10月15日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次公開となる『THE MOLE(ザ・モール)』。
本作は平凡なデンマークの一般市民が、CIAさえ容易に情報を掴めなかった北朝鮮の国際的な闇取引(武器密輸)のネットワークに潜り込み、その実態を赤裸々に暴いたドキュメンタリー。元料理人のウルリク・ラーセンと架空の石油王に扮したミスター・ジェームズのコンビが、北朝鮮の関係者たちを巧みに欺きながら盗撮を重ね、想像を絶する闇取引の奥底へと踏み込んでいく様は正真正銘の“リアル”スパイ活動の記録です。監督は日本でも『誰がハマーショルドを殺したか』(19)で話題を呼んだマッツ・ブリュガー。
この度、本編から3分間の動画が特別解禁されました。
この映像は、北朝鮮の武器密輸の実態を暴こうと、ウルリクとジェームズが仕組んだ隠し撮りによるもので、2016年にノルウェー・オスロのホテルで撮影されたもの。映像では、KFA(朝鮮親善協会)会長のアレハンドロ・カオ・デ・ベノスという怪しげなスペイン人が、北朝鮮が生産する武器や覚醒剤の売買を2人に持ちかけるシーンが、はっきりと記録されています。
アレハンドロは「北朝鮮はいかなるルールも守る必要がない唯一の国です」と堂々と語り、北朝鮮は世界的に制裁を受けているにもかかわらず、中国や東南アジア、カナダの会社と取引があることも明言し、観るものを唖然とさせます。本作ではこれ以外にも、あっと驚く取引の現場が映像に収められており、その一旦を垣間見ることができます。
『THE MOLE(ザ・モール)』本編映像
併せてウルリク・ラーセンから日本の観客に向けたメッセージ動画(1分)も解禁されました。
10年間に渡って北朝鮮にスパイとして潜入し、様々な危険に身をさらして決定的な動画を収め続けたウルリクは、現在はデンマークでスパイ活動時の講演活動などを行って暮らしています。一時は北朝鮮からの報復を恐れてもいたが、身辺警護もつき、現在は妻子とともに普通に生活できているとのこと。北朝鮮に近い日本で本作が公開されることを、とても喜んでおり、また北朝鮮がいかに人道に外れた行為をしているかを知って欲しいと語っています。
『THE MOLE(ザ・モール」』ウルリク コメント映像
こんにちはウルリク・ラーセンです。
「THE MOLE」の主人公です。
10年に渡り北朝鮮に潜入して、北朝鮮支持者や政権ウガンダの不
動産業者らと世界中で取引してきました。
米国でCIAエージェントの訓練も受けました。
私は妻子を持ち、普通の生活を送る至って平凡な人間です。
しかし私は北朝鮮潜入のため普通でない行動をとりました。
日本の映画館に見に来て頂けると嬉しいです。
本当は 直接ご挨拶できれば良いのですが、是非映画館でご覧ください。
私が明らかにした物事が役立つなら、どんなことでもしたいです。
そして北朝鮮政権が終焉を迎え、国民が自由と愛を取り戻すことを願います。
映画館でお会いしましょう!
■ウルリク・ラーセン(本作主人公、元スパイ)※動画コメントから書き起こし
さらに、本作を鑑賞した方々からも感想が到着しました。今回感想をコメントして頂いたのは、ゲームクリエイターの小島秀夫、ジャーナリストの丸山ゴンザレス、また日本大学危機管理学部教授の小谷賢。映像、危険地帯、インテリジェンスのプロフェッショナルたちからも本作を高く評価するコメントが届きました。
【コメント】
これがフェイクでないのなら、全てのフィクションは吹き飛んでしまう。家族を騙し、スパイ(モール)活動を続けた男の10年間の記録。とてもこれがドキュメンタリーとは思えない。同時に知ってはいけない事実(もの)に触れてしまった恐怖がある。映画を観ている時も、これを書いているこの瞬間でさえも落ち着かない。自分もモールの一部になってしまったかのように。
■小島秀夫(ゲームクリエイター)
『THE MOLE』で描かれる、世界の裏社会で暗躍する北朝鮮ビジネスマンたちは、ギャングやマフィアなんかよりも遥かに慣れている姿だった。明らかにされたのは、北朝鮮という国がどれほど世界の暗部に食い込んでいるかであった。
■丸山ゴンザレス(ジャーナリスト)
本作品はスパイ物というジャンルにも関わらず、何のアクションシーンもない地味なものだ。しかしそれがかえって物語にリアリティを与えており、恐らくは専門家が観ても学ぶ所の多い内容だ。
■小谷賢(日本大学危機管理学部教授)
『THE MOLE(ザ・モール)』本予告
2020年/ノルウェー、デンマーク、イギリス、スウェーデン/135分/DCP/原題「THE MOLE ? UNDERCOVER IN NORTH KOREA」
監督:マッツ・ブリュガー(『誰がハマーショルドを殺したか』)
出演:ウルリク・ラーセン
協力:NHKエンタープライズ
配給:ツイン
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