『百円の恋』『アンダードッグ』(脚本)、『喜劇愛妻物語』(脚本·監督)や、2023年度後期のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」(脚本)など、脚本家として、小説家として、そして映画監督として、人間のみっともない部分を愛情込めて描き続ける足立紳が、20年がかりで念願の企画を実現させた映画『雑魚どもよ、大志を抱け!』が、いよいよ3月24日より、新宿武蔵野館他にて全国順次公開を迎えます。
関西ジャニーズJr.内のグループ「Boys be」で活躍する池川侑希弥を映画初主演に迎えた本作。主人公は7人の小学生男子たち。
地方の町を舞台に、グループのナンバー2的なポジションだが、実は小心で臆病者な高崎瞬。ケンカが強くて人情に厚いリーダー格の村瀬隆造。気弱な性格の愛称・トカゲこと、戸梶元太。母親と姉の3人暮らしで東大進学を目指す星正太郎。大の映画好きで、スピルバーグに憧れて映画監督を夢見る西野聡。隆造を一方的にライバル視しているイジメっ子の玉島明。転校生で、日和見主義な小林幸介など、それぞれが昭和末期の“今”を過ごす個性豊かな7人の成長物語は、観る者の心に懐かしさと温かさの余韻をもたらします。
【日程】:3月8日(水)17:30~18:00(約30分)※上映後舞台挨拶
【会場】:丸の内TOEI(東京都中央区銀座3-2-17)
【登壇】:池川侑希弥(Boys be/関西ジャニーズJr.)/田代輝/白石葵一
/岩田奏/ 蒼井旬/ 坂元愛登/足立紳監督 ※敬称略
この度、公開に先立ちまして、3月8日(水)、東京・丸の内TOEIにて先行上映会となる東京プレミアが開催された。この日、登壇したのは、映画初主演を果たした池川侑希弥(Boys be/関西ジャニーズJr.)の他、田代輝、白石葵一、岩田奏、蒼井旬、坂元愛登ら計6人の少年たちと、足立紳監督。
少年たち6人で、上映後の舞台挨拶が行われたのは初となり、現在の心境を聞かれた池川は、「いい意味でみんな変わっていなくて嬉しい。身長が伸びたりとか変化はあるけれど、今日はみんなと一緒に舞台に立てて嬉しい」と喜びを噛みしめた。瞬の親友・隆造役の田代は「今日は僕ら子供たちで一緒に舞台に立てて嬉しい。そしてお客さんに沢山来ていただいて感謝しかないです」と満面の笑み。足立監督は彼らの成長ぶりに触れて「撮影からしばらくして身長も伸びて…。田代君に身長を追い抜かれてショックです!」と目を細めると、田代は「撮影時より10センチはいかないけれど結構伸びた」、池川は「僕は撮影時160センチで今が166センチなので、6センチは伸びました」と成長を報告した。
また、池川は撮影を振り返り「今の時代と映画の舞台である昭和の時代は違う雰囲気だと思った。家の中も今は洋が多いけれど、和という感じだった。置物とか今の時代にはないようなものもあって、今とは違うところが沢山あると思った」と時代の変化を実感。映画監督を夢見る西野役の岩田は「凄い量の台本で圧倒されました。でも覚え始めたらスッと頭の中に入ってきた」と回想し、トカゲこと戸梶元太役の白石は「今の時代と違って子供たちがとても自由で、それを演じることが出来たのが嬉しかった。トカゲ同様に僕も肌が弱いので、その点では撮影に貢献できたかな?」と笑わせた。
ツッパリ中学生の舎弟・明役の蒼井は「僕も明のようにいつも4人くらいのグループで行動しているので、そこは今も昔も変わらないと思った。でも僕は悪さなんてしません!そこは役柄とは違います!」と苦笑い。
