10/10から中国で開催されている第4回平遥国際映画祭で16日夜、授賞式があり、クラウチングタイガー部門(新人監督コンペティション部門)にノミネートされていた春本雄二郎監督の「由宇子の天秤」(英題:A Balance)が、『ロベルト・ロッセリーニアワード 審査員賞』を受賞しました。

平遥国際映画祭は、中国の世界的映画監督ジャ・ジャンクーが設立し、ヴェネチア国際映画祭の元ディレクター、マルコ・ミュラーがプログラムディレクターを務める映画祭。自身の出身地に近いというジャ・ジャンクーが、地方の人々にも優れた映画を紹介し、若い映画人を世界に紹介したいとスタートさせました。

「由宇子の天秤」がノミネートされた「クラウチングタイガー部門」は、長編2作目までの世界の新人監督が賞をかけて競い合うコンペティション部門。カンヌ、ベルリン、ヴェネチア、トロント、サンセバスティアンといった主要な映画祭に選出されている強豪作品が並ぶ中、審査員賞受賞という快挙を成し遂げました。

また、平遥国際映画祭では日本人として史上初の受賞となります。

画像: ©️2020映画工房春組

©️2020映画工房春組

今年の審査員は「薄氷の殺人」でベルリン映画祭男優賞を受賞し「帰れない二人」にも主演した俳優リャオ・ファン(廖凡)、「鵞鳥湖の夜」、「ロングデイズ・ジャーニー/この世の涯てに」のプロデューサーのシェン・ヤン(沈暘)、全てのジャ・ジャンクー作品の音響を手がけたサウンド・デザイナーのチャン・ヤン(張陽)など中国映画界を代表する5名の映画人たちが務めました。

作品は、女子高生自殺事件を追うドキュメンタリー監督である由宇子(瀧内公美)が、事件の真相に迫りつつある中、学習塾を経営する父の政志(光石研)から衝撃的な事実を聞かされ、突如、究極の選択を迫られ答えを求めてもがく姿を描いています。

また、受賞をうけて監督の喜びのコメントも到着しました。

【春本監督コメント】
図らずも釜山国際映画祭が新型コロナウィルスの影響で急遽会期を2週間遅らせることになり、平遥国際映画祭がワールドプレミアの場になったのですが、幸先の良いスタートを切ることができ大変嬉しく思います。
今回の受賞は、全てのスタッフ・キャスト、映画祭出品や映画製作にご協力くださった全ての皆様の力が合わさってのことですので、改めて関係者の皆様に感謝を申し上げたいです。
そして受賞以上に喜ばしいのは、本作が中国の多くの方に観ていただき、たくさんの感想や批評をいただけたことです。私が映画の中に放った現代社会に対するメッセージに多くのリアクションをいただけたのです。映画の言語が国境をいとも簡単に越えて行く瞬間を今回も体験することができました。素晴らしい映画祭に参加できたことを光栄に思います。
ー脚本・監督・プロデューサー:春本雄二郎

この後、「由宇子の天秤」は10/21から開催の釜山国際映画祭、10/30から開催の東京フィルメックス、それぞれコンペティション部門にノミネートされており、賞レースの行方にさらなる注目が集まります。

【ストーリー】
ドキュメンタリーディレクターの由宇子は、今、世に問うべき問題に光を当てることに作家としての信念を持ち、そのためには妥協を許さず、保守的な製作サイドと衝突することも厭わない。
一方で、唯一の家族である実父の政志が経営する塾を手伝い、慎ましくも幸せに二人三脚で生きてきた。
けれども、ある日、由宇子が思いもかけない政志のある行動によって、由宇子の信念を激しく揺さぶる事件が起きる…。

脚本・監督・編集:春本雄二郎

プロデューサー:春本雄二郎 ・ 松島哲也 ・ 片渕須直

ラインプロデューサー:深澤知 /キャスティング:藤村駿

撮影:野口健司/照明:根本伸一/録音・整音:小黒健太郎/音響効果:松浦大樹
美術:相馬直樹/装飾:中島明日香/小道具:福田弥生/衣裳:星野和美/ヘアメイク:原田ゆかり
英語字幕:ドン・ブラウン 櫻井智子

瀧内公美/河合優実/梅田誠弘/
松浦祐也/和田光沙/池田良/木村知貴/
川瀬陽太 /丘みつ子 /光石研ほか

製作:映画「由宇子の天秤」製作委員会

製作協力:高崎フィルム・コミッション
特別協力:株式会社 鈍牛倶楽部 ・ 日本大学芸術学部 映画学科 放送学科
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会
海外セールス:東映株式会社 国際営業部
(日本/152分/カラー/5.1ch/1:2.35/ドラマ/DCP) 
©️2020映画工房春組

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映画『由宇子の天秤』2021年公開予定!

東京フィルメックスチケット予約は下記より

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