代官山シアターギルドにて、期間限定の先行限定上映が開催され、連日満席が続いた、伊藤智生(TOHJIRO)監督の36年ぶりの劇場作『しゅら』がヨーロッパのサンダンス映画祭と言われるドイツの第30回オルデンブルク国際映画祭に正式出品作として決定いたしました。

伊藤監督の今作『しゅら』は、36 年前に初長編『ゴンドラ』でトロント国際映画祭、東京国際映画祭など世界の映画祭でも選出され、鮮烈なデビューを飾り、その後映画界から離れ、AV 業界において TOHJIRO という名で SM 作品を取り続け、その世界のレジェンドとなった監督が、満を持して発表する緊縛と女性の性について深く描いた作品。本作は彼の劇場公開作品の第2作目となります。

この度、選出されたオルデンブルク国際映画祭は、「ヨーロッパのサンダンス映画祭」とも呼ばれ、積極的にインディペンデントの革新的、実験的な作品を紹介する映画祭として定評があり、これまでにダレン・アロノフスキー、ブライアン・デ・パルマ、スティーブン・ソダーバーグ、マイケル・ポリッシュ、ジョニー・トー、パク・チャヌク、モンテ・ヘルマン、北野武などの著名な映画製作者による映画のドイツ初演を主催し、作家性の強い作品をいち早く紹介することでも知られています。
本年度もインターナショナル部門では、ミッシェル・ゴンドリーのカンヌで初披露された作品や、マリオン・コティヤール出演の新作などが並び、『しゅら』が選出されたミッドナイト・エクスプレス部門では、ポルトガルの異端の監督エドガー・ペーラ監督や、フランスのアニメータージェレミー・ペリン監督作初長編が選出されています。
オルデンブルク国際映画祭において選ばれた近年の日本作品としては、カルトなストップモーションアニメとして話題を集め世界の映画祭で受賞した『JUNK HEAD』や、東京国際映画祭でも上映された『鈴木さん』、昨年は、まだ日本未公開の黒柳勝喜監督の長編デビュー作『THE CITY』などがあり、本年度は今作『しゅら』のほか、林隆行監督の『海の夜明けから真昼まで』が、インディペンデント部門に選出されています。

今回の選出理由として「私たちは、この映画を"成人映画"だとは考えていません。私たちは、この映画をとても勇敢で芸術的なものだと考えています。」とし、映画祭ホームページでの作品紹介でも「今作は、小津安二郎の繊細なドラマやイングマール・ベルイマンの心理的な作品と同じくらい深遠で心を揺さぶるものがある--(中略)大胆な映画は、その物語に魅了され、美しさとカタルシスがさまざまなの場所で発見できるということを気づかさせる。」と評している。

第30回を記念し開催されるオルデンブルク映画祭は、9月13日より9月17日(現地日時)まで開催。

自主映画で、なおかつ成人映画としてSMの世界を描いた衝撃作が、今後世界の映画祭で、どう評価されていくのか注目が集まります。

映画祭、作品ラインナップページ

https://www.filmfest-oldenburg.de/en/program/films/

画像: 自主制作の成人映画が、芸術作品として第30回オルデンブルク国際映画祭に正式出品作に選出!伊藤智生(TOHJIRO)監督の「ゴンドラ」以来36年ぶりの劇場作『しゅら』

映画批評

「しゅら」の修羅がいま、世界に問われる

いくら異形と言われる世界であれ、実際に子ども時代が歪められてしまったと思える世界であれ、そこでないと生きられない人間もいるということが、この作品は、正面から掘り下げられている。
愛する娘の死を絵画に残そうとした芥川龍之介作『地獄変』の画家もまた、表現することの業に呑み込まれつつ、作品作りに切り込んだ。
縄師だったという『しゅら』ヒロインの父親は、どうだったのだろうか。神納花演じる姉の、父の業を受け止めてきたが故の攻撃性の凄味。塩見彩演じる妹の、いままさに業を体現していこうとする凄味。
あらわれ方の段階が違う激しさがクロスする。そのスパークが大地にいたかのような豪雨のくだり、ワンシーン、ワンカットで姉妹が子どもに戻ったかのようなプライマル・スクリームは美しくも圧巻だ。
それが母の代の、⻤女の形相を持った地獄をも、洗い流してくれるようでもあり、死への道行きではなく、生きていくことへの肯定につながっているのかもしれない。
切通耶作(映画評論家)

STORY
父の仕事は縛師、母は緊縛モデル。全国 SM ショーでドサ回り。そんな境遇の家庭で育てられた姉妹。
小さい頃に、父親から緊縛され性行為を許してきた姉の「花」。
それを、ずっと遠くから憧れの目で見てきた妹の「彩」。
2 人は、母の自殺と父との離別をきっかけに真逆の人生を歩んでいた。
父のアトリエを守り続け、緊縛を一切封印した姉とは対照的に縄にのめり込んでいった妹の彩。彼女はSM バーで知り合った悟を姉に結婚相手として紹介。
しかし、その次の日から、悟は謎の失踪をしてしまうのだった。
自己犠牲の姉と自由奔放な妹。水と油のように絶対変わることのない姉妹が縄の絆によってきつくきつく練られていく。

主演 塩見彩 / 神納花
佐川銀次、里見瑤子、堂山鉄心、澤地真人、叶芽はるき 、 池島ゆたか(特別出演)

脚本・監督/ TOHJIRO(伊藤智生)

プロデューサー/三上宗之・今大路英憲
緊縛総監督/鵺神蓮
縛師/堂山鉄心
現場プロデューサー/旭正嗣
撮影/森田福男 撮影助手/森川圭 照明/小川満 照明助手/林大樹
録音/岩淵康 メイク/山下夏樹・恵谷祐治 チーフ AD・美術/木村祐一音楽/今川慎太郎
パッケージカメラマン/石田茂章 美術補佐/川口将広・加藤瑶子
助監督/太田みぎわ・榎本秀樹・荒井佳基・河合寛之
広報/佐野克也
編集/太田みぎわ・TOHJIRO
整音/IMAGICA
制作/菊池勇樹

Presented by Ground ZERO

国内順次公開予定

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