アジアの映画を専門とする映画批評家Panos Kotzathanasis氏による日本映画の"2020年ベスト20 "がアジア映画を主流とする海外映画サイト「ASIAN MOVIE PULSE」で発表され、今年もシネフィルに送られてきました。
ギリシャに生まれたPanos Kotzathanasis氏は、数多くの海外メディアに寄稿し、また自身の管理する「Asian Movie Pulses」ではアジア映画全般に世界に紹介し続けています。
ベスト20ですが、まだ日本公開前の作品で取り上げられていた作品もあります。以下が今年の日本作品に対しての総評です。
「日本映画界の最大の財産は、常に安定性があり、品質が保たれていることです。韓国などが「最高のアジア映画」として思われている時代でさえ、国内のタイトルが大きく外れることは「許されなかった」のである。その意味で、日本の映画作家が傑作を生み出すことが少なくなったとしても(少なくとも過去ほどではない)、日本の映画産業が世界で最も多くの「7点満点」の映画をコンスタントに生み出していることに変わりはない、と言えるでしょう。この安定感は今年、より顕著になった。韓国映画が以前にも増して暗礁に乗り上げ、徐々に日本映画も、今年はややレベルが下がったとはいえ、再びアジアの頂点に立ったように見えるからだ。この後に続く作品群は、その事実を最も雄弁に物語っている。」
中にはまだ公開前の作品や、2020年に初公開された作品もあるかもしれないが、掲載することにした。また、大作や当然のランクインを果たした濱口竜介監督作品と並んで、ベストテンの中では海外映画祭で評判となった作品、ロッテルダム国際映画祭などに選出された作品、PFF(ぴあフィルムフェスティバル)などで、受賞、注目された作品なども堂々とランクインされている。
さっそく、2021年の日本映画ベストを逆順に紹介しよう。