映像は越境し、革命は実況され、演劇は事件となる!
演劇から映像へーー。
フランスとオランダから現代演劇の最前線を行く先鋭的劇団の傑作を特別上映。
”早送り”できない映像体験、超スペクタルに浸る5日間!

画像: 映像は越境し、革命は実況され、演劇は事件となる! 演劇から映像へーー。 フランスとオランダから現代演劇の最前線を行く先鋭的劇団の傑作を特別上映。 ”早送り”できない映像体験、超スペクタルに浸る5日間!

フランス・パリ郊外のカルトゥーシュリ(弾薬庫跡)を拠点に独自の演劇活動を続けてきたテアトル・デュ・ソレイユ(太陽劇団)。カリスマ演出家アリアーヌ・ムヌーシュキンを中心に様々な国籍・民族のメンバーが集団創作を行い、演劇の可能性を広げる挑戦的な舞台は多くの観客を魅了してきた。
西洋古典劇の新たな解釈、東洋の芸能様式の探求、社会問題への深い関心を表現しながらも、劇団員が総出で観客をもてなすようなサービス精神も併せ持ち、まさに演劇のユートピアを体現するような唯一無二の劇団である。
一方のオランダのインターナショナル・シアター・アムステルダム(ITA)は、芸術監督イヴォ・ヴァン・ホーヴェのもと古典劇の大胆な解釈から名作映画の舞台化まで、実験的な演劇表現で注目を集めてきた。実演に映像を絡めるイヴォのハイブリッドなスタイルは他の追随を許さず、世界中の劇場から演出オファーが殺到している。
二つの劇団のスペクタクルは、仕掛けと企みに満ちた演出、俳優たちの圧倒的演技、加えて音楽、美術、照明などあらゆる舞台表現が駆使され、ライブはもちろん映像で見ても見応え十分。観客の心を鷲掴みするような、まさに “早送り”できない映像体験。 時間を忘れて没入できる劇的世界がスクリーン上で繰り広げられる!

太陽劇団からは二作品をセレクト。
愛と革命、芝居に生きた男の一大ロマン『モリエール』は、人間への深い洞察を喜劇へと昇華させた 17 世紀フランスが生んだ偉大なる劇作家モリエールの波乱に満ちた劇的人生を、大掛かりなロケ撮影を交えて描いた、ムヌーシュキン監督の長編大作。
もう一作は難民問題に果敢に切り込む迫真の舞台劇『最後のキャラバンサライ(オデュッセイア)』。ムヌーシュキンと劇団メンバーが綿密なリサーチを重ねて、アフガニスタンをはじめ東欧、中東の難民たちの証言をもとに、激動の現代史を描いた長編舞台を新たに映像として撮影した作品を紹介する。

ITA からは、上演そのものが奇跡と言われる極めつけの作品をセレクト。
現代人を撃つシェイクスピア/血の抗争『ローマ悲劇』はシェイクスピアの三大ローマ劇が描く裏切りと扇動のドラマを現代に置き換えたもの。何と観客もそれらの抗争劇を間近で目撃するという体感型の舞台で、場内では撮影 OK、SNS 発信も飲食も自由という、演劇のテーマパークとして話題となった作品。今回が本邦初公開となる。

世界の演劇史に刻まれる二大劇団の作品に、スクリーンを通して触れられるまさに貴重な体験。
斬新なカメラワーク、多彩なアングル、絶妙なカット割り...。ライブとは違ったアプローチで舞台に出会う『WORLD BEST PLAY VIEWING ワールド・ベスト・プレイ・ビューイング』。演劇好きも映画好きも興奮すること必至の上映会に、どうぞご期待下さい。

■テアトル・デュ・ソレイユ(太陽劇団)

愛と革命、芝居に生きた男の一大ロマン!
『モリエール』
(1978 年フランス・イタリア合作映画/2022 年 4K デジタルリマスター版)
MOLIÈRE ou la vie d'un honnête homme/ LE FILM EN VERSION RESTAURÉE
※フランス語上映・日本語字幕付き

