“第三帝国”にかかわった市井の人々の証言を記録したドキュメンタリー『Final Account』が邦題『ファイナル アカウント 最後の証言』として、8月にTOHOシネマズシャンテ、渋谷シネクイントほかにて全国ロードショーが決定いたしました。
ヒトラー率いるナチス支配下のドイツ“第三帝国”が犯した、人類史上最悪の戦争犯罪“ユダヤ人大量虐殺【ホロコースト】”を実際に目撃した人々。武装親衛隊のエリート士官から、強制収容所の警備兵、ドイツ国防軍兵士、軍事施設職員、近隣に住む民間人まで、終戦から77年を迎える今、「現代史の証言者世代」と呼ばれる高齢になったドイツ人やオーストリア人など加害者側の証言と当時の貴重なアーカイブ映像を記録した貴重なドキュメンタリーが日本公開となります。
第77回ヴェネツィア国際映画祭公式セレクション
2021年放送映画批評家協会ドキュメンタリー賞
最優秀歴史・伝記ドキュメンタリー賞・楽曲賞 ノミネート
ホロコーストの背景からルーツを探る、人生最期の旅路
イギリス出身のドキュメンタリー監督ルーク・ホランドは、10代になって初めて、母がウィーンからのユダヤ人難民で、祖父母はホロコーストで殺害されたというルーツを知った。2000年代になり“
祖父母を殺した人間を捜す”という目的でこのプロジェクトに着手したという。
「すぐに無理だとわかりました。しかし、彼らの仲間には実際に会うことができる。ヒトラーのために腕や銃を振り上げた人たち、残虐な犯罪を犯した人たちを通して、ホロコーストが繰り広げられた背景をよりよく理解できるかもしれないと考えたのです」。
ホランドは2008年から10年の歳月をかけて250以上のインタビューを行い、本作完成直後の2020年6月、71歳で癌で亡くなりました。
現代を生きる我々は、彼らの言葉に何を感じ、何を学ぶのか。
“第三帝国”が犯した人類史上最悪の犯罪、元ナチス親衛隊将校ほか、加害者側の「証言」ドキュメンタリー。2022年2月ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が開始されました。まさに“今”起きていることを語っているかのような、時代を超えたメッセージが本作には込められています。
【STORY】
イギリスのドキュメンタリー監督ルーク・ホランドは、アドルフ・ヒトラーの第三帝国に参加したドイツ人高齢者たちにインタビューを実施した。ホロコーストを直接目撃した、生存する最後の世代である彼らは、ナチス政権下に幼少期を過ごし、そのイデオロギーを神話とするナチスの精神を植え付けられて育った。戦後長い間沈黙を守ってきた彼らが語ったのは、ナチスへの加担や、受容してしまったことを悔いる言葉だけでなく、「手は下していない」という自己弁護や、「虐殺を知らなかった」という言い逃れ、果てはヒトラーを支持するという赤裸々な本音まで、驚くべき証言の数々だった。監督は証言者たちに問いかける。戦争における“責任”とは、“罪”とは何なのかを。
監督・撮影:ルーク・ホランド
製作:ジョン・バトセック、ルーク・ホランド、リーテ・オード
製作総指揮:ジェフ・スコール、ダイアン・ワイアーマン、アンドリュー・ラーマン、クレア・アギラール/アソシエイト・プロデューサー:サム・ポープ
編集:ステファン・ロノヴィッチ/追加編集:サム・ポープ、バーバラ・ゾーセル/音楽監修:リズ・ギャラチャー
2020年/アメリカ=イギリス/ドイツ語/94分/カラー(一部モノクロ)/ビスタ/原題:Final Account/字幕翻訳:吉川美奈子/字幕監修:渋谷哲也/ナチス用語監修:小野寺拓也
配給:パルコ ユニバーサル映画
宣伝:若壮房
©2021 Focus Features LLC.