僕、飯塚冬酒の第一作目『MOON and GOLDFISH』に引き続き『雨ニモマケズ』にもご出演いただいた神林斗聖さん。
10代のころから知っている神林さんとざっくばらんにお話しさせていただきました。

画像: 対談企画「いま気になる映画人」VOL.04
神林斗聖(俳優)×飯塚冬酒(映画監督)
~音楽映画『雨ニモマケズ』特別企画~

俳優になるきっかけ

飯塚「まずは・・・俳優になりたいと思ったきっかけからお聞かせください・・・っていうか、改めて訊くことでもないことではありますが(笑)」

神林「『クローズZEROII』を観たときにとても印象的だった山田孝之さんに圧倒されて、山田さんへの憧れから俳優になろうと思ったのが中学三年生の時です」

飯塚「どんなふうに?」

神林「オーディションで事務所に入って、高校卒業するまではその事務所にお世話になっていました。映画やCMのお仕事の他にもエキストラもしていました」

飯塚「高校に通いながら?」

神林「はい。最初は全日制の高校だったんです。でも仕事に本業を入れようと全日から通信制に切り替えて。昼間、オーデションや仕事の隙間には、演技ワークショップに通っていました」

飯塚「ワークショップはいかがでしたか?」

神林「とにかく通ったんですけど・・・ワークショップや講師の監督により様々でしたね。正直、何も得られないワークショップも多かったです。僕と同世代の人たちも少なくてただ行っているという感じも否めなかったです。役者対象のワークショップって何なんでしょうね」

画像: 俳優になるきっかけ

苦労の時代

飯塚「一番最初に出演した映画は?」

神林「高校一年生の時なんですけど。原田真嗣 監督の『ネコの頭でお散歩を。』という短編映画です。ネコの着ぐるみ着たバイトの役なんですけど、休憩中にかぶっていたネコの頭を置いていたら盗られちゃって、探す、というお話でした」

飯塚「面白そうですね、オーディションで決まった役ですか?」

神林「そうなんです。オーディションも沢山受けたんですけどなかなか通らないことも多くて挫折感を味わいました。もちろんエキストラのお仕事も多く引き受けて」

飯塚「僕が出会ったのはそのころですよね」

神林「そうですね、高校生の頃」

飯塚「横浜を舞台の短編映画に出演いただきましたね」

神林「懐かしいですね。その後しばらく俳優していたんですけど。ちょっと離れた時期がありました」

飯塚「そうでしたね」

神林「二年くらい・・・。自分が俳優に復帰した作品が飯塚さんにお声かけていただいた『MOON and GOLDFISH』です」

画像: 『MOON and GOLDFISH』より 左から 神林斗聖さん / 平井亜門さん

『MOON and GOLDFISH』より
左から 神林斗聖さん / 平井亜門さん

役へのアプローチ

飯塚「役づくりやアプローチはどのようにしていますか?」

神林「20代は役づくり、とか全く分からなくて。台本読んで現場に行って・・・何かよくわからなかったです」

飯塚「そんな状態で演技していた?」

神林「・・・はい。役に向き合えるようになったのは・・・『MOON and GOLDFISH』からかもしれません。あの作品で、ヒロシという役をいただいて飯塚さんに色々とお話しいただいてからですかね。
登場人物のそれまでの人生を考えたり、役としてどう見えるべきか、立ち居振る舞いを役に近づけていく、みたいなことを考えるようになりました」

飯塚「あ、そう・・・」

神林「『MOON~』では・・・生活から変えて(笑)、本当に人と会わないように。孤独で強く生きてみたりして(笑)」

飯塚「ほかの作品では?」

神林「『MOON~』の経験を活かして、高橋広吏 監督の短編『夏菜子、帰る』では初めての父親役だったので、普段から結婚指輪のように薬指に指輪つけたり、仕事終わっても飲みに行かずに早く家に帰ってみたり、と」

飯塚「生活を変える?」

神林「そうですね。僕の場合、生活を変えて役に近づいていくのがやりやすいような気がします」

飯塚「『雨ニモマケズ』では?」

神林「あの役は自分にかなり近かったので、作り込まずにも地のままで行けました」

飯塚「ほぼ、あてがきでしたからね(笑)」

画像: 映画『雨ニモマケズ』より

映画『雨ニモマケズ』より

これからのこと

飯塚「好きな映画を教えてください」

神林「やっぱり『クローズZEROII』は大好きです。あと最近だと・・・小路紘史 監督の『辰巳』です」

飯塚「ワイルド系(笑)」

神林「『辰巳』の熱量は凄いと思いました。作品も役者も監督も。役者さんが全員オーディションだったと知って、オーディション受けたかったなあ、と心から思いました。でもそのオーディションがあった頃は僕が役者から完全に離れてしまった時期だったんですね。」

飯塚「残念・・・」

神林「本当に残念です」

飯塚「ちなみにどんな役者になりたい、どんな役をやりたい、というのはありますか?」

神林「少しすごみを出せる年齢になってきたと思うのでワイルドな役をしてみたいです。今まで見た目が若かったので学生などの役が多かったんですけど、少し幅を広げた役にもチャレンジしてみたいです」

飯塚「一時期、役者を離れていたこともあったと思うのですが・・・」

神林「今後は役者一本で行くことを心に誓っています」

飯塚「生涯一役者(笑)」

神林「かっこいい役者になりたいです。あとはみんなに愛される役者です(笑)」

画像: これからのこと

役者の先に在るもの

飯塚「役者を続ける理由って何ですか」

神林「・・・役者の先に在るもの・・・なんでしょうね」

飯塚「先に在るもの?」

神林「僕にとっては、自分ではないものを演じることがとてつもない魅力だと思います。演じて自分にふと戻った瞬間、現実との境目を感じた瞬間は役者しか体験しえないような気がします。そしてお客さんに全く違う神林やをみせる、非日常の物語に引き込むことができることが、僕が役者を続ける理由だと思います」

画像: 役者の先に在るもの

雨ニモマケズ|監督:飯塚冬酒|90分|2024年|5.1ch|日本|
2/8(土)~新宿K's cinemaほか順次劇場公開
https://g-film.net/ame/

カメラ:塩出太志 / ヘアメイク:成美

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