画像: © Michèle Laurent

© Michèle Laurent

フランスが生んだ偉大な劇作家モリエール。太陽劇団主宰のムヌーシュキンが独自の解釈を織り交ぜて初監督した長編大作。
激動の 17 世紀を自らの芸術のために戦い抜いたモリエールの劇的人生を雄大なロケを交えて描き、全世界で公開された。日本では 1983 年に岩波ホールで公開され、ムヌーシュキンも来日した。
1978 年度セザール賞最優秀撮影賞・最優秀美術賞受賞。
プロデューサーにクロード・ルルーシュ監督が名を連ねている。

監督・脚本:アリアーヌ・ムヌーシュキン
出演:フィリップ・コーベール、ジョゼフィーヌ・ドレンヌ、ブリジット・カティヨンほか
上映時間:4 時間 25 分(休憩あり)
配給/映像提供:© Théâtre du Soleil / Bel Air Media

難民問題に果敢に切り込む迫真の舞台劇!
『最後のキャラバンサライ(オデュッセイア)』
(2006 年) LE DERNIER CARAVANSÉRAIL(Odyssées)
※フランス語上映・日本語字幕付き

画像: ©Michèle Laurent

©Michèle Laurent

ムヌーシュキンはじめ太陽劇団メンバーが綿密なリサーチのもと、難民の過酷 な現実を描く劇世界を創造。
第1部はアフガニスタンなど紛争地からの旅立ち、第2部は難民たちがそれぞれに背負う運命を描き、全編を通して離国や亡国を巡る愛と哀しみのオデュッセイア(長編叙事詩)となる。
布を使った海の表現など演劇的な仕掛けを駆使した迫真のスペクタクル。
映像ならではの視点も交え、舞台表現の粋を尽くす太陽劇団の真価を示した必見作。

監督:アリアーヌ・ムヌーシュキン
作・出演:テアトル・デュ・ソレイユ(太陽劇団)
上映時間:4 時間 50 分(休憩あり)
配給/映像提供:© ARTE France / Théâtre du Soleil / Bel Air Media - France 2006

アリアーヌ・ムヌーシュキン Ariane Mnouchkine
太陽劇団主宰・演出家・映画監督。1939 年パリ生まれ。59 年ソル ボンヌ大学在学中に演劇集団 A.T.E.P.(パリ学生演劇協会)を結成。64 年に A.T.E.P.のメンバーを中心に太陽劇団を設立。以後半世紀以上に渡り、現代演劇の第一線で演出家として活躍している。80 年代からのシェイクスピア作品、90 年代からのギリシャ悲劇の独自の解釈による連続公演で話題を集め、さらにアジア演劇の身体的技法を取り入れた表現でも注目を浴びてきた。また難民問題をはじめ社会的なテーマの作品にも綿密なリサーチのもと果敢に取り組んでいる。また映画 『1789 年』、『モリエール』といった映画監督作品もある。これらの長年にわたる功績が評価され、2019 年に第 35 回京都賞(思想・芸術部門) を受賞した。劇団旗揚げ以来、その自由と平等の精神は一貫していて、劇場では自らチケットをもぎり、観客を迎えている。

テアトル・デュ・ソレイユ(太陽劇団) Théâtre du Soleil
太陽劇団は 1964 年にフランスで設立。“集団創作”という独自スタ イルで知られ、パリ郊外のカルトゥーシュリ(弾薬庫跡)を拠点に活動している。70 年に上演されたフランス革命を題材とした『1789』は斬新 な舞台表現で、世界的注目を集めた。古典から現代の難民問題を扱った作品まで幅広いレパートリーを持つ。2001 年に『堤防の上の鼓手』(新国立劇場)で待望の初来日を果たし、アジアの人形劇、特に日本の文楽のエッセンスを大胆に取り入れた表現が大きな話題を呼んだ。最新作は日本文化にインスパイアされた舞台『L’ÎLE D’OR KANEMU-JIMA』。

