近年注目されるチベット映画の特集上映「映画で見る現代チベット」を来年 2021 年 3 月 13 日(土)~4 月 2 日(金)に 岩波ホールで開催されます。この度、特集上映のポスタービジュアルが完成、タイムテーブルも解禁となりました。 トークイベントの開催も決定しました。

画像: 近年注目されるチベット映画を特集!ソンタルジャ監督やペマ・ツェテン監督などの劇場未公開作などを中心に「映画で見る現代チベット」開催!

現代のチベット社会を見つめ、21世紀に誕生したチベット映画のこれまでの歩みを考える特集上映。 『巡礼の約束』のソンタルジャ監督最新作『ラモとガベ(原題)』日本プレミアや『羊飼いと風船』のペマ・ツェテン監督の劇場未公開作も上映!

近年注目されるチベット映画人の作品を中心に 全7作品を上映する今回の特集上映。
期間中には、『草原の河』『巡礼の約束』のソンタルジャ監督最新作でサンセバスチャン映画祭で上映された『ラモとガベ(原題)』が、今回特別に日本プレミア上映され、また、ソンタルジャ監督とともにチベット映画人を代表する存在であり、最新作 『羊飼いと風船』が1月22日より初の劇場公開となるペマ・ツェテン監督の劇場未公開の傑作『オールド・ドッグ』『タルロ』も 上映されます。
初日3/13にはソンタルジャ監督のティーチインとチベット語研究者の東京外国語大学教授・星泉さんのトー ク、3/20にはソンタルジャ監督作品の日本語字幕を手掛ける松尾みゆきさんによる上映後トークなどイベントも行われます。
全7作の映画やトークイベントを通して、「失われていく伝統」「共同体と個人」という現代チベット映画に欠かせないテーマや、「日常を支えるチベット仏教」「チベットの女性」「チベットの子供」などの重要なテーマで現代チベット社会を見つめ、同時に、21世紀に誕生したチベット映画人によるチベット映画のこれまでの歩みを考える今回の特集上映。
今映画祭は、「コロナ禍で配給会社も映画館も大変でしょう。“困ったときはお互い様”」と言って、最新作の上映を申し出てくれたソンタルジャ監督、未公開作の上映を快く許可してくれたペマ・ツェテン監督の協力のもと開催の運びとなりました。 本特集上映は、岩波ホールの後、主要都市を巡回上映の予定。

◆トークイベント(各回 30 分程度)
3/13(土)10:00~『ラモとガベ(原題)』上映後 ソンタルジャ監督ティーチイン
3/13(土)16:00~『オールド・ドッグ』上映後 星泉さん(チベット語研究者)トークショー
3/20(土)13:00~『草原の河』上映後 松尾みゆきさん(字幕翻訳者、映画プロデューサー)トークショー

上映作品

■ソンタルジャ監督作を見る

『ラモとガベ(原題)』 <日本プレミア上映>
 監督:ソンタルジャ(110分|2019年)

画像1: ©GARUDA FILM

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ソンタルジャ監督が、東チベットで生まれた世界最長の英雄叙事詩「ケサル王物語」に若い男女の運命を重ねて描いた意欲的な最新作。ラモとガベが婚姻届を出しに行くと、ガベが以前の妻とまだ離婚が成立していないことがわかる。ガベはラモと結婚するために元妻を探すが、元妻はすでに出家していた。一方、ラモには大きな秘密があった......。

『巡礼の約束』
 監督:ソンタルジャ (109分|2018年)

画像2: ©GARUDA FILM

©GARUDA FILM

上海国際映画祭審査員大賞・最優秀脚本賞。ある理由から突然、聖地ラサへ、五体投地での巡礼の旅に出た妻。そ の妻を心配して追ってくる夫。妻の前夫との息子で心を閉ざしている少年。なさぬ仲の3人の巡礼とチベット人にとって大切な約束の重さを描く。夫役は、舞台であるチベット高原東部にあるギャロン出身の国際的歌手ヨンジョンジャ。息子役の少年とロバの名演も忘れがたい。

『草原の河』
 監督:ソンタルジャ (98分|2015年)

画像3: ©GARUDA FILM

©GARUDA FILM

広大な草原で牧畜を営むある家族。幼い娘は、もうすぐ生まれてくる赤ん坊に母を取られてしまうと不安を募らせる。一方、父は、ある出来事をきっかけに出家した自分の父親を今も許せないでいる。当時6歳のヤンチェン・ラモが上海国際映画祭アジア新人賞・最優秀女優賞に輝いた。改革開放以後の現状を背景に、幼い少女の視点から、 異なる世代の「父」を描いた。

『陽に灼けた道』 <日本劇場未公開>
 監督:ソンタルジャ (89分|2011年)

画像4: ©GARUDA FILM

©GARUDA FILM

ソンタルジャ監督デビュー作。バンクーバー国際映画祭アジア部門新人監督賞はじめ数々の映画賞を受賞した。自分の過失で母を死なせてしまった青年ニマは自責の念にとらわれ、聖地ラサへ巡礼の旅に出るが、苦しみは消えない。その帰り道、ニマは不思議な老人と出会う......。映像で物語るソンタルジャの個性が強く表れた、荒々しくも才気あふれる必見作。

■ペマ・ツェテン監督作を見る

『タルロ』 <日本劇場未公開>
 監督:ぺマ・ツェテン(123分|2015年)

画像1: ©Pema Tzeden

©Pema Tzeden

第16回東京フィルメックスグランプリ。家族のいない羊飼いのタルロ。ある日、役所から
ID(身分証明書)を作れと言われ、タルロはIDに必要な写真を撮りに町へ。髪を切るために入った理容室で女性と知り合い......。磨かれた演出と美しいモノクロ映像で、社会の変化に翻弄されて自身のアイデンティティを見失うチベット牧畜民を、寓話的でありながらも鋭く鮮烈に描く。

『オールド・ドッグ』 <日本劇場未公開>
 監督:ぺマ・ツェテン (88分|2011年)

画像2: ©Pema Tzeden

©Pema Tzeden

第12回東京フィルメックスグランプリ。1990年代末、中国富裕層の間で起きたチベットのマスチフ犬ブームを背景に、「犬を通じてチベット族の現状を表現したかった」と監督が語る衝撃作。主人公は老マスチフ犬を飼っている牧畜民の老人。犬を売り飛ばそうとする息子、しつこく付きまとう仲買人や犬泥棒。老人は「犬は民族の誇り」と手放すことを頑なに拒むが......。

■チャン・ヤン監督の “外の目”

『ラサへの歩き方 ~祈りの2400km』
 監督:チャン・ヤン (118分|2015年)

画像: 『ラサへの歩き方 ~祈りの2400km』 監督:チャン・ヤン (118分|2015年)

中国で300万人動員の大ヒットとなった巡礼ロードムービー。実際の村人に自身と重なる役を演じさせるという独特のスタイルで描く。カム地方から聖地ラサ、そしてカイラス山へ巡礼旅に出た11人の村人。追突事故、出産、資金不足、様々な困難に直面するが......。外の目だからこその感嘆の視点で丹念に日常が描かれ、生活の中にある祈りの心を感じさせる秀作。

2021 年 3 月 13 日(土)~4 月 2 日(金)岩波ホールにて開催!

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