昨年のカンヌ国際映画祭で脚本賞とクィアパルム賞をW受賞し、世界の映画人が絶賛するフランス映画『燃ゆる女の肖像』が、12/4(金)よりTOHOシネマズシャンテ、Bunkamuraル・シネマ他全国順次公開となります。
そのひとの眼差しを、唇を、微笑みを、そして別れの瞬間の姿を思い出すだけで、息が止まるほど愛おしく切なく、蘇る情熱が命を満たす――そんな鮮烈な恋の、決して消えることのない燃ゆる炎を描く、一生忘れ得ぬ愛の物語が誕生した。
カンヌでは脚本賞を受賞し、ゴールデン・グローブ賞と英国アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされたほか、世界の映画賞で44もの賞を受賞。ヨーロッパでのヒットに続き、アメリカでも過去公開された外国語映画の歴代トップ20入りを果たす大ヒットとなった。アメリカの映画批評サイトRotten Tomatoesでは驚異の98%フレッシュなど、世界が絶賛を惜しまない必見の一作が、日本でもついにベールを脱ぐー!
18世紀、フランス、ブルターニュの孤島。望まぬ結婚を控える貴族の娘エロイーズ(アデル・エネル)とその肖像画を描くことになった画家マリアンヌ(ノエミ・メルラン)。
描き上げた肖像画を自らの手で消してしまったマリアンヌに対しエロイーズがモデルになると申し出たことをきっかけに、ふたりは急速に接近していく。鮮烈な愛の物語を通じて様々なものを鮮やかに描き出す本作に対して、各界著名人達より絶賛コメントが続々寄せられています!
日本を代表する映画監督のひとりである西川美和は、本作を通じて戸惑いや魅了の言葉だけでなく、同じ女性作家として大きな賛辞を寄せる。
細部にわたるまでこだわり抜いた名画のような圧倒的な世界観に着目したのが、タレントのYOU、モデル・アーティストの松田ゆう姫、漫画家の魚喃キリコ、スタイリストの北村道子。描く者、描かれる者というふたりの“視線”が重要な意味を持つが、そこに着目したのが作家の柚木麻子、現代美術作家のミヤギフトシ。
ブルターニュの孤島という閉ざされた場所を舞台に今を生きる女性を巡る数々の問題を鮮やかに革新的に描き出すが、そんな一面に着目したのが社会学者の上野千鶴子、写真家の長島有里枝、作家の山内マリコ。
一時の恋が永遠のものへと変わっていく…そんな圧倒的な愛に着目したのがモデルの前田エマ。それぞれの言葉で描かれた、映画が持つ数えきれない魅力にいち早く触れてみてほしい。
『燃ゆる女の肖像』に寄せられたコメント(順不同/敬称略)
あまりにも急速に女性たちの作ったものが、世界で冠をかぶせられるようになったことに私は戸惑いを感じている。
なぜ急に。この映画を観れば、女性の作り手やスタッフたちが昨日、今日涌いて出たのではなく、
世界が騒ぎ始めるそのずっと前から、虎視眈々と腕を磨いてきたのだということがよくわかる。
最小限にして最大を語る、その張りつめた抑制と洗練とに引き込まれるだろう。
この運びが、新たなる分断を生むのではなく、男も女もなく全てを思いやる方向に進むことを望んでいる。
――西川美和(映画監督)
運命に従うしかなかった時代の女たちの秘めた熱情。
最後の長回しのシーンでの、主演女優の演技が圧巻で目が離せない。
登場人物も動きも少ないのに、良質の室内劇を見たような気分だ。
――上野千鶴子(社会学者)
圧巻の描写 高揚が止まらないヴィヴァルディ
なんと美しく切ないのか。まるで 書き足りない!
――YOU(タレント)
男がいない。
描かれるのは様々な階級の女の、憂鬱かつ喜びに満ちた「生」の物語。
圧倒され、魅了され、心揺さぶられる。
――長島有里枝(写真家)
なんとも美しい音のする映画。
キャンバスをなぞる筆の音や洋服が擦れる音など一つ一つにとても引き込まれた。
――松田ゆう姫(モデル・アーティスト)
筆のはこびが美しくて、目をみはった。
――魚喃キリコ(漫画家)
絵画の中の名もなき女性たちが、一斉に強い眼差しでこちらを見返した気がした。
――柚木麻子(作家)
何度も鳥肌が立った。今、作られるべき物語が完璧な形で結実している。
観た人の一生の映画になりうる作品。
――山内マリコ(作家)
視線が交わらないからこそ伝わる感情があり、
視線が交わらないこそ信じ続けられる繋がりがある。
――ミヤギフトシ(現代美術作家)
その輪郭を、覚えていたいと思うほど、遠くへ離れていってしまう。
その震える吐息を、飲みこんでしまいたい。
――前田エマ(モデル)
必要人数のみのキャスティング。
色彩の微妙なコントラストの中の白。美しいとしか言いようのない作品に出会った。
――北村道子(スタイリスト)
映画史に残る愛の物語『燃ゆる女の肖像』予告編
【STORY】
18世紀、フランス、ブルターニュの孤島
望まぬ結婚を控える貴族の娘と、彼女の肖像を描く女性画家
結ばれるはずのない運命の下、一時の恋が永遠に燃え上がる
画家のマリアンヌはブルターニュの貴婦人から、娘のエロイーズの見合いのための肖像画を頼まれる。だが、エロイーズ自身は結婚を拒んでいた。身分を隠して近づき、孤島の屋敷で密かに肖像画を完成させたマリアンヌは、真実を知ったエロイーズから絵の出来栄えを否定される。描き直すと決めたマリアンヌに、意外にもモデルになると申し出るエロイーズ。キャンバスをはさんで見つめ合い、美しい島を共に散策し、音楽や文学について語り合ううちに、恋におちる二人。約束の5日後、肖像画はあと一筆で完成となるが、それは別れを意味していた──。
監督・脚本:セリーヌ・シアマ「水の中のつぼみ」
出演:アデル・エネル「午後8時の訪問者」、ノエミ・メルラン「不実な女と官能詩人」
原題:Portrait de la jeune fille en feu/英題:PORTRAIT OF A LADY ON FIRE/2019/フランス/カラー/ビスタ/5.1chデジタル/122分/字幕翻訳:横井和子 <PG12>
©︎Lilies Films.
配給:ギャガ
公式Twitter:@portraitmoviejp
公式Instagram:@portraitofaladyonfire_jp