■インターナショナル・シアター・アムステルダム(ITA)

現代人を撃つシェイクスピア/血の抗争!
『ローマ悲劇』
(2021年) Romeinse tragedies
※オランダ語上映・日本語字幕付き ※中学生以上推奨
シェイクスピアのローマ悲劇三部作『コリオレイナス』 『ジュリアス・シーザー』 『アントニーとクレオパトラ』より

画像: ©Jan Versweyveld

©Jan Versweyveld

洗練された美しさと挑発的な鋭さ。映像を駆使した実験性。
現代演劇をリードする名演出家イヴォ・ヴァン・ホーヴェがシェイクスピアの三大ローマ劇を大胆に構成。舞台を現代に移し、英雄たちはスーツ姿で登場する。観客も舞台に上がり、撮影やSNS投稿も自由という型破りの演出で、血みどろの抗争も煽情的な演説も間近で目撃する。この非凡なる体感劇は、映像でも見応え十分。2020 年に来日中止となった本作を観られるまさに絶好の機会。

原作:ウィリアム・シェイクスピア
演出:イヴォ・ヴァン・ホーヴェ
出演:インターナショナル・シアター・アムステルダム(ITA)
上映時間:5 時間 40 分(休憩あり)
映像提供:Internationaal Theater Amsterdam

イヴォ・ヴァン・ホーヴェ Ivo van Hove
2001 年よりインターナショナル・シアター・アムステルダム(ITA)の芸術監督。1998 年から著名な国際舞台芸術祭オランダ・フェスティバルの芸術監督も務め、古典から前衛劇まで幅広く手がける。『地獄に堕ちた勇者ども』や『イヴの総て』の舞台化など、映画・映像にも関心が深く、積極的に映像を取り入れた演出スタイルは他の追随を許さない。
ブロー ドウェイにも進出し、ベン・ウィショー主演『るつぼ』、デヴィッド・ボウイの指名による『ラザルス』、『ウエスト・サイド・ストーリー』のリメイクなど話題作を連発している。14 年にパリ・オデオン座で上演したアーサー・ミラー作 『橋からの眺め』はローレンス・オリヴィエ賞からトニー賞まで演劇賞を総なめした。
日本には 17 年に東京芸術劇場『オセロー』で初登場、22 年には新国立劇場でイザベル・ユペール主演『ガラスの動物園』の上演が決定している。

インターナショナル・シアター・アムステルダム Internationaal Theater Amsterdam
2018 年 1 月にアムステルダム市立劇場とトネールグループ・アムステルダムが合併し、新たにインターナショナル・シアター・アムステルダム (ITA)として 18/19 年のシーズンから活動開始する。
01 年にイヴォ・ヴァン・ホーヴェが芸術監督に就任。オランダの国際都市アムステルダムから世界のトップレベルの才能を集結して演劇作品を次々と発表し、世界の劇界をリードする存在となる。
17 年に『オセロー』を東京芸術劇場で来日公演。20 年に『イヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出作品上映会』として圧倒的な舞台映像を一挙 3 本立てで上映した。

東京芸術祭2022 芸劇オータムセレクション
『WORLD BEST PLAY VIEWING ワールド・ベスト・プレイ・ビューイング』

2022(令和4)年 10 月 5 日(水) ~10 月 9 日(日)

■上映作品

・テアトル・デュ・ソレイユ(太陽劇団)
※ フランス語上映・日本語字幕付き

『モリエール』(1978 年)
フランス・イタリア合作映画/2022 年 4K デジタルリマスター版)

『最後のキャラバンサライ(オデュッセイア)』(2006 年)

・インターナショナル・シアター・アムステルダム(ITA)
※オランダ語上映・日本語字幕付き

『ローマ悲劇』 (2021 年)

10 月 5 日(水)~10 月 9 日(日) 東京芸術劇場 シアターイーストにて開催!

■上映スケジュール詳細、チケット購入は下記サイトより

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