第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品
CST Artist-Technician Prize受賞
ロシア演劇界の⻤才にして気鋭の映画作家キリル・セレブレンニコフ監督(『LETO-レト-』)が、大ベストセラー小説を原作に描き、カンヌを驚かせた最新作『Petrovʼs Flu』が、『インフル病みのペトロフ家』の邦題で、2022 年 4 月 23 日(土) より全国順次公開されることが決定しました。
カンヌを驚愕させ、その斬新さにパルムドールに強く推す批評家も。
ロシア演劇界の⻤才にして世界が注目する映画作家、『LETO -レト-』のキリル・セレブレンニコフ監督が一大センセーションを呼んだベストセラー小説を映画化した最新作が日本公開!
濱口⻯介監督『ドライブ・マイ・カー』が脚本賞を受賞し、日本でも大きな話題を呼んだ昨年のカン ヌ国際映画祭。他にもレオス・カラックス監督『アネット』やアピチャッポン・ウィーラセタクン監 督『MEMORIA メモリア』など話題作が目白押しの中で、名だたる批評家を驚かせ、喝采を浴びたロ シア映画『Petrov's Flu(英語題)』が、『インフル病みのペトロフ家』の邦題で4 月 23 日(土)より
シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開される。
監督は、ロシア演劇界の⻤才であり、『The Student』(2016/日本未公開)や『LETO -レト-』
(2018)でカンヌをはじめとする数々の映画祭で多数の賞を受賞するなど、すでに映画監督として
も世界から注目を浴びているキリル・セレブレンニコフ。
若くして2012年からモスクワのゴーゴリ・センターの芸術監督に任命された鬼才演出家でありながら、2017年に国からの予算を横領した疑いで逮捕されて自宅軟禁状態に。日本でも公開された『LETO -レト-』がカンヌで絶賛され、サウンドトラック賞最優秀作曲家賞を受賞した際には、多くの映画人がセレブレンニコフの無罪を訴え、解放を求めたがカンヌには参加できなかった。本作の脚本は、その軟禁という不条理な環境の中で書いたという。
原作は、2016年に発売され、ロシア文学界でセンセーションを巻き起こしたアレクセイ・サリニコフによるベストセラー小説『Петровы в гриппе и вокруг него(インフル病みのペトロフ家とその周囲)』(邦訳未出)。ソヴィエト崩壊後、2004年のロシア、エカテリンブルグで、インフルエンザが流行する中、主人公のペトロフは高熱にうなされる。妄想と現実の間を行ったり来たりするうちに、次第にペトロフの妄想は、まだ国がソヴィエトだった子供時代の記憶へと回帰していく…という物語だ。
映画は、ロシア社会への強烈な風刺を孕みながら、妄想と現実の境目が曖昧な原作の世界観そのままに、セレブレンニコフ監督らしい型破りな芸術的感性と刺激的なアクションに彩られ、強烈なインパクトに溢れた一編。いくつものプロットが絡み合い、頻繁に幻覚のトリックにすり替わっては次々に展開され、熱に浮かされたような刺激的な映像体験をもたらす本作。どのように撮影されたのか気になってしまうほど複雑な長回しショットや、めくるめく場面転換は必見だ。
なお本作は、カンヌ国際映画祭で芸術的貢献を認められるCST Artist-Technician Prizeを受賞。上映後、アメリカのザ・プレイリスト紙は「映画の熱病的譫妄。(中略)純粋で、粗野で、心かき乱す映画」、イギリスのリトル・ホワイト・ライズ誌は「驚くほどに奇妙な、ポスト・ソヴィエト時代のロシア像。幻想的で、刺激的。息を呑む映画作りだ」と大絶賛。
世界中の観客を混乱させ、魅了し、映画の迷宮を疾走していく『インフル病みのペトロフ家』、映画ファン必見の今年の1本になることは間違いない。
原題:Петровы в гриппе/英語題:Petrov's Flu
監督:キリル・セレブレンニコフ(『LETO -レト-』)
出演:セミョーン・セルジン、チュルパン・ハマートワ、ユリヤ・ペレシリド
原作:アレクセイ・サリニコフ著「Петровы в гриппе и вокруг него(インフル病みのペトロフ家とその周囲)」(邦訳未出)
2021年|ロシア=フランス=スイス=ドイツ合作|146分|DCP|カラー|日本語字幕:守屋愛
配給:ムヴィオラ
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