を体験できます。
「サテライト展覧会会場」は、都心に位置する5つ星ホテル「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町, ラグジュアリーコレクションホテル」にあります。地上約180メートルの高さから、都心の景色とともに自然の美しさとアートが調和したデザイン、そしてラグジュアリーな空間が広がる、プリンスホテルの最高級の施設です。自然光が降り注ぐ高層階に足を踏み入れると、絶景とアートが一体となった特別な空間が広がり、訪れる人々を魅了します。
「サテライト展覧会・レセプション会場」は、歴史とロマンが息づく「赤坂プリンス クラシックハウス」にて開催されます。赤坂・紀尾井町の中でもひときわ優雅な佇まいを見せる洋館で、1930年に旧李王家の邸宅として建設され、その後「赤坂プリンスホテル旧館」として長年多くの人々に親しまれてきました。2011年には東京都指定有形文化財に指定され、大規模な保存改修を経て、2016年に「赤坂プリンス クラシックハウス」として新たな歴史を刻み始めました。普段は公開されない2階の寝室や書斎、談話室などのプライベートな空間を中心に設計されたこの場所で、特別なひとときを過ごせます。
※「赤坂プリンス クラシックハウス」展覧会の入場にはCURATION⇄FAIR Tokyoのいずれかの入場券が必要になります。混雑時には展示をご覧いただくまでお待ちいただく場合があります。予めご了承ください。

展覧会「Timeless」より展示風景:案内のシート
photo©︎moichisaito

展覧会「Timeless」より展示風景:《月面甲冑「白兎」》 塩見亮介 2025
photo©︎moichisaito

展覧会「Timeless」より展示風景:《心象のかさね》 田中里姫 2025
photo©︎moichisaito
「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町, ラグジュアリーコレクションホテル」ではコラボレーションスイーツ「Rouge Noir」を販売しています。これは青木野枝の作品からインスピレーションを得て作られたものです。
こちらもぜひ、お楽しみください。

「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町, ラグジュアリーコレクションホテル」
概要
【「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」「Pocket full of sparks それは小さいのに、とても大きい。」「さかむきの砂」概要】
会期:開催中~2025年2月16日(日)10:00 - 19:00
会場:kudan house
入場料:公式サイト参照
【「共振、または1930」概要】
会期:開催中~2025年2月7日(金)10:00 - 19:00
会場:赤坂プリンス クラシックハウス 2階
入場料:CURATION⇄FAIR Tokyoのいずれかの入場券が必要になります。
【「Timeless」概要】
会期:開催中~2025年2月24日(月・祝)※宿泊者以外は10:00 - 19:00まで。
会場:ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町, ラグジュアリーコレクションホテル 36階ロビー
公式サイト:https://curation-fair.com/
【トークプログラム概要】
会期:2025年2月8日(土)・2月9日(日)
会場:九段会館テラス コンファレンス&バンケット 3F 301-杏
(東京都千代田区九段南1丁目6-5)
入場料:無料、事前予約制
申し込み:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeqylu-hXWKl02IjsCLaDe2byGWgszxGQXb-GEHv2aPtRC2rg/viewform
※ご入場にはCURATION⇄FAIR Tokyoのいずれかの入場券が必要になります。
【2月8日(土)】
1.11:00〜12:15「文化人類学の視点から見る日本・アジアのアート」
2.14:45~16:00 「良い作品はどう見極められるのか/ギャラリストの視点」
【2月9日(日)】
1.10:30~11:45 「キュレーター トーク」
2.12:15~13:30 「資産の条件」
3.14:00~15:15 「資産としてのアート」
2月22日(土)からはアートフェア「Art Kudan」を開催
会期: 2025年2月22日(土) ~ 2月24日(月・祝)10:00 - 18:00(最終入場17:30)
会場: kudan house(東京都千代田区九段北1-15-9)
出展ギャラリー:ANOMALY、HAGIWARA PROJECTS、ギャラリー広田美術、KANEGAE<KOGEI Next>、KAYOKOYUKI、KOKI ARTS、小山登美夫ギャラリー、ロンドンギャラリー、MA2Gallery、MISAKO & ROSEN、無人島プロダクション、中長小西、TARO NASU、Satoko Oe Contemporary、しぶや黒田陶苑、ギャラリー 志、瞬生画廊、東京画廊+BTAP、Wa.gallery、WAITINGROOM、古美術 柳