ジョン・F・ケネディ大統領の衝撃的な暗殺事件を描いた映画『JFK』(91)のオリヴァー・ストーン監督が、新たな証拠と調査に基づく独自の視点から事件の陰謀に迫るドキュメンタリー映画『JFK/新証言 知られざる陰謀【劇場版】』の公開を記念して、ケネディ暗殺事件からちょうど60年となる11月22日(水)にスペシャルトークイベントが開催されました。

画像: オリヴァー・ストーン監督『JFK/新証言 知られざる陰謀【劇場版】』-「アメリカのドキュメンタリーは“批評”。日本のドキュメンタリーは“情”を前面に押し出す作り」と原一男監督が語ったトークイベントを開催

イベントにはドキュメンタリー映画の鬼才・原一男監督と朝日新聞記者の石飛徳樹さんが登壇
し、本作の感想や見どころ、日本とアメリカのメディアやドキュメンタリー映画の違いについて語りました。

世界の歴史でも最大の「ミステリー」のひとつケネディ暗殺事件。新たに解禁された機密文書や関係者へのインタビューをもとにオリヴァー・ストーン監督が独自の視点から事件の真相を暴き出す本作をすでに「3回も観た」と明かす原監督は、本作について「情報量が圧倒的に多い。日本ではなくアメリカの物語なので情報を整理するには並みの映画鑑賞レベルだと難しいなと思います」と話し、「私の映画の先生である浦山桐郎監督に“アメリカという国の成り立ちを勉強しとけよ”って言われたことをしきりに思い出しました」と感想を語った。

ケネディ元大統領が暗殺された、1963年11月22日から60年という節目のタイミングでの公開に石飛は「感慨がある」と語り、原監督は「ケネディ大統領で始まりケネディ大統領で終わる。オリヴァー・ストーン監督がいかにケネディ大統領を尊敬と言いますか、ケネディだったら理想のアメリカ国家を作ってくれたのではないかという期待感や気持ちがひしひしと伝わってくる」と、その思いに胸が熱くなったと明かす。
またオリヴァー・ストーン監督と世代が同じ原監督は「日本が戦争に負けて、民主主義が日本に輸入され、民主主義と共に成長してきたという自覚はいつもある。映画を作る基本には日本人にとって民主主義というものがどれだけ血肉化しているのだろうという問いはベースにあるんですよね。オリヴァー・ストーン監督にとっては民主主義を(日本に)輸出した国の人なので、日本人の感覚とは違うんだろうなと思いつつも、民主主義にこだわりながら映画を作っていることが感じられる。もしオリヴァー・ストーン監督に会ったら本人に直接聞いてみたい」とオリヴァー・ストーン監督との直接対談を熱望。

画像1: 左より、朝日新聞記者の石飛徳樹さん、ドキュメンタリー映画の鬼才・原一男監督

左より、朝日新聞記者の石飛徳樹さん、ドキュメンタリー映画の鬼才・原一男監督

さらに当時のケネディ元大統領のイメージについて聞かれ、原監督は「あの時はまだ自分が若かったので、社会とか政治にあんまり興味がなくて(笑)。映画を撮るようになってから、だんだんと社会や政治に関心を深めていくようになり、やっとケネディという人が目指した理想や自由を考えるようになりましたね」と私見を語った。

画像: オリヴァー・ストーン監督 © 2021 Camelot Productions, Inc. All rights reserved.Photo: John F. Kennedy Presidential Library, National Archives

オリヴァー・ストーン監督
© 2021 Camelot Productions, Inc. All rights reserved.Photo: John F. Kennedy Presidential Library, National Archives

画像: © 2021 Camelot Productions, Inc. All rights reserved.Photo: John F. Kennedy Presidential Library, National Archives

© 2021 Camelot Productions, Inc. All rights reserved.Photo: John F. Kennedy Presidential Library, National Archives

本作でも重要になるメディアの存在について石飛は「アメリカのメディアは日本に比べたらすごくやっていると思う。日本でこういう映画がちゃんと作れるのだろうか、日本のメディアはもっと頑張らないといけないな…と(自分に跳ね返ってきますけど)思いました」と話し、原監督は「アメリカの映画やドラマって、陰謀や権力などの秘密を暴く作品がたくさん作られるじゃないですか、そういう作品を見るとアメリカっていいなって思います。悪いことをする人もたくさんいますが、悪を正す正義っていうのがちゃんと生きている国だなと。それで言うと日本という国はどうなんだろうと思いますね。あと、本作の良いところが資料映像をふんだんに使用していること。日本で政治や歴史の資料を使って映画を作りたいと思っても使用料がとても高い。自主制作で資料を使おうとしても自由に使うことができないのもアメリカと日本の違うところですね」とアメリカと日本のメディアの違いを痛感したと言う。また、「当時のことを知る関係者が次から次へと登場し、はっきりと知っていることを話すという正義感と使命感がある。日本人は権力を怖がる人が多いから、(そういう人が)あまりいない」と本作を評した。

原一男監督

新たに解禁された機密文書から事件の真相を紐解くドキュメンタリーである本作。ドキュメンタリー映画の鬼才とも言われる原監督に他の国が制作するドキュメンタリーの違いについて聞くと「文化庁の海外派遣制度で1年間NYに滞在していたとき、たくさんアメリカのドキュメンタリー映画を観たのですが、アメリカは批評という精神が一番強い。批評を前面に展開する作り。日本は情。気持ちを前面に押し出す作り。アメリカのドキュメンタリーは批評が核にあるなと思います
と力強く述べた。

最後に原監督から「映画は短縮版なので、来年春にスターチャンネルで放送される【完全版】(約60分×4話のTVシリーズ)を見てちゃんと勉強しようと思います(笑)。みなさんも二度三度見てください。また、オリヴァー・ストーン監督はアメリカ史を題材としたドキュメンタリーをいくつか作っているので、それも早く見たいですね」と語り、石飛は「映画を見てもっと知りたいと思った人はぜひドラマの【完全版】もご覧ください」と宣伝しイベントは幕を下ろした。

画像2: 左より、朝日新聞記者の石飛徳樹さん、ドキュメンタリー映画の鬼才・原一男監督

左より、朝日新聞記者の石飛徳樹さん、ドキュメンタリー映画の鬼才・原一男監督

映画『JFK/新証言 知られざる陰謀【劇場版】』 本予告

画像: 映画『JFK/新証言 知られざる陰謀【劇場版】』 本予告 2023年11月17日(金)公開【STAR CHANNEL MOVIES】 youtu.be

映画『JFK/新証言 知られざる陰謀【劇場版】』 本予告 2023年11月17日(金)公開【STAR CHANNEL MOVIES】

youtu.be

監督:オリヴァー・ストーン(『JFK』『プラトーン』『7月4日に生まれて』) 

出演:オリヴァー・ストーン ナレーション:ウーピー・ゴールドバーグ、ドナルド・サザーランド

2021年/アメリカ/118分/カラー/1.77 16x9/5.1ch/英語/字幕翻訳:加藤亜弓/原題:JFK Revisited: Through the Looking Glass 

配給:STAR CHANNEL MOVIES 

■公式X(twitter): @starchannel https://twitter.com/starchannel
 #JFK新証言

© 2021 Camelot Productions, Inc. All rights reserved.Photo: John F. Kennedy Presidential Library, National Archives

ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開中!
※TVシリーズ『JFK/新証言 知られざる陰謀【完全版】』(約60分×4話)は、来年春に「スターチャンネル」独占プレミア放送・配信予定。

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