Bunkamura ル・シネマでは 8/20(金)ロードショーの フランソワ・オゾン監督最新作『Summer of 85』の公開を記念し、同監督の初期代表作で今年日本公開 20 周年を迎えた『焼け石に水』(日本公開 2001 年 7 月 21 日)を、 封切り当時の貴重な 35 ミリフィルムでリバイバル上映いたします。

画像1: 写真提供:ユーロスペース

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第 50 回目の節目の年となった 2000 年のベルリン国際映画祭のコンペティション部門は、 ポール・トーマス・アンダーソン監督の群像劇『マグノリア』が金熊賞を受賞し、審査員グランプリをチャン・イーモウ監督の『初恋の来た道』が受賞した、強豪揃いのラインナップ。当時弱冠 32 歳だったフランソワ・オゾンはこの大舞台で『焼け石に水』を発表し、見事テディ賞⻑編映画部門大賞に輝いた。テディ賞は LGBTQ をテーマにした映画に贈られる公式クィア映画賞の先駆で、創設年に同賞を獲得したのはペドロ・アルモドバル監督の『欲望の法則』(1987)。その後も、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』(2001)、 『ナチュラルウーマン』(2017)などを輩出した由緒ある賞だ。

画像2: 写真提供:ユーロスペース

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⻑編デビュー作『ホームドラマ』(1998 年カンヌ国際映画祭批評家週間正式出品)と⻑編 第 2 作『クリミナル・ラヴァーズ』(1999 年ヴェネチア国際映画祭正式出品)で立て続けに才気走った作品を発表、一躍フランス映画新世代のトップランナーに躍り出ていたオゾンの国際的評価は、本作のテディ賞受賞で一層高まった。
⻑編 3 作目の『焼け石に水』は、37 歳で急逝したドイツの伝説的な映画・演劇人ライナ ー・ヴェルナー・ファスビンダーが 19 歳で書いた未発表の戯曲の映画化。それまでオリジナル脚本を書いてきたオゾンがファスビンダーの原作を使ったのは、カップルの生活を描いてみたかった彼が、まさに描きたいことがそこに正確に語られていたからだった。二 人の人間が一緒に暮らし、日常の荒波にまみれるところから次第に変質し失墜していく関係性。より多く愛する者が敗者となるパワーバランス。どこか可笑しくも、胸を打つカッ プルの苦悩―。1970 年代のドイツのアパートの 1 室が舞台で、キッチュな衣装や、ミッドセンチュリーのセットデザインにも力を入れた。

『焼け石に水』の日本封切は 2001 年 7 月 21 日。オゾンの⻑編デビュー作『ホームドラマ』を買付け日本に紹介したユーロスペースが共同製作し、日本配給。映画宣伝としては初めてグラフィックデザイナー大島依提亜を起用し、劇中に登場するレトロなカーテンの柄を背景に取り込んだポスターやチラシ、同柄のハンカチ付きのパンフレットも話題となった。

画像3: 写真提供:ユーロスペース

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画像4: 写真提供:ユーロスペース

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『焼け石に水』の公開から 20 年―。今や世界三大映画祭の常連にしてフランス映画界の巨匠となったオゾン。毎年 1 本ペースで精力的に新作を発表する彼は、今年 7 月に第 74 回カンヌ国際映画祭コンペティション部門でソフィー・マルソー主演の家族ドラマ 「Everything Went Fine (英題)」を発表。現在ポストプロダクション中のイザベル・アジャーニ主演の室内劇は、『焼け石に水』制作時に大いに参考にしたというファスビンダ ーの戯曲/映画『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』(1972)をオゾン流に再映画化。多作かつ多岐にわたる話題作を発表し続ける⻤才オゾンの動向から今後も目が離せない。
Bunkamura ル・シネマでは 8/20(金)に初日を迎える『Summer of 85』(2020 年カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション)の公開を記念し、『焼け石に水』を 1 週間 7 回限定でリバイバル上映する。上映には封切当時の貴重な 35mm フィルムを使用。また、劇場ロビーでは『Summer of 85』のフランス本国版の大判ポスターや特製スタンディ、『焼け石に水』の日本版ポスターなどをディスプレイする。

オゾンが 17 歳の時に出会い深く影響を受けたエイダン・チェンバーズの小説「おれの墓で踊れ」を映画化した『Summer of 85』は、瑞々しさと疾走感に満ちた、少年たちのひと夏の恋物語。初期作にして既にオゾン節が炸裂する『焼け石に水』と併せて新旧のオゾン監督作品をル・シネマのスクリーンで!

◆8/20(金)より特別上映『焼け石に水』

70 年代、ドイツ。20 歳の⻘年フランツは、街で中年のビジネスマン、レオポルドに声を掛けられ彼の家を訪ねる。レオの不思議な魅力にとらわれ、同棲まで始めるが、そこに二人のそれぞれの昔の恋人が現れる――。4 人の登場人物が織りなす 4 幕構成の室内劇は、キャスティングも絶妙で、中年ビジネスマン、レオポルドを演じるのは、『ヘカテ』(1982)の外交官役や『リディキュール』(1995)の悪役が印象深いベルナール・ジロドー。レオポルドの虜になる若者フランツ役は新人のマリック・ジディ。3 幕から登場するフランツのガールフレンド、 アナ役は『8 人の女たち』(2002)、『スイミング・プール』(2003)とその後のオゾン代表作でもコケティッシュな魅力を発揮するリュディヴィーヌ・サニエ(本作撮影当時 20 歳)。 レオポルドの元恋人ヴェラ役は主演映画『ファストフード・ファストウーマン』(2000) で知られるアンナ・トムソン。

画像5: 写真提供:ユーロスペース

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<『Summer of 85』公開&日本公開 20 周年記念 特別上映>『焼け石に水』
2021 年 8/20(金)〜8/26(木) 連日... 17:20〜(終)19:05
[会場] Bunkamura ル・シネマ

[料金] ¥1,300 均一
(『Summer of 85』のチケットご提示で¥1,100) (税込)
※特別興行のため、その他各種割引は適用外
※ご提示のチケットは半券・特別鑑賞券・QR チケットも可
http://www.bunkamura.co.jp/cinema/

2000 年/フランス/86 分/35mm/原題:Gouttes D'eau Sur Pierres Brûlantes
監督:フランソワ・オゾン
出演:ベルナール・ジロドー、マリック・ジディ、リュディヴィーヌ・サニエ、アンナ・トムソン
配給:ユーロスペース

◆8/20(金)よりロードショー『Summer of 85』

画像1: © 2020-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-France 2 CINÉMA– PLAYTIME PRODUCTION-SCOPE PICTURES

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セーリングを楽しもうとヨットで一人沖に出た 16 歳のアレックス。突然の嵐に見舞われ転覆した 彼を救助したのは、18 歳のダヴィド。二人は急速に惹かれ合い、友情を超えやがて恋愛感情で結 ばれる。アレックスにとってはこれが初めての恋だった。互いに深く想い合う中、ダヴィドの提案 で「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊る」という誓いを立てる二人。しかし、 ダヴィドの不慮の事故によって恋焦がれた日々は突如終わりを迎える。悲しみと絶望に暮れ、生き る希望を失ったアレックスを突き動かしたのは、ダヴィドとあの夜に交わした誓いだった─。

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2020 年/フランス/101 分/PG-12/DCP/原題:Été 85
監督:フランソワ・オゾン 出演:フェリックス・ルフェーヴル、バンジャマン・ヴォワザン、ヴァレリア・ブルーニ・テデス キ、メルヴィル・プポー
配給:フラッグ、クロックワークス

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