役柄について池川は「高崎瞬とは友達関係が僕と似ているし、全員を引っ張ることが出来ないところも似ている。僕も人から指示をされることがあるので、絶妙な立ち位置が似ていると思った」と共感。田代は「僕は学級委員をやっていてクラスのみんなをまとめたりしているので、その点は隆造と似ている」と優等生な素顔チラリ。武闘派きどりの転校生・小林役の坂元は「小林はサングラスをかけてモデルガンを持っているという他人から見たら面白いキャラクター。人を笑わすという意味では僕も似ているのかな?」と役柄との類似点を明かすと、池川は「(坂元は)僕らのことを笑わせてくれたりして、さっきも舞台袖で変顔とかして場を和ませる一面があります」とその人柄を絶賛していた。
撮影は岐阜県飛騨市で合宿のような形で実施されたという。池川は「クランクアップの日に全員お土産をもらって、その中に升が入っていました。足立監督から『将来これで一緒にお酒を飲もう!』と言ってもらえたのが嬉しかった」と振り返り「その升には映画のタイトルが書かれていて、凄いデザインです。その升は家に飾っていて、これからも大事にしていきたいです」としみじみ。坂元が「オオサンショウウオのマグネットもいただいたよね?」と言うと、池川は「家の冷蔵庫に貼っています!」と嬉しそうに報告した。
合宿の最中には思い出深いハプニングも。田代は「お風呂にシャンプーがないとう話になってスタッフさんに買ってきてもらいました。ただ話を聞き間違えたようでそれはボディソープだった。僕らはしばらくそれに気づかず、ボディソープで髪の毛を洗っていました」と思い出し笑い。坂元が「ヘアメイクさんに『みんな髪の毛キッシキシだね』と言われて…」と髪の毛の状況を説明すると、池川は「ボディソープが凄く泡立つので気づかなかった」と笑い、足立監督も「ちなみにシャンプーで体を洗っているスタッフもいましたよ」とまさかの秘話を暴露し、子供たちを爆笑させていた。最後に足立監督は「7人の少年たちが一人でも多くの人たちに知られていく映画になってほしい」と原石たちのブレイクを願い、主演の池川は「僕にとって初めての映画主演作です。これから先色々な映画に出たとしても、この映画が初めての映画であることに変わりはありません。僕自身大事にしていきたい作品なので、皆さんにも何度も観ていただきたいです」と3月24日(金)からの劇場公開に期待をかけていた。
『雑魚どもよ、大志を抱け!』予告篇
【物語】
地方の町に暮らす平凡な小学生・瞬(池川侑希弥)。心配のタネは乳がんを患っている母の病状……ではなく、中学受験のためにムリヤリ学習塾に入れられそうなこと。望んでいるのは、仲間たちととにかく楽しく遊んでいたいだけなのに。瞬の親友たちは、犯罪歴のある父(永瀬正敏)を持つ隆造(田代輝)や、いじめを受けながらも映画監督になる夢を持つ西野(岩田奏)など、様々なバックボーンを抱えて苦悩しつつも懸命に明日を夢見る少年たち。それぞれの家庭環境や大人の都合、学校でのいじめや不良中学生からの呼び出しなど、抱えきれない問題が山積みだ。ある日、瞬は、いじめを見て見ぬ振りしてしまう。卑怯で弱虫な正体がバレて友人たちとの関係はぎくしゃくし、母親の乳がんも再発、まるで罰が当たったかのような苦しい日々が始まる。大切な仲間と己の誇りを獲得するために、瞬は初めて死に物狂いになるのだった。
出演:
池川侑希弥(Boys be/関西ジャニーズJr.) 田代輝 白石葵一 松藤史恩 岩田奏 蒼井旬 坂元愛登
臼田あさ美 浜野謙太 新津ちせ 河井青葉 /永瀬正敏
原作:足立紳『弱虫日記』(講談社文庫)
監督:足立紳(『喜劇愛妻物語』『14の夜』)
脚本:松本稔/足立紳(『百円の恋』『アンダードッグ』)
音楽:海田庄吾(『百円の恋』『喜劇愛妻物語』)
主題歌:インナージャーニー「少年」(鶴見river records)
製作幹事:東映ビデオ
制作プロダクション:the ROOM
制作協力:岐阜県飛騨市
配給:東映ビデオ
(C)2022「雑魚どもよ、大志を抱け!」製作委員会