『パッチギ!』『黄金を抱いて翔べ』など、数々の話題作を世に送り出してきた井筒和幸監督。
その8年ぶりとなる新作『無頼』は、今年初頭からのコロナ禍で公開が延期されておりましたが、ついに12月12日(土)新宿K’s cinema、池袋シネマ・ロサ、横浜ジャック&ベティを皮切りに、全国順次公開が決定いたしました。
あぶれ者たちの群像劇を通して逆照射される、もう一つの昭和史
主人公は、誰もが“欲望の資本主義”を追いかけた戦後日本そのもの。敗戦直後の動乱期から所得倍増、奇跡の高度経済成長、政治の季節とオイルショック、さらにはバブルの狂騒と崩壊まで──。
激しく変転を続けた昭和という時代が、世間という“良識の監獄”の外側で生き抜いたヤクザ者たちの群像劇を通して逆照射されます。1975年のデビュー作以来、社会のあぶれ者、はみ出し者を冷徹かつ共感に満ちた視線で描き続けてきた井筒監督の真骨頂にして集大成とも言える、もう一つの戦後史です。
コロナ禍という未曽有の危機が襲った2020年、井筒和幸が送り出す魂の146分。
偽りのノスタルジーに彩られた昭和回顧ブームを凌駕する、本格ハード・エンターテイメント、ついに公開です。
<井筒和幸監督コメント>
コロナ禍で公開延期になっていた「無頼」が、まさか我が映画渡世で初めての年末正月作品になるとは・・・。今まで、はぐれ者ばかり描いてきた自分としては驚きです。『ガキ帝国』では少年院上がりの不良たち。『犬死にせしもの』は終戦直後の無法者。『岸和田少年愚連隊』は格差教育の落ちこぼれ。『パッチギ!』は京都ゼロ番地の在日高校生。『ヒーローショー』は「失われた世代」たち。『黄金を抱いて翔べ』では金塊強奪の流れ者たち──。彼らは、貧困や偏見に抗った「寄るべなき者たち」でした。
本作も、どん底から這い上がり、欲望の昭和を生きたアウトローたち、その一家の半生を描いてます。疲れた大人、夢を失った若者、そして自分にも“くじけるな!”という映画です。2時間25分、さあ、奴らと共に熱かった昭和時代へ――。
映画 「無頼 」予告編
<ストーリー>
太平洋戦争に敗れ、貧困と無秩序の中に放り出された日本。焼け跡から立ち上がった大衆は、高度経済成長のもとで所得倍増を追い、バブル崩壊まで欲望のままに生きて、昭和が去ると共に勢いを止めた。理想の時代から、夢の時代、そして虚構の時代へ──。誰もが豊かさを欲する社会の片隅で、何にも怯むことなく、たった一人で飢えや汚辱と闘い、世間のまなざしに抗い続けた“無頼の徒”がいた。やがて男は一家を構え、はみだし者たちを束ねて、命懸けの裏社会を生き抜いていく……。過ぎ去った無頼の日々が今、蘇える。正義を語るな、無頼を生きろ!
監督:井筒和幸
出演:
松本利夫(EXILE)
柳ゆり菜
中村達也
ラサール石井
小木茂光
升毅 木下ほうか
2020年/日本/146分/カラー/ビスタサイズ/5.1ch/R-15
配給:チッチオフィルム
配給協力 ラビットハウス 宣伝:楽脳
©2020「無頼」製作委員会/チッチオフィルム
公式ツイッター: @buraimovie