イタリアとユーゴスラビアとの国境に位置する広大な森を舞台に、ケチな棺桶職人と、夢見る栗売りの孤独な二人の人生を幻想的に描き出した、新鋭グレゴル・ボジッチ監督の大人のための寓話『栗の森のものがたり』が 10 月 7 日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開となります。この度、メインポスタービジュアル、場面写真ならびに予告篇映像が解禁となりました。

貧困と諦め、そして美しい栗の木々だけが残された小さな村...。
家を飛び出した一人息子、戦争から戻らない夫、
あとに残され悲しみに包まれた見知らぬ二人が出逢った。

1950年代。かつては安息の地と呼ばれ、息を呑むような美しさを誇った栗の森に囲まれた、イタリアとユーロスラビアの国境地帯にある小さな村。第 二次世界大戦終結後、長引く政情不安から人々の多くは村を離れ、または戻ってくるはずもない家族や隣人をただ待ち続ける。

新たに解禁となったポスタービジュアルは、(上から)忘れ去られた大地で独り戦争から戻ってこない夫を待つマルタ、美しい栗の森、妻を亡くし戻らぬ一人息子を待ち続ける老大工のマリオの過去をあしらった、映画の静謐な情感を表した一枚。

画像1: © NOSOROGI - TRANSMEDIA PRODUCTION - RTV SLOVENIJA - DFFB 2019

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フェルメールやレンブラントに影響を受け、チェーホフの短編に
インスピレーションを受け描かれた、絵本のような世界。

監督・脚本・編集を手掛けたのは、本作が長編デビューとなるスロヴェニア出身の新鋭グレゴル・ボジッチ。2019年のトロント国際映画祭でプレミア上映されるや大喝采を浴び、スロヴェニア国際映画祭では最優秀作品賞、監督賞、男優賞、撮影賞、観客賞など11部門を独占。2020年に開催されたなら国際映画祭では、コンペ作品の中で「最も美しい」と評され審査員特別賞に輝いた。(受賞、ノミネートの詳細は末尾を参照)
フェルメールやレンブラントといったオランダの印象派の画家に影響を受けたというボジッチは、35mmとスーパー16mmフィルムを駆使し絵画のような風景を切り取る。使い古しの洗面器にピッチャーや果物、箒や靴、洗濯カゴや紙くずまで何もかもが優しい光に照らされ、ゆっくりと時が流れる森の日常を、陰影深く描き出した独特の映像美。何気ない日常生活のワンシーンさえも最初から最後まで美しい。

画像2: © NOSOROGI - TRANSMEDIA PRODUCTION - RTV SLOVENIJA - DFFB 2019

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画像3: © NOSOROGI - TRANSMEDIA PRODUCTION - RTV SLOVENIJA - DFFB 2019

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画像4: © NOSOROGI - TRANSMEDIA PRODUCTION - RTV SLOVENIJA - DFFB 2019

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賭け事が大好きで、病弱な妻にも辛らつな言葉を浴びせる老大工マリオ役に、イタリアの名優マッシモ・デ・フランコヴィッチ。70以上の作品に出演し、多数の賞を獲得。現代映画界を代表するメソッド・アクターとしてその名を馳せている。お金を貯めて「栗の森」を離れようと気を揉む最後の栗拾いマルタ役には、クロアチアで活躍するイヴァナ・ロシュチッチ。「最もセクシーなクロアチア女 性スター」にランクインする魅力的な人気俳優でもある。人生を重ね深みある顔に、神々しささえ感じられるマリオの妻ドーラ役に、 イタリアの名女優として200以上の演劇や映画に出演する演技派、ジウジ・メルリが扮した。音楽は、アイスランドのヘクラ・マグヌスドッティル。幽玄なテルミンの音色で彼らの喜びや悲しみ、喪失感の無常さを詩的に表現した。また、馬車に乗る若い女性二人が シルヴィー・バルタンの名曲「アイドルを探せ」を唄い、踊るシーンはあまりに愛おしく観客の心にいつまでも残るだろう。
ロシアの文豪アントン・チェーホフの短編小説にインスピレーションを受け、人生の機微を甘くほろ苦く描いた本作。生と死の境界線は曖昧で、森の中で遭遇するものは現実なのか妄想なのか...。すべてのカットに美が宿る映像美で魅せる、すでに古典の趣さえ漂う成熟した珠玉作。この秋、スロヴェニアから届いたメランコリックな大人の寓話が、深い余韻を約束する。

画像5: © NOSOROGI - TRANSMEDIA PRODUCTION - RTV SLOVENIJA - DFFB 2019

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スロヴェニア国際映画祭2019 最優秀作品賞・監督賞・男優賞・撮影賞・観客賞・作曲賞・メイクアップ賞・音響賞・編集賞・デザイン賞・衣装賞受賞
なら国際映画祭2020 審査員特別賞受賞
スプリット国際映画祭2020 スペシャル・メンション受賞
シネ・イースト国際映画祭2020 批評家賞受賞
タリンブラックナイト国際映画祭2019 長編作品賞受賞
トロント国際映画祭2020 ディスカバリー・アワード作品賞ノミネート/なら国際映画祭2020 作品賞ノミネート/スプリット国際映画祭2020 作品賞ノミネート/上海国際映画祭2020 観客賞ノミネート/ゲント国際映画祭2020 最優秀作品賞ノミネート/グラスゴー国際映 画祭2020 観客賞ノミネート/エルサレム国際映画祭2020 最優秀初監督作品賞ノミネート/ポーランド・ニューホライゾン国際映画祭2020 グランプリノミネート/インド国際映画祭2019 作品賞ノミネート/サンパウロ国際映画祭2019 作品賞ノミネート/K3国際映画祭2019 長編作品賞ノミネート

解禁となった予告篇映像では、「夢か現かお伽噺みたいな話しさ」とナレーションにある通りの幻想的な映像・音楽の数々に、静かな哀しみと過ぎし日のあたたかい想い出が映し出された非常に美しい一篇。 beti jurković の歌うpaganini twist(オリジナルはソフィア・ローレン主 演映画『真夜中へ五哩』の劇中曲)が印象的だ。忘れ去られた栗の森で出逢ったマルタとマリオ。二人の行く末はいかに―――。

『栗の森のものがたり』予告編

画像: 『栗の森のものがたり』予告編 .(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開₊ ˒˒. . . ⠜₊ ⠜ . . youtu.be

『栗の森のものがたり』予告編 .(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開₊ ˒˒. . . ⠜₊ ⠜ . .

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監督:グレゴル・ボジッチ

脚本:グレゴル・ボジッチ、マリーナ・グムジ 撮影:フェラン・パラデス 編集:グレゴル・ボジッチ、ベンジャミン・ミルゲ、ジュゼッペ・レオネッ ティ 音楽:ヘクラ・マグヌスドッティル、ヤン・ヴィソツキー
出演:マッシモ・デ・フランコヴィッチ、イヴァナ・ロスチ、ジュジ・メルリ、トミ・ヤネジッチ
原題:Zgodbe iz kostanjevih gozdov 英題:Stories from the Chestnut Woods
日本語字幕:佐藤まな 字幕協力:なら国際映画祭
提供:クレプスキュール フィルム、シネマ サクセション
配給:クレプスキュール フィルム

[2019年/スロヴェニア・イタリア/イタリア語・スロヴェニア語/カラー/82分/ビスタ]

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2023 年 10 月 7 日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

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