公益財団法人ユニジャパンを事務局とする、文化庁委託事業 令和3年度日本映画海外発信事業「ベルリン国際映画祭 日本人新人監督海外プロモーション」において、ベルリン国際映画祭及び併設見本市へオンライン派遣する若手日本人映画監督4名が選出されました。

本年度初めて実施することとなった本企画では、日本国内の主要映画祭に出品された若手日本人映画監督を対象に参加を募り、審査を行った上で、世界三大映画祭のひとつであるベルリン国際映画祭へ派遣する4名の監督を決定しました。
ベルリン国際映画祭及び併設見本市「ヨーロピアン・フィルム・マーケット」に監督を派遣し、プロモーション活動を行うことにより、監督の知名度の向上及び国際的な業界関係者とのネットワークの構築を図るものとなっています。
新型コロナウイルス感染症の影響によりオンライン参加となりますが、映画祭・見本市の視察を通し、国際的な映画産業への見識を深め、今後の国内外での活動の糧とし、終了後にはこの機会に得た学びを映画製作者へ広く共有していただく予定。

選出者は下記の4監督に決定しました。

以下写真左より
奥田裕介監督、金子雅和監督、中村真夕監督、安川有果監督 ※五十音順

奥田 裕介(おくだ ゆうすけ)
神奈川県出身。日本映画学校(現・日本映画大学)で映画制作を学ぶ。
映画やドラマの現場で演出部や制作部を経験。ドキュメンタリー映画の構成、ミュージックビデオの脚本・監督、舞台でも脚本提供や作・演出など多岐にわたり活動。
創作活動と並行しながら、葬儀の仕事をし、生と死について考えるようになる。2017年劇場初長編作品『世界を変えなかった不確かな罪』を公開。
劇場公開作品2作目の『誰かの花』が、東京国際映画祭「アジアの未来」部門で上映される。本作は身内を事故で亡くしたことから<自分自身も加害者になり得る恐怖>を感じ、もし被害者側だった人が加害者側にまわる可能性が出た時に、そこで生まれる戸惑いや葛藤について描きたいと思い、3 年かけて脚本を執筆した。
社会への違和感や葬儀の仕事から学んだ生と死、そこに自身の経験を織り交ぜたオリジナル脚本にこだわり、時間をかけて映画作りに取り組んでいる。

金子 雅和(かねこ まさかず)
東京都出身。青山学院大学国際政治経済学部卒。
映画美学校で瀬々敬久監督の指導を受ける。 2016年、初長編監督作『アルビノの木』が第6回北京国際映画祭の新人監督部門で海外初上映、テアトル新宿ほかで公開。ポルトガル・スペインなど15ヶ国以上の映画祭で上映され20受賞。
21年、長編監督第2作目の『リング・ワンダリング』が、第37回ワルシャワ国際映画祭でエキュメニカル賞スペシャル・メンションを授与され、第22回東京フィルメックスで国内初上映、第52回インド国際映画祭(ゴア)でグランプリの金孔雀賞を受賞、22年2月19日より渋谷シアター・イメージフォーラムを皮切りに、全国順次公開。
次回長編企画『水虎』が第25回プチョン国際ファンタスティック映画祭の企画部門でポスプロ支援賞を受賞、同作のパイロット版が第34回東京国際映画祭 Amazon Prime Video テイクワン賞で正式上映。文化庁主催21年度・日本映画海外展開強化事業で研修者として選出され現在研修中。

中村 真夕(なかむら まゆ)
16歳で単身、ロンドンに留学。ロンドン大学を卒業後、ニューヨークに渡る。コロンビア大学大学院を卒業後、ニューヨーク大学大学院で映画を学ぶ。アメリカの永住権を持ち、今も日本とアメリカを行き来して暮らす。
2006年、高良健吾の映画デビュー作、『ハリヨの夏』で監督デビュー。釜山国際映画祭コンペティション部門に招待される。
2015年、福島の全町避難になった町にたった一人で残り、動物たちと暮す男性を追ったドキュメンタリー映画『ナオトひとりっきり』を監督。モントリオール世界映画祭に招待され、全国公開される。続編『ナオトひとりっきり2020』は、2021年山形国際ドキュメンタリー映画祭「ともにある」部門上映される。
脚本協力作品としては第45回エミー賞ノミネート作品の国際共同制作ドラマ『東京裁判』(NHK)29年度芸術祭参加作品がある。最新作は、黒沢あすか、神尾楓珠
主演の劇映画『親密な他人』。本作は東京国際映画祭「Nippon Cinema Now」部門で上映され、2022年3月にユーロスペースで公開予定。

安川 有果(やすかわ ゆか)
奈良県生まれ。大阪美術専門学校で映像制作を学ぶ。2012年、CO2(シネアスト・オーガニゼーション・大阪)の企画募集で選出され、『Dressing Up』を監督。
第14回TAMA NEW WAVE にてグランプリと最優秀主演女優賞を獲得した後、2015年に全国の劇場で上映され、第25回日本映画プロフェッショナル大賞の新人監督賞を受賞した。その後はオムニバス映画への参加や舞台作品などを経て、⻑編第2作『よだかの片想い』(2021)を監督。東京国際映画祭「アジアの未来」部門で上映される。
年内に公開予定。

■プログラム内容(予定)
派遣期間:2022/2/10-2/17
監督4名には、事前講義としてマーケット参加心得を受講いただいたうえで、プロデューサー、セールス会社代表による講義のほか、スピード デーティング(自己紹介と各自が持参する新企画のピッチ)を受講いただく予定としています。また、映画祭期間中に毎日配布される業界紙「SCREEN」に監督のインタビュー記事も掲載予定です。そのほか、映画祭期間中に開催されるマーケットスクリーニングやセミナー、インダストリーセッションズには各自の興味関心に合わせて参加いただきます。

【主 催】文化庁
【事務局】公益財団法人ユニジャパン

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