この度、アカデミー賞ノミネート(脚本賞)監督、北欧の新たなる鬼才エスキル・フォクトの最新作にして、世界の映画賞を総なめにしたサイキック・スリラー『イノセンツ』を7月28日(金)新宿ピカデリーほかにて全国公開致します!
2021年第74回カンヌ国際映画祭ある視点部門正式出品、2022年ノルウェーのアカデミー賞アマンダ賞で、監督・撮影・音響・編集の4部門受賞。世界の映画祭で16映画賞を受賞し、アメリカの批評家サイトRottenTomatoesでは満足度96%を獲得。ジャンル映画ながらそのクオリティの高さを、世界が認め絶賛した北欧サイキック・スリラー『イノセンツ』。舞台はノルウェー郊外の住宅団地。夏休みに友達になった4人の子供たちは、親たちの目の届かないところで隠れた力に目覚める。近所の庭や遊び場で、新しい力を試す中で、無邪気な遊びが影を落とし、奇妙なことが起こりはじめるのだった。近年、『ミッドサマー』『ハッチングー孵化ー』『LAMB/ラム』など北欧スリラーは映画界の最先端に君臨し、映画ファンの心を掴んで離さないが、本作もまたその唯一無二の美しくも不気味な世界の虜になる観客続出必至である。監督を務めたのは、『わたしは最悪。』でアカデミー賞脚本賞にノミネートされたエスキル・フォクト。ヨアキム・トリアー監督の右腕として、『母の残像』『テルマ』『わたしは最悪。』の共同脚本を共に手がけてきた。本作はフォクト監督の長編二作目で、日本劇場初公開の監督作品となる。団地を舞台に子どもがサイキック・バトルを繰り広げると言えば、大友克洋の「童夢」を想起する人も多いはずだが、まさにフォクト監督は「童夢」からインスピレーションを受けて本作を創り上げた。
この度、テラシマユウカさん(GANG PARADE)、森直人さん(映画評論家)をゲストにお招きしたトークショーを実施!本作の魅力について、たっぷり語っていただきました。
■日時:7/10(金) 21:00〜21:30 ※上映後実施
■登壇:テラシマユウカさん(GANG PARADE)、森直人さん(映画評論家)
■会場:ユーロライブ(渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F)
ジャパンプレミアのトークゲストとして登壇したテラシマユウカは「めちゃくちゃ食らいました!やばいです」と興奮さめやらぬ様子。「劇場で見ると音が素晴らしくて、耳から心まで震える感覚でした。」と心境を述べた。映画評論家の森も「これは本当に傑作と言えますね」と太鼓判を押す。
近年『ミッドサマー』や『ラム/LAMB』、『ハッチング-孵化-』など、数々の北欧のホラーが話題になっているが、それらの名作に続く新たな傑作として注目を集める、ノルウェー生まれのサイキック・スリラーである本作。
これまでの北欧スリラーと『イノセンツ』の違いについて、テラシマは「北欧スリラーは昼間の明るい時間帯が舞台になっているイメージだったんですが、『イノセンツ』は珍しく夜が怖かった。昼に積み重なったものが夜に一気に溢れ出る、そんな怖さがありました。」と振り返った。
続いて話題は、物語の中心となる子供たちについて。4人の子供たちが超能力バトルを繰り広げていく本作。主人公のイーダと姉のアナ、不思議な能力を操るベンと、アナと心を通わせるアイシャの4人の子供たち、それぞれのキャラクターにも注目だ。
推しのキャラクターを聞かれると、テラシマは「私はベンをすごく見ちゃいました。子供の“無垢ゆえの怖さ”がいちばん表れている。」と話し、森も「4人の中で唯一の男の子で、“イノセント(無垢)”ゆえの残虐性が最も出ているキャラクターですよね。」と共感の様子。
続けてテラシマは「大人の目線で映画を見てみると、大人の“怖い”と子供の“怖い”って全然感覚が違うんだなってことに気がつきました。子供の未知なものに対する好奇心は恐怖につながらない。大人に“怖いもの”と教えられる前の感覚ですよね。」と語り、森も「善悪やモラルを擦り込まれる前、良いことと悪いことの判断がつく前の原理的な行動を“イノセンツ”と言っているのがすごい。」と続く。
一方で、テラシマは女の子たちの行動に共感を覚えたそう。「自分が子供の頃にやっていたような行動を彼女たちもしていて、まるで子供の頃の感覚が蘇ってきたよう。スリラー なのに童心に帰れる、自分も超能力を持っていると思っている時期がありました!」と笑いながらコメントをした。
さらに、そんな子供たち4人が中心となって繰り広げられる『イノセンツ』の物語について、テラシマは「超能力系のスリラーは、背景に親の抑圧が描かれることが多い印象ですが、『イノセンツ』では、大人が知らないうちに起きている事が描かれていて、それが珍しいと思いました。子供が子供のまま描かれている感じが凄かったです!」と語った。
大友克洋さんの「童夢」にインスピレーションを受けて作成された本作だが、テラシマ、森の手元にはそれぞれ私物の漫画「童夢」が。テラシマは『イノセンツ』を見てから「童夢」を読んだそう。驚きの表情で「答え合わせをしている感覚になった!」と話し、森も「大友先生やデヴィット・リンチでさえも映画化が叶わなかった作品が、まさかこういう形で実現するとは」と興奮の様子で続いた。
そして最後に会場のお客さんへ向けて、テラシマは「今日映画を見て、食らっている方も多いと思うんですが、いろんな人に見てもらいたい作品なのでぜひ、広めていただけたら嬉しいです!」と笑顔で語り、大きな拍手に包まれながらトークイベントは終了した。
【ストーリー】
ノルウェー郊外の住宅団地。夏休みに友達になった 4 人の子供たちは、親たちの目の届かないところで隠れた力に目覚める。近所の庭や遊び場で、新しい”力”を試す中で、無邪気な遊びが影を落とし、奇妙なことが起こりはじめるのだった。
監督・脚本:エスキル・フォクト
撮影監督:シュトゥルラ・ブラント・グロヴレン
音楽:ペッシ・レヴァント
出演:ラーケル・レノーラ・フレットゥム、アルヴァ・ブリンスモ・ラームスタ、ミナ・ヤスミン・ブレムセット・アシェイム、サム・アシュラフ、エレン・ドリト・ピーターセン、モーテン・シュバラ
2021年/ノルウェー、デンマーク、フィンランド、スウェーデン/ノルウェー語/117分
/シネマスコープ/カラー/5.1ch/原題:De uskyldige/英題:THE INNOCENTS/日本語字幕:中沢志乃
提供:松竹、ロングライド
配給:ロングライド
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