現在ヒューマントラストシネマ渋谷にて開催中で好評を博している、ベルギー出身の女性監督シャンタル・アケルマンの特集上映【シャンタル・アケルマン映画祭 2023】。本映画祭に続き、5/6(土)〜5/14(日)、5/20(土)、5/21(日)、東京日仏学院エスパス・イマージュにて【シャンタル・アケルマンをめぐって】と題して特別上映が開催されます。
ベルギー出身、フランスを中心に活躍した女性監督シャンタル・アケルマン。平凡な主婦の日常を描 き、映画界に革命を起こした 3 時間を超える大作『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル 1080、コ メルス河畔通り 23 番地』は昨年、英国映画協会が 10 年ぶりに更新した「史上最高の映画 100」にて 1 位に選ばれるなど、今もなお世界に衝撃を与え続けています。
この度東京日仏学院で開催される特集上映【シャンタル・アケルマンをめぐって】では、そんな『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル 1080、コメルス河畔通り 23 番地』を上映期間中毎日上映!また、その舞台裏を追ったドキュメンタリー『ジャンヌ・ディエルマンをめぐって』、ニューヨークに住むユダヤ系の人々の姿を描く『アメリカン・ストーリーズ/食事・家族・哲学』、アケルマン監督自身が母の生活の日常をとらえた遺作『ノ ー・ホーム・ムーヴィー』を限定上映。
シャンタル・アケルマン監督の真髄に迫る珠玉の 4 作品をお楽しみ頂ける機会になります。
【シャンタル・アケルマンをめぐって】予告編
トークイベント開催!
5/7(日)10:30『ジャンヌ・ディエルマン』上映後
登壇者:竹中万季さん(me and you/編集者)野村由芽さん(me and you/編集者)
上映作品
『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル 1080、コメルス河畔通り 23 番地』
Jeanne Dielman, 23, quai du Commerce, 1080 Bruxelles
1975年 / ベルギー /カラー / 200分
思春期の息子と共にブリュッセルのアパートで暮らしているジャンヌ・ディエルマン。湯を沸かし、ジャガイモの皮を剥き、買い物に出かけ、“平凡な”暮らしを続けているジャンヌだったが......。アパートの部屋に定点観測のごとく設置されたカメラによって映し出される反復する日常。本作は 2022 年、英国映画協会が 10 年ぶりに更新した「史上最高の映画 100」にて 1 位に選ばれた。
『ジャンヌ・ディエルマンをめぐって』
Autour de Jeanne Dielman
監督・撮影:サミー・フレイ
1975年 / フランス /モノクロ/78分
『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル 1080、コメルス河畔通り 23 番地』の現場を主演のデルフィーヌ・セイリグの恋人であったサミー・フレイが撮影、アケルマン自身が編集したドキュメンタリー。仕草や場面の意味を何度も問いかける 大女優、セイリグとそれに応えるアケルマン、何度も重ねられる二人の会話やスタッフの女性たちとのやりとりは必見!傑作が創られるまでの興味深い過程と情熱に加え、自身もカメラを取って活動していたフェミニスト、セイリグの生き方や志も強く焼きついている。
『アメリカン・ストーリーズ/食事・家族・哲学』
Histoires d’amérique:Food,Family and Philosophy
1989年 / ベルギー・フランス / カラー / 91分
霧の中のニューヨーク湾から始まり、夜の摩天楼が映し出される。次々にフレーム内に現れては自
分のエピソードを語り、去っていく老若男女。彼らは皆ヨーロッパからやってきたユダヤ系の人々だ。記憶を手繰りながら時にユーモラスに、辛辣に語られていく彼らの幸福や悲しみ、それぞれの<アメリカン・ストーリー>。語り手たちは、実際にニューヨークに住むユダヤ人俳優によって演じられた。
『ノー・ホーム・ムーヴィー』
No Home Movie
2015 年 / ベルギー・フランス / カラー / 112 分
ポーランド系ユダヤ人であるアケルマンの母親の日常をアケルマン自身が撮影、ブリュッセルのキ ッチンで、時にはテレビ電話越しの会話で語られるのはささやかな日々の出来事や家族の思い出、そしてアウシュヴィッツ収容所で過ごした母の記憶。母は編集作業中に亡くなり、アケルマンも本作が完成した後にこの世を去っ た。深い痛みと愛情に満ちたドキュメンタリー。
主催:マーメイドフィルム
配給: マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム
宣伝 : VALERIA