2013 年 10 月、高齢者売春クラブが警視庁に摘発された。クラブの会員数男性 1000 名、女性 350 名、最高齢は 88 歳。まさに超高齢化社会の日本が抱える、老人の孤独死、介護問題、おひとりさ ま問題などの不安が反映された事件―――この事件をもとに、『ソワレ』の外山文治監督がオリ ジナル脚本を手がけた社会派群像劇『茶飲友達』。

画像1: ©2022 茶飲友達フィルムパートナーズ

©2022 茶飲友達フィルムパートナーズ

2月4日(土)から渋谷ユーロスペースにて公開され、初日初回から連続5回満席の大ヒットス タートを切った本作。1日3回の上映ながら、土日2日間の成績は動員 715 人、興収 110 万円の 好成績。客層は幅広く、男女比は 6:4。パンフレットの売れ行きも好調で、YAHOO!映画や Filmarks などの映画サイトでの評価も高いことから SNS での口コミも徐々に増えてきておりま す。

同作は、『カメラを止めるな!』を製作したENBUゼミナールのシネマプロジェクト第10弾で、『ソワレ』の外山文治監督が、2013年に起きた高齢者売春クラブ摘発のニュースから着想を得て、超高齢化社会の現代日本が抱える閉塞感や寂しさなど様々な社会問題を描いたオリジナル映画。主演の岡本玲をはじめ、本作のワークショップオーディションには応募総数677名の中から選ばれた33名のキャストが参加(その年齢差57歳!)。
撮影前に行われたクラウドファンディングでは、制作応援サポーター767人、目標額をはるかに超える800万円超が集まるなど、すでにインディーズ映画ファンの間では注目を集めていました。

 2月4日の初日・2日目のロケットスタートを皮切りに、平日もシニア層を中心に動員数は落ちず、公開2週目の週末(2月11日、12日)も連日満席となるなど、更なる広がりが期待されます。渋谷ユーロスペース1館のみの公開から始まり、2月14日現在25館まで公開劇場が決定。
今後は横浜、名古屋、大阪、福岡など全国で順次公開となります。

画像2: ©2022 茶飲友達フィルムパートナーズ

©2022 茶飲友達フィルムパートナーズ

 まさにカメ止めブームの“シニア版”というべき今回のムーブメントを受けて、ユーロスペース・北條誠人支配人のコメントも到着しました。「どこでこの作品の情報を得たんだろうという驚きと劇場に戻ってこないと言われた層がちゃんと動いているという驚き。私たちが頭で理解していることを映画はものの見事に裏切っていきます」と驚きを隠せない様子です。

ユーロスペース・北條誠人支配人コメント全文

コロナ禍がシネコン、ミニシアター問わずに残したものは、シニア層の観客が劇場にもどってこなくなったことです。
その影響を受け、東京で最も古い歴史をもつ岩波ホールが昨年 7 月に閉館しました。
映画連盟が発表した 2022 年の興行収入は前年比 131.6%までとりもどし、史上最高の興行収入
を得た 2019年の 89%まで取り戻しました。
それはアニメ作品のいままでにない大ヒットが支えた数字で、ミニシアターにはその余波の影響はありません。
『茶飲友達』が描くのは高齢者のセックス産業です。
ですから、正直、どれだけシニア層が『茶飲友達』を観に来てくださるのだろうかと心配はしていました。コロナ禍の出控えと高齢者のセックス産業の可視化。
実際に初日を迎えて、ワークショップに参加された役者さんたちが引っ張ってきたお客さん以上に、予想を超えるシニア層がいらして驚きました。男性のひとり客と女性のふたり連れが圧倒的に占めています。
渋谷という街が若者の街ということもあり、またユーロスペースの劇場カラーが若いお客さんに支えられているミニシアターとしては珍しいスタンスのゆえ、正直一番予想できない層が初日から二日目の毎回満席にして平日月曜日の初回も満席近くになってびっくりしました。
どこでこの作品の情報を得たんだろうという驚きと劇場に戻ってこないと言われた層がちゃんと動いているという驚き。
私たちが頭で理解していることを映画はものの見事に裏切っていきます。
自分たちの好奇心に応えてくれる映画にはきちんと足を運んでくれる姿をみて、コロナと共に生きていくことになるこれからのビジネスについて、考えを新たにした次第です。
自分たちの好奇心から社会の関心へ『茶飲友達』が動き出したようです。
北條誠人(ユーロスペース支配人)

映画『茶飲友達』予告

画像: 映画『茶飲友達』予告 youtu.be

映画『茶飲友達』予告

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【あらすじ】
佐々木マナ(29)をリーダーとする若者たちは、時代を先読みした高齢者専門のコールガール「茶飲友達(ティ ー・フレンド)」を設立。 新聞の三行広告に「茶飲友達、募集。」と掲載し、集まってきた男達のもとへ高齢女 性を派遣し利益を得ていた。 マナは「世の中の保健室を作りたい。誰でも逃げ込める場所を」という思いか ら、一人でも多くの孤独な老人を救いたいと理想を掲げて、シニア世代の影の部分のセーフティネットの役割を担うようになっていく。
「ティー・フレンド」には多くの働き手、通称「ティー・ガール」が在籍している。 介護生活に疲れた女性、 ギャンブルに依存する女性、いつまでもチヤホヤされたい女性、最期を楽しんで終わりたいと願う女性......。 そんな海千山千のティー・ガールたちとの時間を様々な事情を抱えた男性顧客が買っていく。 一方、「茶飲友達」を運営する若者達もまた、出口の見えない社会のなかで閉塞感を抱えて生きていた。親との 絆を信じられない女性、両親の事業失敗をきっかけに挑戦することに臆病な男性、妊娠しても子供が産めない環 境に苦しむ女性。 そんなままならぬ若者や高齢者を、マナは一つに束ねて「ファミリー」と呼んで大事にして いく。
ある日、一本の電話が鳴る。 それは高齢者施設に住む老人から「茶飲友達が欲しい」という救いを求める連絡であった―――。

監督・脚本:外山文治(「ソワレ」「燦燦」「海辺の途中」「春なれや」「わさび」「此の岸のこと」)

キャスト
岡本玲
磯⻄真喜 瀧マキ 岬ミレホ ⻑島悠子 百元夏繪 クイン加藤 海江田眞弓 楠部知子 海沼未羽 中山求一郎 アサヌマ理紗 鈴木武 佐野弘樹 光永聖 中村莉久 牧亮佑 渡辺哲

製作:ENBU ゼミナール
2022 年/シネマスコープ/5.1ch/135 分
©2022 茶飲友達フィルムパートナーズ

2023 年 2 月 4 日(土)渋谷ユーロスペースほか全国順次公開

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